桃李談話室
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桃李12月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2024/12/14(Sat) 10:50 No.2478   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 冬日
兼題U 聖夜
兼題V 平和賞(不言題)

12月15日(日)投句開始
12月22日(日)投句締切 翌日選句開始
12月29日(日)選句締切 
12月30日(火)披講   

今月の不言題は「平和賞」という言葉を使わずに(ノーベル)平和賞を詠んで下さい

投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか
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ご挨拶とお知らせ 投稿者:ぽぽな 投稿日:2024/12/04(Wed) 00:45 No.2476  
丹仙さん、長年の常連の皆様、大変ご無沙汰しております。初対面のみなさま、はじめまして。わたくしは俳人の、月野ぽぽな、と申します。2002年にふと訪ねた桃季句会にて詩歌に魅せらせ、俳人になりました。久しぶりに今月、とても楽しく、句会に参加させていただきました。

さて、わたくしごとで恐縮ですが、この度、初の句集『人のかたち』(左右社)を刊行いたしました。初学の頃に多くを学ばせていたいた、丹仙さん、そして桃李歌壇に集う皆さまにお知らせいたしたくメッセージいたしました。以下に情報をリンクいたしますので、よろしかったらどうぞお手に取っていただきたく存じます。

左右社
https://sayusha.com/books/-/isbn9784865284188
アマゾン
https://www.amazon.co.jp/dp/4865284184


また、寄せていただきたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。



Re: ご挨拶とお知らせ 丹仙 - 2024/12/14(Sat) 10:47 No.2477   HomePage

ぽぽな様
お久しぶりです。初句集『人の形』の刊行、心よりお慶び申し上げます。

初冬やヘブライ文字は火のかたち    ぽぽな
  凍つる大地に「太陽の歌」      丹仙

私の脇句は、アッシジのフランシスという「人の形」を詠んでみました。

最近書いた私の論考「詩編に聴くー聖書と典礼の研究
」(来年3月刊行予定)の一節を以下に引用します。

 ヘブライ詩編148の賛歌を背景として、アッシジのフランシスは眼病と病苦のさなか、死の直前に、つぎのような賛歌を詠みました。(「太陽の歌」と呼ばれています)。

 ほむべきかな、主よ、主のつくりませる物みなと、
 ことに昼を与へわれらを照り輝かす兄弟(はらから)、
 太陽と日は美しく眩しきまでに照り渡る、
 かれこそは主の御姿、ああ高きにいます主よ

 ほむべきかな、わが主よ、兄弟(はらから)火は
 夜のくらきを照らし
 美(うる)はし、楽し、毅(たけ)く、剛(つよ)し。




桃李11月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2024/11/14(Thu) 20:06 No.2473   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 小春日
兼題U 散紅葉
兼題V 神の旅

11月15日(金)投句開始
11月22日(金)投句締切 翌日選句開始
11月30日(金)選句締切 
12月02日(水)披講 

投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか
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選句をお願いします 丹仙 - 2024/11/24(Sun) 20:50 No.2474   HomePage

投句者:素蘭、寿美子、春愁、素人、白馬、風子、秋童子、翔河川、しゐ、明子、実生、ぽぽな、ヨアヒム、丹仙

[1]:池の面を大地に仮装散紅葉
いけのもをだいちにかそうちりもみじ(散紅葉・散紅葉)

[2]:漆の葉真っ赤かの散紅葉
うるしのはまっかかのちりもみじ(散紅葉・)

[3]:神の旅色なき風の中を行く
かみのたびいろなきかぜのなかをゆく(神の旅・)

[4]:神の旅機首はエデンの東向く
かみのたびききしゅはエデンのひがしむく(神の旅・神の旅)

[5]:神の旅立ち空港は人の群れ
かみのたびだちくうこうはひとのむれ(神の旅・神の旅立ち)

[6]:神の旅能登は不在のままなるや
かみのたびのとはふざいのままなるや(神の旅・神の旅)

[7]:神の旅わが家の山の神もまた
かみのたびわがやのやまのかみもまた(神の旅・神の旅)

[8]:神の旅AIツアーかも知れず
かみのたびエイアイツアーかもしれず(神の旅・神の旅)

[9]:眼帯を外せば小春日和かな
がんたいをはずせばこはるびよりかな(小春日・)

[10]:喜寿を超え北アルプスへ神の旅
きじゅをこえきたあるぷすへかみのたび(神の旅・神の旅)

[11]:小春日に来し方ばかりよみがえり
こはるびにこしかたばかりよみがえり(小春日・)

[12]:小春日のカフェの椅子が呼んでいる
こはるびのかふぇのいすがよんでいる(小春日・冬)

[13]:小春日の手品子にすぐ見破られ
こはるびのてじなすぐこにみやぶられ(小春日・小春日)

