桃李談話室
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桃李2月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2025/02/13(Thu) 08:28 No.2486   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 梅
兼題U 麦踏
兼題V 百千鳥

2月14日(金)投句開始
2月21日(金)投句締切 翌日選句開始
2月28日(金)選句締切 
3月01日(土)披講  

投句/選句するには、左の「投句選句用紙」のリンクか
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選句をお願いします 丹仙 - 2025/02/22(Sat) 08:23 No.2487  

投句一覧

投句者:春愁、素蘭、白馬、寿美子、実生、素人、ヨアヒム、しゐ、風子、丹仙、翔河川、秋童子

[1]:足占はや昭和五年の麦を踏む
あうらはやしょうわごねんのむぎをふむ(麦踏・麦を踏む)

[2]:あしひきの山師の誤算百千鳥
あしひきのやましのごさんももちどり(百千鳥・百千鳥)

[3]:梅一片少女の髪に光おり
うめいっぺんしょうじょのかみにひかりおり(梅・)

[4]:梅咲いて足元さらう詐欺集団
うめさいてあしもとさらうさぎしゅうだん(梅・)

[5]:梅眺め友は三十路で旅立てり
うめながめともはみそじでたびたてり(梅・梅)

[6]:梅の花我も小鳥も待ち望む
うめのはなわれもことりもまちのぞむ(梅・梅花)

[7]:梅ふふむふるさとは今日もゆき、ゆき、ゆき
うめふふむふるさとはきょうもゆき、ゆき、ゆき(梅・梅)

[8]:浦上に新しき鐘麦を踏む
うらかみにあたらしきかねむぎをふむ(麦踏・)

[9]:餌と水揃えて呼び込む百千鳥
えさとみずそろえてよびこむももちどり(百千鳥・)

[10]:餌取りに縄張り競ひ百千鳥
えさとりになわばりきそひももちどり(百千鳥・百千鳥)

[11]:佳子さまの孤愁の窓辺 梅凛と
かこさまのこしゅうのまどべうめりんと(梅・梅凛と)

[12]:風もなく小枝が揺れる百千鳥
かぜもなくこえだがゆれるももちどり(百千鳥・メジロ)

[13]:ガザというかなしきところ春寒し
がざというかなしきところはるさむし(春寒)

[14]:木は一樹駅前ロータリー百千鳥
きはいちじゅえきまえろーたりーももちどり(百千鳥・)

[15]:里山の静けさ破り百千鳥
さとやまのしずけさやぶりももちどり(百千鳥・)

[16]:早春のガザに束の間笑顔かな
そうしゅんのがざにつかのまえがおかな(早春)

[17]:通院の足ひき止むる梅一輪
つういんのあしひきとむるうめいちりん(梅・梅)

[18]:鳥一羽吸って飛び立つ梅の露
とりいちわすってとびたつうめのつゆ(梅・)

[19]:長々と麦踏む影や大落暉
ながながとむぎふみむかげやだいらっき(麦踏・麦踏む影)

[20]:西坂や少年像に梅真白
にしざかやしょうねんぞうにうめましろ(梅・)

[21]:ぬばたまの海苔弁の味梅二月
ぬばたまののりべんのあじうめにがつ(梅・梅二月)

[22]:寝坊して窓を開ければ百千鳥
ねぼうしてまどをあければももちどり(百千鳥・百千鳥)

[23]:梅林に佇むふたり言葉なし
ばいりんにたたずむふたりことばなし(梅・梅林)

[24]:梅林を抜け行く友の姿なほ
ばいりんをぬけゆくとものすがたなほ(梅・梅)

[25]:ふたりして近づき離れ麦を踏む
ふたりしてちかづきはなれむぎをふむ(麦踏・麦を踏む)

[26]:満ち足りて目覚むる朝百千鳥
みちたりてめさむるあしたももちどり(百千鳥・百千鳥)

[27]:麦踏のイヤホーンより新世界
むぎふみのイヤホーンよりしんせかい(麦踏・)

