投句: | 重陽、香世、葉子、ゆかり、木菟、雲外、涙笑、楽人、悠久子 |
選句: | 重陽、葉子、雲外、涙笑、松、六鬼、木菟、香世、悠久子、東鶴 |
浮き島に並びて鴨の胸丸し 香世
寒靄の鐘幾重にも京の宿 重陽
風花や唇に触れふっと消え 葉子
靴下のなるほど大きなイブの夜 香世
熱燗の唇の辺に香りける 重陽
辞めたしとつね思ひつつ花八つ手 木菟
灰皿を 鳥寄せにして 冬籠もり 雲外
灯ともせば俄に赫しポインセチア 葉子
河豚くらひ くわへ楊枝や 人形町 雲外
寅さんも タコ社長も逝き 年暮るる 雲外
風邪医者に呆うけのごとく口開けり 香世
冬雷にひびきあひたるひとのこへ 涙笑
凍夜苦吟灰皿たちまちあふれたり 葉子
外套の早瀬のごとく駅に向く 重陽
粉雪の中くちびるを重ねたり 悠久子