[14]:小春日の干し菜の匂ひ暮れてなほ
こはるびのほしなのにおいくれてなお(小春日・小春日)

[15]:小春日の惑星残し詩人逝く
こはるびのわくせいのこししじんいく(小春日・)

[16]:小春日や囲碁の石音届く午後
こはるびやいごのいしおととどくごご(小春日・小春日)

[17]:小春日や伊勢の赤福はづみ買ひ
こはるびやいせのあかふくはづみがい(小春日・小春日)

[18]:小春日や小鳥と鴉の声混じり
こはるびやことりとからすのこえまじり(小春日・)

[19]:小春日や何だか一句詠めそうな
こはるびやなんだかいっくよめそうな(小春日・小春日)

[20]:小春日や白寿の母へ紅を刷く
こはるびやはくじゅのははへべにをはく(小春日・小春日)

[21]:小春日や湯島に女男の坂三つ
こはるびやゆしまにめおのさかみっつ(小春日・小春日)

[22]:小春日をうつらうつらと愉しめり
こはるびをうつらうつらとたのしめり(小春日・小春日)

[23]:さくらさくらさくらもみぢて散りにけり
さくらさくらさくらもみじてちりにけり(散紅葉・もみぢ散る)

[24]:自転する水の惑星神の旅
じてんするみずのわくせいかみのたび(神の旅・神の旅)

[25]:ソロモンの秘宝遙々神の旅
そろもんのひほうはるばるかみのたび(神の旅・)

[26]:ちょっと来い親鳥が子を小春かな
ちょっとこいおやどりがこをこはるかな(小春日・[小綬鶏])

[27]:散り紅葉影も日向も埋め尽くし
ちりもじかげもひなたもうめつくし(散紅葉・)

[28]:散紅葉遺影の夫と散策す
ちりもみじいえいのつまとさんさくす(散紅葉・冬)

[29]:散紅葉視線の高さ飛びゆけり
ちりもみじしせんのたかさとびゆけり(散紅葉・散紅葉)

[30]:散紅葉認知の母も微笑みて
ちりもみじにんちのははもほほえみて(散紅葉・散紅葉)

[31]:散紅葉踏まねばいけず先師の碑
ちりもみじふまねばいけずせんしのひ(散紅葉・散紅葉)

[32]:散もみぢ長押に鈍き釘隠し
ちるもみじなげしににぶきくぎかくし(散紅葉・散もみぢ)

[33]:散紅葉マリアの涙拭ひけり
ちるもみじマリアのなみだぬぐひけり(散紅葉・)

[34]:鳥の影よぎるベンチに散紅葉
とりのかげよぎるべんちにちりもみじ(散紅葉・)

[35]:塗椀は波に兎図神の旅
ぬりわんはなみにうさぎずかみのたび(神の旅・神の旅)

[36]:掃き寄せて空豆の新芽散り紅葉
はきよせてそらまめのしんめちりもみじ(散紅葉・[空豆発芽])

[37]:一齧りのビッグアップル神の旅
ひとかじりのビッグアップルかみのたび(神の旅・冬)

[38]:ビルの風ビルの渓谷散紅葉
びるのかぜびるのけいこくちるもみじ(散紅葉・)

[39]:水あれば水鏡して神の旅
みずあればみずかがみしてかみのたび(神の旅・)

[40]:紅葉散る坂道をなほ一歩づつ
もみじちるさかみちをなほいっぽづつ(散紅葉・紅葉散る)

[41]:紅葉散るひとひらは深き谷底へ
もみじちるひとひらはふかきたにぞこへ(散紅葉・紅葉散る)

[42]:ゲート開きもうお前しか神の旅
ゲートあきもうおまえしかかみのたび(神の旅・[ジャパンカップ])



選句一覧 丹仙 - 2024/12/02(Mon) 15:40 No.2475   HomePage

風子

天の句:[4]神の旅機首はエデンの東向く
エデンと言われると、「エデンの園」を思いジェームスデーンの日ずるい顔を思い出す。なぜか魅力的な一句となって立ち上がるのだ。

地の句:[38]ビルの風ビルの渓谷散紅葉
街なかを「ビルの谷間」と、言えば聞き慣れしていて面白くないが、「ビルの渓谷」と言い直すだけで新鮮味が出るから不思議です。

人の句:[13]小春日の手品子にすぐ見破られ
親子の微笑ましい一景が、小春日という季語によってより温かく感じられる。

寿美子

天の句:[20]小春日や白寿の母へ紅を刷く
小春日 ほのぼのと心がぬくもります

地の句:[7]神の旅わが家の山の神もまた
ウィットに富んだ一句
お賽銭たくさん供えたの?

