吹く吹くと思ひたのみし神風は今宵は吹かずおよづれと知れ 千万のいかづちともに鳴るごとく怒りあらぶるかぐつちの神 ぬばたまの夜のくだつなへにふぶかに敵(あた)は寄せつつ沖つ闇路ゆ 辜(つみ)も無き青人草を焼く敵は夜目の野火とや眺めやるらむ うちひさす都大路に馬死ねりほなかに立ちて君がいさちる 海螺(みな)のわた黒き屍かきむだき山と積みたり数も知らなく ふせいほと思ひし家もひた土に寝(い)をぬる身にはまさりてありけり ひさかたのあめりか人は鬼なれど吾も東洋鬼(とんやんぐい)と呼ばるる 垂乳根の母が植ゑたる梅の花ともに率(ゐ)てゆく術もあらぬかも 吾が友の脂を吸ひしあらがねの土踏みをれば生けりともなし
●記録者 堂島屋 [202.250.240.254]
●記録日 03/10(火)15:21
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