<十六字令>三首:人、詩、山

     其の一:人
 人,
 立身出世太当真。
 梅開矣,
 何如去探春。

訳:
人よ、
立身出世を余りにも真剣に考えすぎている。
梅がもう咲いたよ。
さあ、じきにやってくる春を探しに行こうではないか。 

      其の二:詩
 詩,
 写景抒情最相宜。
 只遺憾,
 寓意有誰知。

訳:
詩は
景色を描いたり、気持ちを述べたりするのに最もふさわしいものだ。
ただ、遺憾なのは
作者が詩の中で本当に言おうとしていることを誰が理解しているか。

      其の三:山
 山,
 如錐直刺白雲間。
 頻回首,
 不得見君顔。

訳:
(富士)山よ、
(山頂が)錐の如く、白雲の中に真っ直ぐに刺さっている。
(麓を去ってからも)何回も振り返ったが、
あなたの顔(山頂)を見ることができなかった。


 


●記録者 河東 [yhma0122.bekkoame.ne.jp]
●記録日 01/09(土)16:23

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