人の句:[38]ビルの風ビルの渓谷散紅葉
ビルの渓谷 詩情そそられます

ヨアヒム

天の句:[3]神の旅色なき風の中を行く
「色なき風」の表現、素晴らしい。季語「神の旅」を生かしている。

地の句:[28]散紅葉遺影の夫と散策す
 連れ合いを失った気持ちが伝わってくる。

人の句:[24]自転する水の惑星神の旅
 スケールが大きい。

ぽぽな

天の句:[32]散もみぢ長押に鈍き釘隠し
例えば、年季の入った六葉の釘隠しでしょうか。設えてある神社仏閣が見えてきます。そこに紅葉が散る光景に静かな風情が香ります。細部の描写が周りの状況を読み手に彷彿させ、とても優れていると思いました。

地の句:[21]小春日や湯島に女男の坂三つ
湯島の坂を巡ってみるには、小春日がぴったりですね。湯島界隈の風景も見えてきます。

人の句:[9]眼帯を外せば小春日和かな
長く患っていた病かもしれません、手術の後かもしれません。眼帯をした視界は何かと不快であったことでしょう。ようやく外した時の解放感といった心の様子が、小春日和の穏やかさとよく響き合うと思います。

秋童子

天の句:[14]小春日の干し菜の匂ひ暮れてなほ
小春日ならではの大事なひと手間。豊かな暮らしぶりが想像できます。

地の句:[20]小春日や白寿の母へ紅を刷く
なんと素敵なひとときでしょう!

人の句:[40]紅葉散る坂道をなほ一歩づつ
心惹かれる一句でした。

素人

天の句:[30]散紅葉認知の母も微笑みて
記憶の底にのこる思い出

地の句:[20]小春日や白寿の母へ紅を刷く
元気でいての願いを込めて

人の句:[6]神の旅能登は不在のままなるや
復興遅し冬はそこまで

しゐ

天の句:[39]水あれば水鏡して神の旅
何とも優雅な、ゆったりした感じがします。

地の句:[31]散紅葉踏まねばいけず先師の碑
散り敷く落ち葉の美しさに踏み惑うばかり。

人の句:[24]自転する水の惑星神の旅
神の旅の速度と自転の速度が重なり、不思議な気持ちになります。

明子

天の句:[15]小春日の惑星残し詩人逝く
私たちは谷川俊太郎を失ってしまった。この惑星に残されてしまった。
寂しさが募ります。

地の句:[4]神の旅機首はエデンの東向く
現代の神の旅は飛行機も駆使して。
できることなら、エデンの東に向かう飛行機に乗ってみたいと思います。

人の句:[32]散もみぢ長押に鈍き釘隠し
長押に渋い釘隠しのあるような、趣のある古いお屋敷。散もみじの
美しさが眼前に浮かびます。

春愁

天の句:[26]ちょっと来い親鳥が子を小春かな
小綬鶏親子の微笑ましい景

地の句:[7]神の旅わが家の山の神もまた
山の神、何処へお出掛け?

人の句:[13]小春日の手品子にすぐ見破られ
アットホームな家族団らん!!

白馬

天の句:[20]小春日や白寿の母へ紅を刷く
母・娘の情が良く分かります。

地の句:[39]水あれば水鏡して神の旅
神様もおめかしして旅へ。

人の句:[28]散紅葉遺影の夫と散策す
しみじみします。

素蘭

天の句:[35]塗椀は波に兎図神の旅
縁起物とされる「波に兎」図、塗椀の漆は英語でjapan
されどglobalに展開すれば、NODA・MAP、その不条理劇、、、

地の句:[1]池の面を大地に仮装散紅葉
大胆な見立てですが、落葉や雪で地面と溝や池の境界がよくわからずおっかなびっくり足を運ぶことってありますね。
その徘味が在原業平の屏風歌「ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは 」との差異。

人の句:[15]小春日の惑星残し詩人逝く
「死んだ人はみんなことばになるのだ。」とは寺山修司の名言ですが…

実生

天の句:[15]小春日の惑星残し詩人逝く
たくさん救われたです。俊太郎さん、さようなら。

地の句:[39]水あれば水鏡して神の旅
行かないで。

人の句:[31]散紅葉踏まねばいけず先師の碑
ご無沙汰してるから、私も行かねば。

翔河川

天の句:[14]小春日の干し菜の匂ひ暮れてなほ
なんの匂いでしょう

地の句:[39]水あれば水鏡して神の旅
二重写で

人の句:[09]眼帯を外せば小春日和かな
景色が暖かく

丹仙

天の句:[32]散もみぢ長押に鈍き釘隠し
紅葉の色と散りゆく時間が、その背後にある古代へと遡り行く歴史、それに配するに、鈍い釘隠しのある伝統様式の建造物のくすんだ色、落ち着いた空間性が、見事な対比を為していると思いました。

