投句: | ぽぽな、文枝、鞠、治男、青榧、白馬、潮音、柊、半可、康、素人、英治、馬客、双六、葉子、雪女、愛子、庚申堂、童奈、悦子、素蘭、雛菊、佳音、芳生、わたなべはるを、明子、伊三、月雫、丹仙 |
選句: | 芳生、わたなべはるを、素人、青榧、雛菊、英治、童奈、雪女、鞠、白馬、双六、半可、馬客、康、伊三、悦子、文枝、庚申堂、愛子、素蘭、潮音、佳音、明子、月雫、丹仙 |
たっぷりと八月六日の水汲めり 双六
石段ニ少女ヲリマス原爆忌 素蘭
走馬灯回りて闇のやはらかし 双六
原爆忌今日を始むる水を飲む 潮音
もう止まれ胸の内なる走馬燈 馬客
走馬燈生まれなかった姉がいる ぽぽな
立秋の靴紐固く結びたる わたなべはるを
白壁に虫の標本原爆忌 青榧
帆柱の揺るるマリーナ秋立ちぬ 明子
秋立つや貎の険しき鬼瓦 月雫
異次元の夜汽車の車窓走馬燈 伊三
空澄みて子の声澄みて原爆忌 雛菊
秋立つや水鏡して橋の上 柊
けさ秋のねんごろに拭く縁の隅 芳生
原爆忌ひとあやまちをくりかえす 半可
生れし子の父似のえくぼ今朝の秋 治男
老ひ先の短き不安秋立つ日 素人
石どれも忽と影失す原爆忌 芳生
我が父の齢を越えり走馬燈 丹仙
走馬燈馬籠は美濃となりにけり 青榧
コスモスに秋立ち光る朝の雨 伊三
秋立ちぬ肩やはらかに風を押す 潮音
幼き日のケロイド痒し原爆忌 治男
おそき蝶出て川越ゆる原爆忌 康
聖母まだ苦しみたまふ原爆忌 丹仙
風化する記憶に抗ひ原爆忌 素人
兵役の無き子や孫と原爆忌 鞠
カンナ赫く陽に佇めり原爆忌 半可
思ひ出の歪みて巡り走馬灯 明子
佇めば慕ひ来る影走馬燈 潮音
ひたすらに祈る平和や蝉時雨 文枝
秋立つやハーグへ行くといふ便り 素蘭
演じたる劇の思いで原爆忌 悦子
法師蝉すつぱく鳴いて今朝の秋 雛菊
走馬燈子よりの電話すぐ切られ 康
秋立つやマイク束ねて選挙戦 鞠
暗闇の庭恐ろしく走馬燈 柊
ちちははと過ごすひと日や走馬灯 愛子