投句: | 風十、満太郎、潮音、松風子、素蘭、鞠、芳生、葉子、雛菊、馬客、悦子、半可、素人、佳音、青榧、康、童奈、英治、庚申堂、伊三、わたなべはるを、明子、文枝、治男、柊、愛子、雪女、月雫 |
選句: | わたなべはるを、青榧、童奈、雪女、鞠、芳生、英治、悦子、満太郎、伊三、月雫、半可、松風子、潮音、雛菊、康、馬客、愛子、素蘭、佳音、治男、明子 |
鳶高く雪解の風を恣いまま 半可
雪解や土は獣の匂ひして 雛菊
みちのくの水車の動く雪解かな 悦子
雪解の鉄橋渡る十二輌 佳音
動き出す村の復興雪解風 文枝
迫りくる子らの旅立ち雪解かな 明子
下校の子また雪解川覗きゐる 康
雪解田の土くろぐろと息吹くかな 潮音
落第の子が自転車を磨き上ぐ 康
墓原へ疎林抜けくる雪解風 愛子
きっちりと机の角に受験票 馬客
音かすか茂みの奥の雪解水 松風子
どうすんのさあどうしよう落第子 素蘭
氷上を舞ふ美しき肩胛骨 雛菊
うつくしく死ぬるは難し雪解光 潮音
大試験未だ終らぬ夢見たり 童奈
押へみる内ポケットの受験票 わたなべはるを
雪解けて流さるるもの残るもの 月雫
一村の雪解のひと日暮れ初むる 英治
アルプスの雪唇に滑降す 康
氷上に熱き思ひのほとばしる 柊
露座仏の頬ゆるびたる雪解風 芳生
村人の深き眠りや雪解川 わたなべはるを
雪解川魚道に生命よみがえる 馬客
駅まではいつもの自転車受験の子 雛菊
K点を超えイタリアの雪に落つ 英治
雪解けて庭の緑に続く蒼 伊三
受験子のけふも二膳の朝餉かな 佳音
雪解けや剃り跡青き作務衣の僧 素人
春の雲叶わぬ夢は夢のまま 素人
喜びも怒りも混じり雪解川 柊
百分の一秒の夢真夜の春 月雫
氷上のきらめき誰も寝てはならぬ 明子
受験子の部屋から洩るるモツアルト 鞠
鉛筆の芯尖らせて受験の子 愛子
凜と立つ選手の面は雪化粧 葉子
アルプスの星を軒端のスキー宿 芳生
吾輩は猫であるので落第す 潮音
スケ-トの乙女舞いたり白椿 悦子