地の句:[21]小春日や湯島に女男の坂三つ
のどかな参詣風景が浮かびます

人の句:[15]小春日の惑星残し詩人逝く
二十億光年の孤独という処女詩集を出した谷川俊太郎に献げる句として印象に残りました。




桃李10月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2024/10/13(Sun) 16:45 No.2470   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 渡り鳥
兼題U 蔦紅葉
兼題V 平和賞(不言題)

10月15日(火)投句開始
10月22日(火)投句締切 翌日選句開始
10月29日(火)選句締切 
10月30日(水)披講 
  
不言題とは「平和賞」という言葉を使わずに平和賞を詠む題詠です。

投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか
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選句をお願いします 丹仙 - 2024/10/23(Wed) 07:30 No.2471  

投句一覧

投句者:素人、寿美子、しゐ、素蘭、春愁、風子、白馬、実生、翔河川、秋童子、ヨアヒム、丹仙

[1]:藍蔵の白壁のぼる蔦紅葉
あいぐらのしらかべのぼるつたもみじ(蔦紅葉・蔦紅葉)

[2]:秋晴れや核廃絶に共感得
あきばれやかくはいぜつにきょうかんう(平和賞(不言題)・秋晴れ)

[3]:雨樋は赤一色に蔦紅葉
あまどいはあかいっしょくにつたもみじ(蔦紅葉・蔦紅葉)

[4]:石橋を叩けばこつと秋没日
いしばしをたたけばこつとあきいりひ(平和賞(不言題)・秋没日)

[5]:上田にて戦時の紅葉残したり
うえだにてせんじのもみじのこしたり(平和賞(不言題)・[無言館])

[6]:大鳴門小鳴門の空鳥渡る
おおなるとこなるとのそらとりわたる(蔦紅葉・鳥渡る)

[7]:菊の香や聖母に献ぐハレルヤ讃歌
きくのかやせいぼにささぐアレルヤさんか(平和賞(不言題)・菊[浦上のまりあ像])

[8]:木守柿第九条にノーベル賞
きまもりかきだいきゅうじょうにノーベルしょう(平和賞(不言題)・木守柿)

[9]:朽ち果てし民家アートに蔦紅葉
くちはてしみんかあーとにつたもみじ(蔦紅葉・蔦紅葉)

[10]:ゲーテ座のレンガの壁を蔦紅葉
げーてざのれんがのかべをつたもみじ(蔦紅葉・蔦紅葉)

[11]:小鳥来るフランシスコの高き鐘の音
ことりくるフランシスコのたかきかねのね(渡り鳥・)

[12]:小鳥たちどこから来たの秋気配
ことりたちどこからきたのあきけはい(渡り鳥・)

[13]:さびしげに仲間見送り鳥渡る
さびしげになかまみおくりとりわたる(渡り鳥・)

[14]:白きヴィラすっぽり容れて蔦紅葉
しろきヴィラすっぽりいれてつたもみじ(蔦紅葉・蔦紅葉)

[15]:住む人のいない生家や蔦紅葉
すむひとのいないせいかや蔦紅葉(蔦紅葉・)

[16]:蔦紅葉せし聖堂やミサ応へ
つたもみじせしせいどうやミサこたへ(蔦紅葉・[聖体行列])

[17]:蔦紅葉父の生家は瞽女の宿
つたもみじちちのせいかはごぜのやど(蔦紅葉・蔦紅葉)

[18]:蔦紅葉とばし読みする文庫本
つたもみじとばしよみするぶんこぼん(蔦紅葉・)

[19]:蔦紅葉古き煉瓦に星の影
つたもみじふるきれんがにほしのかげ(蔦紅葉・)

[20]:蔦紅葉放棄小屋壁真紅染め
つたもみじほうきこやかべしんくぞめ(蔦紅葉・[耕作放棄])

[21]:鶴来る北の大地の蒼き空
つるきたるきたのだいちのあおきそら(渡り鳥・鶴来る)

[22]:てんがうや酔うて湯島の蔦紅葉
てんごうやようてゆしまのつたもみじ(蔦紅葉・蔦紅葉)

[23]:灯台の光が過る渡り鳥
とうだいのひかりがよぎるわたりどり(渡り鳥・渡り鳥)

[24]:鳥渡る沖へ一筋光る潮
とりわたるおきへひとすじひかるしお(渡り鳥・鳥渡る)

[25]:鳥渡る酷暑の記憶曖昧に
とりわたるこくしょのきおくあいまいに(渡り鳥・鳥渡る)

[26]:鳥り渡る地じゅくの傾斜たしかめつ
とりわたるちじゅくのけいしゃたしかめつ(渡り鳥・)

[27]:ノーベル賞山口仙ニに告げし秋
のーべるしょうやまぐちせんじにつげしあき(平和賞(不言題)・秋)

