投句: | 芳生、素蘭、素人、鞠、恵、童奈、戯れ子、馬客、明子、佳音、ぽぽな、春愁、月雫、丹仙 |
選句: | 佳音、童奈、芳生、素人、恵、鞠、ぽぽな、明子、戯れ子、馬客、丹仙、素蘭、月雫、英治、春愁 |
少年はジーンズで拭く冬林檎 素人
寒稽古窓が一枚開いてゐる 戯れ子
声出して自分励ます寒稽古 童奈
喇叭吹く兵士老いたり社会鍋 素人
飛びさうな異国の紙幣社会鍋 佳音
はんなりとお気ばりやつしや寒稽古 素蘭
ルージュ濃き女子下士官や社会鍋 馬客
寒稽古ひと際高き声ひとつ ぽぽな
父子三代一つ母校の寒稽古 鞠
岩に置く緋色の眼鏡寒稽古 佳音
社会鍋好奇の眼もて見られをり 童奈
冬晴や不意打ちのごと富士見えて 明子
冬林檎笑ふ子らの歯美しき 童奈
安達太良を仰ぐふるさと冬林檎 明子
ありありて歌の零点社会鍋 素蘭
折り返すワンマン電車冬林檎 佳音
齧りつく夢セザンヌの冬林檎 春愁
寒ざらひ鏡に跳ねるトゥシューズ 春愁
子の手から父の献金社会鍋 鞠
社会鍋声が自転車置場まで 戯れ子
明日は此の身に吹く風や社会鍋 丹仙
己が息措いてゆきたる寒稽古 月雫
肩にある手の大きさよ冬ぬくし 明子
さりげなく小銭投げ入る社会鍋 芳生
戦中の疎開先から冬林檎 鞠
泣きじゃくる子に手持たせて冬りんご 馬客
無重力の世界の重さ冬林檎 恵