投句: | 佳音、悦子、毬栗、青榧、芳生、梵論、潮音、鞠、英治、葉子、雪女、素蘭、月雫、わたなべはるを、ぽぽな、庚申堂、愛子、素人、馬客、治男、半可、童奈、明子、柊、雛菊 |
選句: | 芳生、わたなべはるを、半可、梵論、英治、毬栗、鞠、素人、佳音、青榧、雪女、悦子、童奈、潮音、雛菊、月雫、馬客、治男、ぽぽな、庚申堂、愛子、柊、明子、素蘭 |
軒深き家に住みけり十三夜 わたなべはるを
引菓子の木型ならべる菊日和 毬栗
酒好きの嫁と舅と後の月 馬客
老ゆるとも心足りたる十三夜 愛子
膝くづす親しさにゐて茸汁 愛子
じいちゃんは茸博士だ子供会 ぽぽな
一山の茸重なる湿りかな 月雫
デコボコの大鍋滾るきのこ汁 雛菊
看取り果てひと日見詰むる鉢の菊 芳生
みすゞかる信濃の茸ご飯かな わたなべはるを
墨東を隅隅歩く十三夜 芳生
十三夜動かぬ針のさす時刻 青榧
ベランダの高きと語る菊日和 英治
いつしかに滝の真上や茸狩 芳生
摘みとりて菊の香のたつ野菊かな 明子
父さんと秘密の場所の茸採り 素人
走り根に足を遅らせ茸山 柊
菊の黄をたんたんたんと落しけり 佳音
引き留める掌の冷たさや後の月 庚申堂
平泳ぎのやう野菊の迫り出せり 雛菊
十三夜笑ふ顔ある石の壁 佳音
菊花展黒いリボンの作者札 素人
菊白し夢語る目の果ての風 潮音
飛鳥路の竹筒に銭茸買ふ 潮音
脳外科の看板高く十三夜 治男
根こそぎの小菊架けらる垣根かな 庚申堂
菊の日の菊を起こしてやりにけり わたなべはるを
御園生の三角帽子一夜茸 素蘭
十三夜黒き魚群は礁を去る 半可
夕暮れて野菊明かりの谷戸の奥 雪女
ポケットの銅貨ちやらちやら十三夜 毬栗
流れゆくものはながれて野菊かな 青榧
風に乗る菊の香かすか根津谷中 童奈
姫の香の凛と漂ふ菊人形 柊
老犬を猫可愛いがり後の月 鞠