[28]:被爆者の思い届くやノーベルに
ひばくしゃのおもいとどくやノーベルに(平和賞(不言題)・)

[29]:被爆者の御霊に捧ぐ断腸花
ひばくしゃのみたまにささぐだんちょうか(平和賞(不言題)・断腸花)

[30]:星月夜被爆のいのちの幾千万
ほしづくよひばくのいのちのいくせんまん(平和賞(不言題)・星月夜)

[31]:報われし想いは深し天高し
むくわれしおもいはふかしてんたかし(平和賞(不言題)・)

[32]:宵闇や長崎の鐘鳴り止まず
よいやみやながさきのかねなりやまず(平和賞(不言題)・宵闇)

[33]:渡り鳥「はて」とつぶやく陽気かな
わたりどり「はて」とつぶやくようきかな(渡り鳥・渡り鳥)

[34]:鳥わたるついていきたい遠い国
わたりどりついていきたいとおいくに(渡り鳥・)

[35]:渡り鳥時にはマストで友を待つ
わたりどりときにはマストでともをまつ(渡り鳥・)

[36]:割り箸に絡む水飴小鳥来る
わりばしにからむみずあめことりくる(渡り鳥・小鳥来る)



選句一覧 丹仙 - 2024/11/01(Fri) 13:55 No.2472   HomePage

素人

天の句:[1]藍蔵の白壁のぼる蔦紅葉
深まる秋を心行くまで

地の句:[21]鶴来る北の大地の蒼き空
老いたる農夫笑みを浮かべる

人の句:[36]割り箸に絡む水飴小鳥来る
飴細工師の指の巧みさ

春愁

天の句:[17]蔦紅葉父の生家は瞽女の宿
想像を超えています。草深い山中なのでしょうか。

地の句:[15]住む人のいない生家や蔦紅葉
背高泡立ち草も庭を占拠しています。

人の句:[10]ゲーテ座のレンガの壁を蔦紅葉
横浜の山手、よく見かけます。

寿美子

天の句:[32]宵闇や長崎の鐘鳴り止まず
平和賞受賞は私達の一縷の望み 長崎の鐘に励まされる

地の句:[6]大鳴門小鳴門の空鳥渡る
スケールの大きさに共感

人の句:[14]白きヴィラすっぽり容れて蔦紅葉
蓼科高原散策 紅葉の季節 モダンな山荘点在していました

風子

天の句:[29]被爆者の御霊に捧ぐ断腸花
断腸花とは、秋海棠の異名とある。なぜか悔しい思いが伝わってきて興味深い。

地の句:[10]ゲーテ座のレンガの壁を蔦紅葉
ゲーテ座は岩崎博物館。煉瓦の壁、重厚な出立ちに蔦紅葉が似合う。

人の句:[36]割り箸に絡む水飴小鳥来る
季語との関係性がつかず離れず心地よいバランス。

白馬

天の句:[17]蔦紅葉父の生家は瞽女の宿
三味線の音とご先祖様のお宅が響き合う。

地の句:[36]割り箸に絡む水飴小鳥来る
幼い頃の思い出と相俟って。ラ行も効果的です。

人の句:[34]鳥わたるついていきたい遠い国
そのお気持ち解ります。

翔河川

天の句:[01]藍蔵の白壁のぼる蔦紅葉
漆喰でしょうか

地の句:[24]鳥渡る沖へ一筋光る潮
暗闇に一瞬海が光って

人の句:[14]白きヴィラすっぽり容れて蔦紅葉
つたに埋もれて

しゐ

天の句:[36]割り箸に絡む水飴小鳥来る
水飴の絡み具合にも秋を感じる作者の、細やかな暮らしぶりが伝わります。

地の句:[27]ノーベル賞山口仙ニに告げし秋
受賞のお知らせは、山口さんはじめ多くのみたまに届いたことでしょう。でもこれがゴールではなく、今ある私たちに求められていることの重さを感じます。

人の句:[24]鳥渡る沖へ一筋光る潮
読みながら、光を追ってつい目を細めていました。

素蘭

天の句:[1]藍蔵の白壁のぼる蔦紅葉
藍職人の質実な暮らし それを象徴するような白壁 蔦紅葉  
一幅の絵ですね。

地の句:[31]報われし想いは深し天高し
過ちは繰り返します。
であるからこそ共有すべき「声」、その遡及力。
過ちを繰り返さぬよう…

人の句:[10]ゲーテ座のレンガの壁を蔦紅葉
横濱 黄昏 明治のアロマ 
於母影 しがらみ 港のエリス
ロマンス 残り火 男の未練
あの人は…
virtual hike の醍醐味です。

秋童子

天の句:[31]報われし想いは深し天高し
被爆者の方々は、長く苦しい闘いの果てにようやくひとつ報われた、と心から喜んでいらっしゃいます。
私も仕事を通じ、被爆者の方々の言い尽くせぬ苦しみや怒りに触れてきただけに、今回の受賞は本当にうれしく思っています。

