故里行

 又戴家郷久別天,
 只疑重返十年前。
 老牛貪食泥中草,
 壮漢争修雨後田。
 僧寺尚存楡嶺下,
 飯荘猶在柳河辺。
 可憐奔走天涯客,
 難得帰来処泰然。

訳:
 又久しぶりに故郷の空の下に帰ってきた。
 まるで十年前※に戻ったようだ。(※前回の帰省は十年前)
 老牛は貪欲に泥の中の草を食べ、
 丈夫そうな男は雨で壊れた畑を急いで直している。
 お寺がまだ楡嶺の下に残り、
 料理屋もなお柳河のそばに在る。
 憐れむべきは、客として天涯を奔走する私が、
 なかなかこうして帰ってきて、泰然に処する機会がないことだ。

 
 


●記録者 河東 [yhma0056.bekkoame.ne.jp]
●記録日 01/11(月)13:25

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