[28]:麦踏はおどおど踏んで叱られた
むぎふみはおとおどふんでしかられた(麦踏・子供の冬仕事[農学へ])

[29]:麦踏や名前を綽名で呼ばれけり
むぎふみやなまえをあだなでよばれけり(麦踏・)

[30]:麦を踏むゼロ回答を子らに告げ
むぎをふむぜろかいとうをこらにつげ(麦踏・麦踏)

[31]:百千鳥古窯出土の四耳の壺
ももちどりこようしゅつどのしじのつぼ(百千鳥・百千鳥)

[32]:百千鳥混声合唱好き勝手
ももちどりこんせいがっしょうすきかって(百千鳥・百千鳥)

[33]:百千鳥しばし黙せよ吾も祈る
ももちどりしばしもくせよあもいのる(百千鳥・)

[34]:百千鳥少女にもある変声期
ももちどりしょうじょにもあるへんせいき(百千鳥・百千鳥)

[35]:百千鳥窓を開ければピタと止む
ももちどりまどをあければぴたとやむ(百千鳥・)

[36]:山里は山を砦に麦を踏む
やまざとはやまをとりでにむぎをふむ(麦踏・麦踏)



桃李1月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2025/01/13(Mon) 17:59 No.2483   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 読初
兼題U 冬薔薇
兼題V 小正月

1月15日(水)投句開始
1月22日(水)投句締切 翌日選句開始
1月29日(水)選句締切 
1月30日(木)披講   

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選句をお願いします 丹仙 - 2025/01/23(Thu) 08:52 No.2484   HomePage

投句者:春愁、風子、寿美子、素人、翔河川、しゐ、ヨアヒム、実生、丹仙、素蘭、秋童子、明子

[1]:諍ひて別れし子より冬の薔薇
いさかいてわかれしこよりふゆのばら(冬薔薇・冬の薔薇)

[2]:植木屋の帰りし後の冬の薔薇
うえきやのかえりしのちのふゆのばら(冬薔薇・冬の薔薇)

[3]:ガザに咲け百万本の冬の薔薇
がざにさけひゃくまんぼんのふゆのばら(冬薔薇・冬の薔薇)

[4]:くれなゐの薔薇と少年寒夕焼
くれないのばらとしょうねんかんゆやけ(冬薔薇・寒夕焼)

[5]:小正月順番待ちのモーニング
こしょうがつじゅんばんまちのもーにんぐ(小正月・小正月)

[6]:小正月集ひし家族笑ひ合ふ
こしょうがつつどいしかぞくわらいあう(小正月・小正月)

[7]:小正月母の作りし小豆粥
こしょうがつははのつくりしあずきがゆ(小正月・小正月[季重なりですけど…])

[8]:小正月ガザの平和を祈る夜半
こしょうがつガザのへいわをいのるよわ(小正月・)

[9]:献立は大根おろし常夜鍋
こんだてはだいこんおろしじょうやなべ(小正月・大根[常夜鍋])

[10]:善哉に仕舞の餅を小正月
ぜんざいにしまいのもちをこしょうがつ(小正月・小正月)

[11]:団子木は大ぶりを好む父なりし
だんごぎはおおぶりをこのむちちなりし(小正月・団子木)

[12]:月に吠ゆるおほかみをらず小正月
つきにほゆるおおかみおらずこしょうがつ(小正月・小正月)

[13]:年頭の決意やいずこ小正月
ねんとうのけついやいずここしょうがつ(小正月・小正月)

[14]:腹這いてインクかんばし読始
はらばいてインクかんばしよみはじめ(読初・)

[15]:冬薔薇くりかえし聴くアベマリア
ふゆそうびくりかえし聴くアベマリア(冬薔薇・)

[16]:冬薔薇ネオンの街の未知の色
ふゆそうびねおんのまちのみちのいろ(冬薔薇・)

[17]:冬の薔薇そのありようの凛として
ふゆのばらそのありようのりんとして(冬薔薇・冬の薔薇)

