投句: | 素人、毬栗、葉子、青榧、潮音、満太郎、芳生、伊三、松風子、鞠、半可、ぽぽな、わたなべはるを、素蘭、英治、連、佳音、柊、康、童奈、馬客、治男、明子、月雫、雛菊 |
選句: | 素人、青榧、半可、雪女、芳生、英治、雛菊、鞠、佳音、童奈、潮音、伊三、連、わたなべはるを、ぽぽな、松風子、康、双六、月雫、治男、素蘭、馬客、明子、満太郎 |
更衣足首ほそき恋敵 雛菊
初夏の風あをあをと鞍馬寺 芳生
初夏のパレットに溶く空の色 馬客
八方の山の匂へる笹粽 芳生
父似の目母似の頬が粽食ふ 康
江ノ電のゆっくり走って夏始 満太郎
はつなつのみずのにほひのめざめかな 半可
山沿ひは曇りがちなり笹粽 ぽぽな
手術日の決まりし妻や衣更 馬客
笹ちまき結ひ目の堅き母なりき 半可
粽解く螺旋の山の深緑 佳音
初夏の第三ボタンまではづす ぽぽな
ペンキ屋の大屋根の上粽食ぶ 治男
ちまき手に紙の兜で武張りけり 松風子
初夏と書く初夏の香の墨を磨り 潮音
更衣空へと続く草の色 潮音
海よりの風のありけり更衣 わたなべはるを
衣更して呼鈴を待つてゐる 佳音
初夏の水田に光る背鰭かな 松風子
故郷は越後と言ひて笹粽 柊
更衣しておとなしき女学生 英治
衣更へて風の輪郭よく見える ぽぽな
信号の青を横切る初夏の猫 青榧
掛違ふ釦の憂鬱更衣 月雫
更衣すませて急ぐ百貨店 葉子
お下がりを着る妹の衣更 松風子
木の鳥は一声を脱ぎ初夏の風 潮音
粽の葉もてあそびながら返事待つ 連
母も祖母も在りし日のこと粽解く 童奈
父さんきてね肌着まるまる更衣 満太郎
夏襟にうなじ幼き茶髪の子 半可
健康と株の本置き更衣 治男