地の句:[30]星月夜被爆のいのちの幾千万
人間はもちろん動植物に至るまで、幾千万の命を奪い去ってしまったあの原爆。被爆後79年が経ってなお、放射能による後遺症に苦しんでいる人もいます。
このおぞましい核兵器を2度と使わせまいとする被爆者の運動を、高く評価してくれたのが今年のノーベル平和賞でした。

人の句:[32]宵闇や長崎の鐘鳴り止まず
下半身付随の体となりながら初期の原水爆禁止運動を支えた渡辺千恵子さん、被爆者として初めて国連総会議場で「ノーモア・ヒバクシャ」の演説をした山口仙ニさん、熱線で焼かれた自分の赤い背中の写真を掲げながら国内外で核廃絶を訴え続けた谷口稜曄(すみてる)さん・・・。
私がお会いした長崎の被爆者も、すでにほとんどの方々が亡くなってしまいました。でも、いまその遺志は、被爆二世や地元の若者たちにしっかり引き継がれています。

実生

天の句:[1]藍蔵の白壁のぼる蔦紅葉
深谷かな。

地の句:[36]割り箸に絡む水飴小鳥来る
やってみょ。

人の句:[31]報われし想いは深し天高し
報道で知って嬉しかった。

ヨアヒム

天の句:[34]鳥わたるついていきたい遠い国
 ブッセの詩を思い出した。「遠い国」は夢の国かな、それとも…。

地の句:[15]住む人のいない生家や蔦紅葉
 蔦紅葉が生家の思い出と繋がっている。

人の句:[35]渡り鳥時にはマストで友を待つ
 発想が素晴らしい。大海原を感じさせる。「時にはマストで」を7文字にすれば…

丹仙

天の句:[32]宵闇や長崎の鐘鳴り止まず
長崎の鐘の記憶が人々の心に十六夜の月とともにのこりますように。

地の句:[17]蔦紅葉父の生家は瞽女の宿
瞽女の口説や歌物語という江戸時代に遡る古い伝承を感じさせる味わい深い句と思いました。

人の句:[10]ゲーテ座のレンガの壁を蔦紅葉
蔦紅葉にはその土地の風土と古い歴史を連想させる働きがありますね。現在の岩崎ミュージアムの佇まいにそういう者を感じさせると言うことですが、「ゲーテ」という文豪の名前からの連想として、「ウィリヘルム・マイスターの修業時代」や「遍歴時代」など、戦前の日本人に親しまれた自己形成物語の歴史まで感じました。




桃李9月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2024/09/13(Fri) 08:19 No.2467   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 秋出水
兼題U 彼岸花
兼題V 選挙戦(不言題)

9月15日(日)投句開始
9月22日(日)投句締切 翌日選句開始
9月29日(日)選句締切 
9月30日(日)披講   

不言題とは「選挙戦」という言葉を使わずに選挙戦を詠む題詠です。

投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか
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選句をお願いします 丹仙 - 2024/09/23(Mon) 08:01 No.2468   HomePage

投句一覧

投句者:素蘭、風子、春愁、しゐ、白馬、寿美子、丹仙、翔河川、秋童子、志音、ヨアヒム、明子、実生

[1]:秋出水かっぱの行方杳として
あきでみずかっぱのゆくえようとして(秋出水・秋出水)

[2]:秋出水生活の橋流されて
あきでみずせいかつのはしながされて(秋出水・秋出水)

[3]:秋出水それでも走る3ナンバー
あきでみずそれでもはしる3ナンバー(秋出水・)

[4]:秋出水乗り捨てられたEV車
あきでみずのりすてられたイーヴィーしゃ(秋出水・)

[5]:異常なり至る所で秋出水
いじょうなりいたるところであきでみず(秋出水・[温暖化])

[6]:言はざりし言葉の重さ秋出水
いわざりしことばのおもさあきでみず(秋出水・秋出水)

[7]:幼子の天然パーマ彼岸花
おさなごのてんねんパーマひがんばな(彼岸花・)

[8]:鴉にもはらからあらむ秋出水
からすにもはらからあらむあきでみず(秋出水・秋出水)

[9]:気がつけば父の命日彼岸花
きがつけばちちのめいにちひがんばな(彼岸花・)

[10]:茎一本天に屹立曼珠沙華
くきいっぽんてんにきつりつまんじゅしゃげ(彼岸花・曼珠沙華)

[11]:くまのためドングリ山へ公約なし
くまのためどんぐりやまへこうやくなし(選挙戦(不言題)・[熊かわいそう])

[12]:黒々と土嚢つみあげ秋出水
くろぐろとどのうつみあげあきでみず(秋出水・)