[18]:冬薔薇や矛盾を生きるベネディクト
ふゆばらやむじゅんをいきるベネディクト(冬薔薇・[献身者誓願の日])

[19]:冬薔薇を一本買って句をひねる
ふゆばらをいっぽんかってくをひねる(冬薔薇・[バラ咲いてなくて])

[20]:冬薔薇を17歳が持つ花瓶
ふゆばらをじゅうななさいがもつかびん(冬薔薇・)

[21]:本年も頑張れるかな冬薔薇
ほんねんもがんばれるかなふゆそうび(冬薔薇・冬薔薇)

[22]:店の名は半ば消えゐて冬薔薇
みせのなはなかばきえいてふゆそうび(冬薔薇・冬薔薇)

[23]:みそ汁と通信ふえて小正月
みそしるとつうしんふえてこしょうがつ(小正月・)

[24]:読初といふにあらねど漢語林
よみぞめというにあらねどかんごりん(読初・読初)

[25]:読初にチボー家のジャック訪ねゆく
よみぞめにちぼーけのじゃっくたずねゆく(読初・読初)

[26]:読初の詩集に挟む母の文
よみぞめのししゅうにはさむははのふみ(読初・読初)

[27]:読初は「坂の上の雲」今年また
よみぞめは「さかのうえのくも」ことしまた(読初・読初)

[28]:読初はいつも各紙のトップ記事
よみぞめはいつもかくしのとっぷきじ(読初・読初[職業病…])

[29]:読初はお祓い待つ間チンギス紀
よみぞめはおはらいまつまちんぎすき(読初・[八幡宮にて])

[30]:読初はフランシスコの小さき花
よみぞめはフランシスコのちさきはな(読初・)

[31]:読初やあのチボー家をもう一度
よみぞめやあのちぼーけをもういちど(読初・読初)

[32]:読初や句誌の扉に師の笑顔
よみぞめやくしのとびらにしのえがお(読初・読初)

[33]:読初や鉄瓶の湯のたぎる音
よみぞめやてつびんのゆのたぎるおと(読初・読初)

[34]:ワカモレをパンにのばして小正月
わかもれをぱんにのばしてこしょうがつ(小正月・)

[35]:ゴシップに数多の尾ひれ女正月
ゴシップにあまたのおひれめしょうがつ(小正月・女正月)

[36]:ボヘミアングラスいっぱい冬薔薇
ボヘミアングラスいっぱいふゆそうび(冬薔薇・冬薔薇)



