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微積分連歌:蝉時雨

1997/8/2--8/12

 

 

折句 (微分)

(積分)連歌 

作者

発句 整然と車駐まりををる暑さかな 弘太
せみ  水逃げゆきて皓き市中 東鶴
せみし  汁粉屋の前にたたずむ人ありて 迷跡
せみしぐ  虞美人草は思い出の花 木菟
せみしぐれ 蓮華院往時を偲ぶ明き月 五十一
せみしぐれた  竹が水吐き岩を打つ音 みお
せみしぐれたそ 想夫連真夏夜の音のいずこから 白馬
せみしぐれたそま  摩天楼飛ぶカインの末裔 敬一
せみしぐれたそまか 蟷螂の雄地に墜ちて黙し居る 東鶴
10 せみしぐれたそまかり  林檎噛み噛むあなたとわたし はる
11 せみしぐれたそまかりし 白雪の姫を守るは七人衆 ひとし
12 せみしぐれたそまかりしか  隠れ宿にて一夜を明かす 木菟
13 せみしぐれたそまかりしかき キリシタンはらいそ遠く仰ぐ月 きこ
14 せみしぐれたそまかりしかきぎ  銀木犀の香ぞ鎮まれり ひとし
15 せみしぐれたそまかりしかきぎの 野糞するキャラバン隠す砂嵐 尚史
16 せみしぐれたそまかりしかきぎのや  山笑ふそら白き旗あげ 東鶴
17 せみしぐれたそまかりしかきぎのやみ  見よ風をしばし花舞ふ切通 みお
18 挙句 蝉時雨誰そ罷りしか木々の闇  比良坂過ぎて喰ふ握り飯  弘太

微積分連歌第二作 蝉時雨 満尾 1997/8/12