[13]:候補者に拝まれている墓に秋
こうほしゃにおがまれているはかにあき(選挙戦(不言題)・秋)

[14]:今年また逢いに行こうか彼岸花
ことしまたあいにいこうかひがんばな(彼岸花・)

[15]:ご公儀の不浄払ふや秋の雷
ごこうぎのふじょうはらうやあきのらい(選挙戦(不言題)・秋の雷)

[16]:爽やかや世直し挑む女性推す
さわやかやよなおしいどむじょせいおす(選挙戦(不言題)・爽やか)

[17]:新月の魚類は歌ふ礁かな
しんげつのぎょるいはうたういくりかな(選挙戦(不言題)・新月)

[18]:自転車の一旦停車彼岸花
じてんしゃのいったんていしゃひがんばな(彼岸花・彼岸花)

[19]:棄て舟の艫のみ見ゆる秋出水
すてぶねのとものみみゆるあきでみず(秋出水・秋出水)

[20]:背くらべしてる椎の実小楢の実
せいくらべしてるしいのみこならのみ(選挙戦(不言題)・木の実)

[21]:総裁選野党党首も台風の目
そうさいせんやとうとうしゅもたいふうのめ(選挙戦(不言題)・)

[22]:「宅配便」の「宅」まで秋出水の痕
たくはいびんのたくまであきでみずのあと(秋出水・)

[23]:田の畦と思しき所曼珠沙華
たのあぜとおぼしきところまんじゅしゃげ(彼岸花・曼珠沙華)

[24]:だるまさんがころんだ束の間の秋
だるまさんがころんだつかのまのあき(選挙戦(不言題)・)

[25]:津波跡軒端に高し海猫の聲
つなみあとのきばにたかしごめのこゑ(海猫)

[26]:当選の達磨へ処暑の墨を入れる
とうせんのだるまへしょしょのすみをいれる(選挙戦(不言題)・処暑)

[27]:泥の家泥の田畑秋出水
どろのいえどろのでんぱたあきでみず(秋出水・秋出水)

[28]:亡き人は大空になほ彼岸花
なきひとはおおぞらになほひがんばな(彼岸花・彼岸花)

[29]:野仏の裾あらふ雨捨て子花
のほとけのすそあらうあめすてごばな(彼岸花・捨て子花)

[30]:彼岸花雨粒抱き光おり
ひがんばなあまつぶいきひかりおり(彼岸花・)

[31]:彼岸花の丘にクルスの墓六基
ひがんばなのおかにくるすのはかろっき(彼岸花・)

[32]:ポスターは十人十色ちんちろりん
ぽすたーはじゅうにんといろちんちろりん(選挙戦(不言題)・ちんちろりん)

[33]:曼殊沙華炎上しさうなWEB社会
まんじゅしゃげえんじょうしそうなうぇぶしゃかい(彼岸花・曼殊沙華)

[34]:曼珠沙華つま先立で舞うプリマ
まんじゅしゃげつまさきだちでまうぷりま(彼岸花・)

[35]:曼珠沙華ドローンのように風にゆれ
まんじゅしゃげどろーんのようにかぜにゆれ(彼岸花・)

[36]:曼珠沙華亡き人の声ラジオから
まんじゅしゃげなきひとのこえらじおから(彼岸花・曼珠沙華)

[37]:病む地球溢れる涙秋出水
やむちきゅうあふれるなみだあきでみず(秋出水・秋出水)

[38]:与野党の党首選終え秋本番
よやとうのとうしゅせんおえあきほんばん(選挙戦(不言題)・秋)

[39]:拉致されし吾娘に哭すや彼岸花
らちされしあこにこくすやひがんばな(彼岸花・)



選句一覧 丹仙 - 2024/09/30(Mon) 14:22 No.2469   HomePage

実生

天の句:[15]ご公儀の不浄払ふや秋の雷
雷嫌いでも、不浄払ってくれるなら。いいかも。

地の句:[39]拉致されし吾娘に哭すや彼岸花
合わせてあげたい。

人の句:[25]津波跡軒端に高し海猫の聲
洪水も津波も残酷、ごめが鳴くから、ニシンが来ると、知らせられない
ごめもかわいそう。考えるだけでぞっとする。

風子

天の句:[4]秋出水乗り捨てられたEV車
ハイブリッドも秋出水には勝てません。

地の句:[39]拉致されし吾娘に哭すや彼岸花
連想の距離感が意外で興味深い。

人の句:[32]ポスターは十人十色ちんちろりん
上五を選挙ポスターとしたら明瞭になったかも。

寿美子

天の句:[27]泥の家泥の田畑秋出水
悲惨です。速報で届く悲劇に 励ましの言葉をかけようもない

地の句:[34]曼珠沙華つま先立で舞うプリマ
彼岸過ぎてようやく曼珠沙華がひらきました
明るい視点 素敵です

人の句:[20]背くらべしてる椎の実小楢の実
全くその通り
木の実に国のハンドルを任せられますか?