選句一覧 丹仙 - 2025/01/30(Thu) 08:58 No.2485   HomePage

素人

天の句:[36]ボヘミアングラスいっぱい冬薔薇
男やもめの部屋を明るく

地の句:[10]善哉に仕舞の餅を小正月
けじめをつけて少し満足

人の句:[7]小正月母の作りし小豆粥
餅に飽きての心地よきかな

寿美子

天の句:[15]冬薔薇くりかえし聴くアベマリア
寒気にまけず凛と咲く薔薇
私はグノーのアベマリアが好きです

地の句:[24]読初といふにあらねど漢語林
同感です 新年の感慨の薄れてしまった日々を 
寂しく思っています

人の句:[35]ゴシップに数多の尾ひれ女正月
聞きたくないが 聞こえてくるゴシップ
女正月つきすぎの感あります

実生

天の句:[26]読初の詩集に挟む母の文
仏壇から嫁いだ娘を案じる手紙が。母の母からだけど、息子は読めなかった。達筆で。

地の句:[7]小正月母の作りし小豆粥
季重いいよ、お母ちゃん思い出した。

人の句:[3]ガザに咲け百万本の冬の薔薇
加藤登紀子さん歌って。

春愁

天の句:[13]年頭の決意やいずこ小正月
一年の計を立てたばかりなのに・・・俳諧味がある。

地の句:[22]店の名は半ば消えゐて冬薔薇
客の姿のない、昔からある花舗。冬バラが淋しそうに・・・。

人の句:[14]腹這いてインクかんばし読始
積読の新刊書を、寝正月に・・・の景! あるある。

しゐ

天の句:[33]読初や鉄瓶の湯のたぎる音
静けさと穏やかさが、たった一つの音に守られているような時間。

地の句:[13]年頭の決意やいずこ小正月
半月も持たなかった決意、、、私にも心当たりが。

人の句:[22]店の名は半ば消えゐて冬薔薇
何か物語がありそうな。

風子

天の句:[1]諍ひて別れし子より冬の薔薇
蟠りのある別れをした母親も気持ちはいかがなものであったか。何色の薔薇が届いたのでしょうか?黄色かな?白では無いでしょう。赤でも無いと思う。

地の句:[13]年頭の決意やいずこ小正月
新年も抱負や決意を真剣に考えたのに、中ば過ぎれば、え!なんだったけ?などと腑抜けなことを言う。

人の句:[28]読初はいつも各紙のトップ記事
そうでしょう。大体は、新聞が初読みとなる。当たり前だがそれを句にしたところが面白い。

素蘭

天の句:[33]読初や鉄瓶の湯のたぎる音
たぎるもの 湯のみにあらず

地の句:[1]諍ひて別れし子より冬の薔薇
ほっこりしました?

人の句:[11]団子木は大ぶりを好む父なりし
山形県の伝統行事なんですね。「大ぶりを好む」のも納得の楽しい飾りがいっぱい。

ヨアヒム

天の句:[1]諍ひて別れし子より冬の薔薇
 これほど嬉しい贈り物はありません。

地の句:[33]読初や鉄瓶の湯のたぎる音
 集中力凄い!。面白い読み物なんですネ。

人の句:[13]年頭の決意やいずこ小正月
 その通りです。

秋童子

天の句:[17]冬の薔薇そのありようの凛として
色彩の乏しい風景の中で、寒風にもさらされながら。

地の句:[10]善哉に仕舞の餅を小正月
いかにも小正月ですね。

人の句:[8]小正月ガザの平和を祈る夜半
ガザの人々に対する不条理な仕打ちに、日々祈るばかりです。

翔河川

天の句:[22]店の名は半ば消えゐて冬薔薇
廃店舗でしょうか

地の句:[35]ゴシップに数多の尾ひれ女正月
女性はゴシップ好き?

人の句:[11]団子木は大ぶりを好む父なりし
大きな餅花で

明子

天の句:[14]腹這いてインクかんばし読始
インクの匂いが心地よく、新しい年を迎えた気分が伝わります。
腹這いで、というのも面白いと思います。

地の句:[13]年頭の決意やいずこ小正月
もう十五日も過ぎてしまった。

人の句:[15]冬薔薇くりかえし聴くアベマリア
静謐な空気が満ちている。

丹仙

天の句:[15]冬薔薇くりかえし聴くアベマリア
アベ・マリアはグノー、シューベルト、カッチーニと様々な調べに乗せて歌われますが、何度も聞きたくなるのは、どの作曲家のものでしょうか。
私の場合は、(イタリアのルネッサンス期の作曲家カッチーニの名前を借りて作曲された)ロシアのリュート奏者ヴィバロフのものです。ロシア人のイタリアへの憧れと、秘められた想いが伝わり、「冬薔薇」の季語とよく調和しますので。

地の句:[11]団子木は大ぶりを好む父なりし
小正月という季題の本意に即した句ですが、それだけでなく、父への回想を重ねたところが、よいと思いました。

人の句:[36]ボヘミアングラスいっぱい冬薔薇
ボヘミアングラスには何となく舶来の趣があり、それが冬薔薇と協和して、なんとも豪華な印象を与えるところが良いですね。



