投句: | 双六、悦子、毬栗、素蘭、芳生、松風子、海月、青榧、鞠、葉子、潮音、梵論、童奈、英治、柊、月雫、馬客、佳音、ぽぽな、半可、庚申堂、文枝、愛子、治男、雪女、素人、わたなべはるを、明子、芽木、雛菊、風十、丹仙 |
選句: | 梵論、松風子、芳生、潮音、毬栗、青榧、鞠、佳音、半可、童奈、雪女、ぽぽな、素人、文枝、わたなべはるを、素蘭、英治、馬客、治男、悦子、雛菊、芽木、庚申堂、愛子、明子、月雫、風十 |
百歳の太き走り根四方の春 愛子
独りには独りの生活七日粥 愛子
七草や小さき雪平椀ひとつ 葉子
生かされて五年目の計今朝の春 文枝
初春や揃う六個の箸袋 雛菊
去年今年越に降りつむ雪の音 雪女
半襟に若さ残して去年今年 愛子
初春の安房の勝浦金目鯛 悦子
みちのくに育ち七草粥知らず 明子
去年発ちて今戻りたり厠より 童奈
七種や女の会話かみ合わず 童奈
やまひ得し妻の初春初なみだ 英治
去年の坂下りて今年の坂に入る ぽぽな
七草のひとつ足らずはいはざりき 佳音
七草や点滴のみのけふの暮 英治
七日粥庭の菜の芽もひと摘み 半可
寝覚めれば去年のぬくもり残りけり 馬客
雨あがる春のはじめの瑞泉寺 松風子
初春の影膳に朱の盃を 双六
初春の空に舞ふ鳶梯子乗り 童奈
初春やねこのあくびの大きこと 海月
鳶舞へり初春の富士低くして 芳生
七草のななつのいのちいただいて 芽木
気まづさは七草粥の湯気に溶け 双六
七草の名前と古里の名前 ぽぽな
銀色の砂糖をこぼす今朝の春 潮音
七草の三種を探す母の庭 鞠
去年といふ糸のまつはる今年かな 松風子
終ひ湯に悔ひ流しけり去年今年 双六
七草を摘むや堤の日に塗れ わたなべはるを
あらかねの培ふなづな打ちにけり 素蘭
去年今年薄日のなかの群雀 青榧
七草の心許なし指を折る 馬客
去年の雪今年の庭に積もりけり 月雫
古年のずんぐりまろき徳利かな 佳音
七草に妻の故郷のラベルあり 青榧
留学の子にする電話去年今年 わたなべはるを
初春や先師の句集ひもときて わたなべはるを
七草の刻まれ粥のみどりかな 月雫
初春の犬懐から顔を出し 雛菊
初春や鐘撞終へて時の声 月雫
七草なずな祖母の歌聞こえけり 悦子
初春や厨で子らの寝覚め待つ 柊