投句: | 芳生、悦子、春愁、柊、雛菊、素蘭、鞠、素人、丹仙、馬客、佳音、戯れ子、愛子、英治、治男、れん、月雫、明子 |
選句: | 英治、柊、芳生、佳音、悦子、雛菊、れん、愛子、春愁、鞠、戯れ子、丹仙、明子、素蘭、馬客、素人、治男、月雫 |
江戸図会の街並やさし月朧 芳生
朧へと母の手ひいてをりにけり 月雫
紅梅の紅に烟れる甲斐の国 芳生
囚われの動かぬ淀み花筏 素人
紅梅の淡き影負ふ無縁塚 春愁
春宵や小筥に終ふ思ひ事 愛子
みな同じ影白梅も紅梅も 月雫
身のうちのすべて緩びて朧かな 明子
薬湯の匂ひたちたる朧かな 悦子
紅梅のひと枝挿され見合の間 英治
一幕見終へし銀座は朧にて 丹仙
店を出て左右に別れる朧かな 馬客
あふみとはよしあるところ鐘朧 素蘭
春愁やスーツケイスに残る疵 柊
濡文やくれなゐふかき梅一枝 素蘭
春朧捨て舟に浜傾きて 春愁
半生の拠点終刊弥生尽 鞠
円卓のくるくるまはる春愁 月雫
朧夜のモーツァルトに朧かな 戯れ子
風凪ぎてあがりし雨や島朧 春愁
甲冑のまなこ朧の向かうより 愛子
紅梅とおもふ月無き野道にて 佳音
紅梅の樹下に結べる靴の紐 柊
紅梅や雨含む雲動き出し 明子
紅梅やまどう心に晴れ兆す 治男
文読めば故人ばかりや寒き春 芳生
リラを恋ふ北国生まれの父なれば 明子
紅梅の咲くをためらう深き紅 馬客
紅梅や新派の女優ひよいと跳ぶ 戯れ子
詩筵果て微吟の帰路の朧かな 鞠
伯林の天使の泪染卵 素蘭