謹賀新年 令和七年元旦 投稿者:丹仙 投稿日:2025/01/01(Wed) 07:34 No.2482   HomePage

   皆様のご健康、ご多幸を祈ります

ほむべきかな、日は美しく眩しきまでに照り渡る
かれこそは主の御姿、ああ高きにいます主よ
           ―アッシジの聖フランシスコ

 今年は「詩編に聴くー聖書と典礼の研究」という
連続講義を聖グレゴリオの家(宗教音楽研究所)で一年間行う予定です。たとえばヘブライ詩編148に連関して、フランシスコの「太陽の歌」を聴きます。
 それと並行して、12月のクリスマスから桃李歌壇の旧作品投稿室に、キリスト教と日本文化の創造的な邂逅をめざして、「福音歳時記」を連載することにしました。コメントなどお聞かせいただければ幸甚です。

                  丹仙(田中 裕)



桃李12月定例句会のお知らせ 投稿者:丹仙 投稿日:2024/12/14(Sat) 10:50 No.2478   HomePage
題詠または当季雑詠

兼題T 冬日
兼題U 聖夜
兼題V 平和賞(不言題)

12月15日(日)投句開始
12月22日(日)投句締切 翌日選句開始
12月29日(日)選句締切 
12月30日(月)披講   

今月の不言題は「平和賞」という言葉を使わずに(ノーベル)平和賞を詠んで下さい

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選句をお願いします 丹仙 - 2024/12/23(Mon) 06:57 No.2480   HomePage

投句一覧

投句者:白馬、素蘭、寿美子、素人、春愁、風子、実生、しゐ、秋童子、丹仙、翔河川、ヨアヒム、明子、ぽぽな

[1]:いくつもの夜をたくわえ冬日差す
いくつものよるをたくわえふゆひさす(冬日・冬日)

[2]:祈るために手のひらはあり冬の月
いのるためにてのひらはありふゆのつき(平和賞(不言題)・)

[3]:遅すぎた春ではあれど被団協
おそすぎたはるではあれどひだんきょう(平和賞(不言題)・春)

[4]:穏やかな冬日や父母の忌に集ふ
おだやかなふゆびやふぼのきにつどう(冬日・冬日)

[5]:介護士へ微笑み返す聖夜かな
かいごしへほほえみかえすせいやかな(聖夜・聖夜)

[6]:カタログに黒丸つける孫のイブ
かたろぐにくろまるつけるまごのいぶ(聖夜・[サンタへの祈り])

[7]:悲しみに喜びを重ねトーチ過ぐ
かなしみによろこびをかさねとーちすぐ(平和賞(不言題)・なし[オスロのトーチパレード])

[8]:寒月や金平糖の角の数
かんげつやこんぺいとうのつののかず(平和賞(不言題)・寒月)

[9]:杵を持つ孫の手震え冬日さす
きねをもつまごのてふるえふゆびさす(冬日・[餅つき])

[10]:胸中の奥へ冬日の届かざる
きょうちゅうのおくへふゆびのとどかざる(冬日・冬)

[11]:午後三時気配の変わる冬日かな
ごごさんじけはいのかわるふゆびかな(冬日・冬日)

[12]:寒空のトーチパレードオスロ燃ゆ
さむぞらのとーちぱれーどおすろもゆ(平和賞(不言題)・寒空)

[13]:終日をテニスコートで冬日向
しゅうじつをテニスコートでふゆひなた(冬日・冬日向)

[14]:聖樹の灯ティファニーブルーの小筐解く
せいじゅのひティファニーブルーのこばことく(聖夜・聖樹の灯)

[15]:聖夜とて街はひっそり寝静まる
せいやとてまちはひっそりねしずまる(聖夜・聖夜)

[16]:鶴群れて核無き宙へ飛び立てり
つるむれてかくなきそらへとびたてり(平和賞(不言題)・紙の鶴)

[17]:てくてくと聖夜の灯り月ひとつ
てくてくとせいやのあかりつきひとつ(聖夜・)

[18]:手作りが織り成す妻の聖夜かな
てづくりがおりなすつまのせいやかな(聖夜・聖夜)