志音

天の句:[17]新月の魚類は歌ふ礁かな
選挙戦(不言題)の句であることが私にはよく分かりませんでしたが、句としては一番惹かれた御句でした。詩的断定が新鮮で素晴らしいです。

地の句:[29]野仏の裾あらふ雨捨て子花
映像鮮明な御句。野の地蔵に着せられた紅い服の裾を濡らす雨。その横には、同じように雨に濡れそぼった真紅の曼珠沙華。「捨て子花」という傍題を敢えて選択したことが「野仏」と静かに響き合います。

人の句:[8]鴉にもはらからあらむ秋出水
空に鴉が一羽。眼下には未だ引かぬ泥水。あの独りぼっちの鴉にも兄弟姉妹があるに違いない、と思っている作中主体もまた、独り取り残されているか。

しゐ

天の句:[6]言はざりし言葉の重さ秋出水
とても言葉では表せないこの現実。

地の句:[28]亡き人は大空になほ彼岸花
死者と生者を繋いでいるような花。

人の句:[37]病む地球溢れる涙秋出水
この洪水は地球の涙だったのですね。

素蘭

天の句:[19]棄て舟の艫のみ見ゆる秋出水
艫乗りはいま何処…

地の句:[29]野仏の裾あらふ雨捨て子花
野仏に捨て子花の措辞が隠れ里っぽくていいですね。狐花なら、野仏ならぬ髑髏が、、、

人の句:[14]今年また逢いに行こうか彼岸花
かくありたし。

白馬

天の句:[15]ご公儀の不浄払ふや秋の雷
雷さまにも怒って欲しいです。

地の句:[31]彼岸花の丘にクルスの墓六基
上5と中7の取り合わせが面白いですね。

人の句:[1]秋出水かっぱの行方杳として
あの惨状は別として、句として面白いですね。

翔河川

天の句:[29]野仏の裾あらふ雨捨て子花
野仏のそばにも

地の句:[19]棄て舟の艫のみ見ゆる秋出水
泥水のなかに艫だけ

人の句:[28]亡き人は大空になほ彼岸花
まだ近くに

ヨアヒム

天の句:[30]彼岸花雨粒抱き光おり
日常の細やかな情景。生命の繊細さを感じる。 

地の句:[6]言はざりし言葉の重さ秋出水
テレビ画面で、人の心は写し切れない。

人の句:[37]病む地球溢れる涙秋出水
人類は21世紀を乗り切れるのだろうか。

秋童子

天の句:[6]言はざりし言葉の重さ秋出水
想像を絶する辛い体験をされたのでしょう。もはや言葉もありません。

地の句:[27]泥の家泥の田畑秋出水
家も田も、あたり一面すべて泥にまみれて。近年、こんな惨状が日常になってしまいました。

人の句:[7]幼子の天然パーマ彼岸花
なるほど。あの髪型は彼岸花にそっくり。納得です。

明子

天の句:[28]亡き人は大空になほ彼岸花
ええ、確かに大空を自由に飛び回っているのです。風とともに!

地の句:[18]自転車の一旦停車彼岸花
思わず自転車を止めてしまいました。人の足を止めさせる美しさです。

人の句:[2]秋出水生活の橋流されて
生活の基盤の全てを流された方も。胸が痛みます。

春愁

天の句:[24]だるまさんがころんだ束の間の秋
破調がかえってリズムを

地の句:[9]気がつけば父の命日彼岸花
思い当たる

人の句:[32]ポスターは十人十色ちんちろりん
蟲しぐれ

丹仙

天の句:[17]新月の魚類は歌ふ礁かな
選挙戦という不言題の句の中で、これが最も印象的でした。
新月は新たな創造のエネルギーに満ちた月、それゆえに「祈願」の意味があり、選挙戦に結びつきます。そして不言題とはべつにしても、新月と魚類が歌う礁のイメージも美しい。

地の句:[31]彼岸花の丘にクルスの墓六基
鹿児島の福昌寺にある潜伏キリシタンの墓に詣でたときのことを想起しました。ザビエルにも縁のあったこの寺、彼と忍室との交流も記録されています。浦上四番崩れのときに流謫の苦難のあったキリシタン達ですが、他県とは違ってこの福昌寺では、住民から好意を持って遇されたようです。
 この句の読みですが、「彼岸花の岡」の「の」はない方が、字余りにならず口調が良いと思いますが如何でしょうか。

人の句:[19]棄て舟の艫のみ見ゆる秋出水
「捨て船の艫のみ」というところ、いかにも颱風被害の状況を活写しています。

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