[19]:天中にオセロの月の冴えわたる
てんちゅうにオセロのつきのさえわたる(平和賞(不言題)・冴ゆ)

[20]:螺子巻けば回る聖夜のオルゴール
ねじまけばまわるせいやのおるごーる(聖夜・)

[21]:反核の願ひ輝け寒北斗
はんかくのねがいかがやけかんほくと(平和賞(不言題)・寒北斗[オスロー])

[22]:人々の祈りの重く聖夜更く
ひとびとのいのりのおもくせいやふく(聖夜・聖夜)

[23]:被爆者とボタンを押した人の差は
ひばくしゃとぼたんをおしたひとのさは(平和賞(不言題)・)

[24]:冬の日に影引きそいて踊り場に
ふゆのひにかげひきそいておどりばに(冬日・)

[25]:冬の日の子の影長く母を待つ
ふゆのひのこのかげながくははをまつ(冬日・)

[26]:冬の日や電話もならず人も来ず
ふゆのひやでんわもならずひともこず(冬日・冬の日)

[27]:冬の日を余すことなく浴びて鳥
ふゆのひをあますことなくあびてとり(冬日・)

[28]:冬日燦不定愁訴かロダン像
ふゆひさんふていしゅうそかロダンぞう(冬日・冬日燦)

[29]:冬日向籠となる竹削りをり
ふゆひなたかごとなるたけけずりおり(冬日・冬日向)

[30]:冬日受け庭の体操ひとりきり
ふゆびうけにわのたいそうひとりきり(冬日・)

[31]:冬日さす黒板消しの過去の色
ふゆびさすこくばんけしのかこのいろ(冬日・)

[32]:冬日さす天主堂より今日の鐘
ふゆびさすてんしゅどうよりきょうのかね(平和賞(不言題)・冬日)

[33]:平和の声届かぬ民や冬ざるる
へいわのこえとどかぬたみやふゆざるる(平和賞(不言題)・冬ざるる)

[34]:星の子の名前は星聖夜劇
ほしのこのなまえはひかりせいやげき(聖夜・聖夜劇)

[35]:ボンド様冬を味方に停戦を
ぼんどさまふゆをみかたにていせんを(平和賞(不言題)・冬[虚しい])

[36]:御心のままに迎へる聖夜かな
みこころのままにむかへるせいやかな(聖夜・聖夜)

[37]:道長とまひろの月も聖夜かな
みちながとまひろのつきもせいやかな(聖夜・冬)

[38]:若き等に託す願ひや冬の星
わかきらにたくすねがいやふゆのほし(平和賞(不言題)・冬の星)

[39]:我が為に贖ふ詩集聖夜かな
わがためにあがなうししゅうせいやかな(聖夜・聖夜)

[40]:アッシジの山に賛歌の冬日影
アッシジのやまにさんかのふゆひかげ(冬日・)

[41]:ムスリムの母子と祝う聖夜かな
ムスリムのははこといわうせいやかな(聖夜・)

[42]:医者いらずあれこれいはず冬日向
医者いらずあれこれ言わず冬日向(冬日・冬日向)



選句一覧 丹仙 - 2024/12/30(Mon) 07:08 No.2481   HomePage

春愁

天の句:[25]冬の日の子の影長く母を待つ
"の"の連なりが、却って長きを"待つ"感覚に・・・

地の句:[29]冬日向籠となる竹削りをり
冬日のなか、ゆったりと時が流れる

人の句:[37]道長とまひろの月も聖夜かな
タイムリー

素人

天の句:[33]平和の声届かぬ民や冬ざるる
いつ戦争は終わるのだろう

地の句:[4]穏やかな冬日や父母の忌に集ふ
遺影の笑みに少し癒され

人の句:[25]冬の日の子の影長く母を待つ
鍵を忘れて家に入れず

寿美子

天の句:[2]祈るために手のひらはあり冬の月
お互いを思いやる祈りでありますように

地の句:[39]我が為に贖ふ詩集聖夜かな
そんな聖夜の喜びも hozannna 

人の句:[42]医者いらずあれこれいはず冬日向
そのうえお喋りできる仲間があれば長生きできますね

しゐ

天の句:[12]寒空のトーチパレードオスロ燃ゆ
トーチの炎の色と白い息、人々の表情がとても印象的な夜でした。

地の句:[27]冬の日を余すことなく浴びて鳥
冬の日差しが、小さな鳥の一点に集まっているように感じられます。

人の句:[9]杵を持つ孫の手震え冬日さす
小さなお孫さんが全身で杵を持ち上げる姿がリアルに目に浮かびます。餅つきができる家で育まれるものの豊さが想像されて、幸せな気持ちになりました。

実生

天の句:[10]胸中の奥へ冬日の届かざる
何があったの。?

地の句:[3]遅すぎた春ではあれど被団協
重いお話だった。

人の句:[37]道長とまひろの月も聖夜かな
セリフ、背景、色々と深い思いが表現されていて。

白馬

天の句:[16]鶴群れて核無き宙へ飛び立てり
何国でしょうか? 皆の願い。

地の句:[5]介護士へ微笑み返す聖夜かな
患者さんの笑顔が嬉しい。

人の句:[28]冬日燦不定愁訴かロダン像
ロダンは愁い顔----。

ぽぽな

天の句:[5]介護士へ微笑み返す聖夜かな
介護士の微笑みに、微笑みで答えているのですね。
感謝に満ちた関係が見えてきます。日頃からする行為かもしれませんが、聖夜の微笑みは、個人の行為を超えた、普遍の力、慈愛そのものとなります。

地の句:[29]冬日向籠となる竹削りをり
竹の含水量が低くなる冬は工芸に最適ということです。職人の集中力がみなぎる静かな時間が素敵です。

人の句:[38]若き等に託す願ひや冬の星
語り継ぐべきことは語り継がれてゆくと思います。冬の星に希望を見ました。

翔河川

天の句:[29]冬日向籠となる竹削りをり
縁側でしょうか

地の句:[27]冬の日を余すことなく浴びて鳥
ふくれどりか

人の句:[17]てくてくと聖夜の灯り月ひとつ
寒い夜道で

秋童子

天の句:[10]胸中の奥へ冬日の届かざる
冬の日差しでは、この塞ぐ思いはなかなか晴れません。

地の句:[22]人々の祈りの重く聖夜更く
国内外では不条理なことがたくさん起きているのに、何もできない無力感。人々はただ祈るのみです。

人の句:[38]若き等に託す願ひや冬の星
受賞演説は核兵器廃絶の取り組みを、世界の若者たちに託す願いも込められていました。

ヨアヒム

天の句:[15]聖夜とて街はひっそり寝静まる
 ドイツの小さな街で3年間暮らした当時の情景を想い出します。

地の句:[5]介護士へ微笑み返す聖夜かな
 仕事とはいえ、アタマが下がります。

人の句:[11]午後三時気配の変わる冬日かな
 暖冬とはいえ、詠まれた通り、空気感が変わりますネ。

素蘭

天の句:[40]アッシジの山に賛歌の冬日影
1997年の地震で大きな被害を受けたアッシジのサン・フランチェスコ聖堂
細心の修復作業を経て2000年に世界遺産登録
冬日を浴び鳥は囀る
大地の讃歌

地の句:[12]寒空のトーチパレードオスロ燃ゆ
象徴的な光景でした。

人の句:[14]聖樹の灯ティファニーブルーの小筐解く
ブルーもレッドもホワイトも…掌サイズのトキメキ♪

明子

天の句:[1]いくつもの夜をたくわえ冬日差す
夜をたくわえる、という発想に惹かれました。確かに冬という
季節は夜の存在感が強い気がします。

地の句:[8]寒月や金平糖の角の数
金平糖の角は核廃絶を願う人達の象徴でしょうか。

人の句:[41]ムスリムの母子と祝う聖夜かな
人種も立場もすべて乗り越えて、心から祈る聖夜であってほしいと
願います。

風子

天の句:[18]手作りが織り成す妻の聖夜かな
家族のために三日三晩の準備をして聖夜を迎える妻に感謝の念。口にはださねど無口な夫は心から感謝している。

地の句:[21]反核の願ひ輝け寒北斗
反核の情熱が消えかかる頃、息を吹き返したような輝きを放つ寒北斗。まさに。

人の句:[25]冬の日の子の影長く母を待つ
寒々とした光景。母のいない家は灯火のない暗闇。鍵っ子は今もどこかに。

丹仙

天の句:[25]冬の日の子の影長く母を待つ
情景が目に見えるように浮かぶ文句なしの秀句です。

地の句:[8]寒月や金平糖の角の数
金平糖の角の数は、36という不思議な数であるとか。寒月からの飛躍が面白い。もっともなぜ平和賞の不言題となるのかよくはわからないのですが、イグ・ノーベル平和賞を差し上げたい。

人の句:[2]祈るために手のひらはあり冬の月
第九交響曲の最後の合唱が聴こえてきました。高き天空のかなたにいます父に祈るために、この手のひらが造られたのかもしれません。




ご挨拶とお知らせ 投稿者:ぽぽな 投稿日:2024/12/04(Wed) 00:45 No.2476  
丹仙さん、長年の常連の皆様、大変ご無沙汰しております。初対面のみなさま、はじめまして。わたくしは俳人の、月野ぽぽな、と申します。2002年にふと訪ねた桃季句会にて詩歌に魅せらせ、俳人になりました。久しぶりに今月、とても楽しく、句会に参加させていただきました。

さて、わたくしごとで恐縮ですが、この度、初の句集『人のかたち』(左右社)を刊行いたしました。初学の頃に多くを学ばせていたいた、丹仙さん、そして桃李歌壇に集う皆さまにお知らせいたしたくメッセージいたしました。以下に情報をリンクいたしますので、よろしかったらどうぞお手に取っていただきたく存じます。

左右社
https://sayusha.com/books/-/isbn9784865284188
アマゾン
https://www.amazon.co.jp/dp/4865284184


また、寄せていただきたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。



Re: ご挨拶とお知らせ 丹仙 - 2024/12/14(Sat) 10:47 No.2477   HomePage

ぽぽな様
お久しぶりです。初句集『人の形』の刊行、心よりお慶び申し上げます。

初冬やヘブライ文字は火のかたち    ぽぽな
  凍つる大地に「太陽の歌」      丹仙

私の脇句は、アッシジのフランシスという「人の形」を詠んでみました。

最近書いた私の論考「詩編に聴くー聖書と典礼の研究
」(来年3月刊行予定)の一節を以下に引用します。

 ヘブライ詩編148の賛歌を背景として、アッシジのフランシスは眼病と病苦のさなか、死の直前に、つぎのような賛歌を詠みました。(「太陽の歌」と呼ばれています)。

 ほむべきかな、主よ、主のつくりませる物みなと、
 ことに昼を与へわれらを照り輝かす兄弟(はらから)、
 太陽と日は美しく眩しきまでに照り渡る、
 かれこそは主の御姿、ああ高きにいます主よ

 ほむべきかな、わが主よ、兄弟(はらから)火は
 夜のくらきを照らし
 美(うる)はし、楽し、毅(たけ)く、剛(つよ)し。




Re: ご挨拶とお知らせ ぽぽな - 2024/12/22(Sun) 23:23 No.2479  

丹仙さま

お返事をありがとうございました。
そして、「初冬や」に含蓄のある素晴らしい脇を頂戴いたしまして誠にありがとうございます。

ちょうど昨日は冬至、一年の中で生きとし生けるものが一番太陽を恋慕う日でしたので、「太陽の歌」からのご引用は心に沁みます。

来年の書籍のご刊行も楽しみです。

どうぞ楽しいクリスマスを、そして良いお年をお迎えください。

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