第166回桃李11月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:初冬、鴛鴦、インフルエンザ(不言題)

兼題または当季雑詠

兼題T 初冬
兼題U 鴛鴦
兼題V インフルエンザ(不言題)

11月15日(日) 投句開始
11月22日(日) 投句締切・翌日選句開始
11月29日(日) 選句締め切り
11月30日(月) 披講

投句: 松風子、春愁、素蘭、馬客、白馬、雛菊、鞠、柊、愛子、英治、芳生、月雫、明子、童奈
選句: 芳生、英治、柊、雛菊、鞠、素蘭、春愁、馬客、明子、愛子

披講

・9点句

咳二つ席の四方の空きにけり  馬客
<春愁(天)>
咳と席、二つ、四方と数字の使い方、リズムがよい。

<明子(天)>
最近は軽い咳一つでもまわりからの視線を感じます。

<愛子(天)>



・6点句

丹念に綻び縫へり冬はじめ  芳生
<雛菊(人)>


<鞠(地)>
 これからの長い冬に備えて、綻びなどは丁寧にかがっておきましょう。

<素蘭(地)>
寒冷地の方でしょうか
気骨のある句です

<馬客(人)>
中七の「縫へり」にもう少しご推敲があれば、私の天です。

母と居て学級閉鎖の日向ぼこ  英治
<鞠(天)>
 インフルエンザのため、学校も塾もお稽古事も閉鎖状態なのは、実に困りものではあるけれど、個人の力ではどうにもならない事態ゆえ、ここは発想を変えて、日頃の気忙しさから解放され、母子共にのんびり日向ぼこなどは最高ではありませんか。

<素蘭(天)>
恩寵のような休日に天


・5点句

喜寿米寿姉妹揃ひのマスクかな  月雫
<英治(地)>
いい感じ。

<鞠(人)>
 年齢の差が一回り近い姉妹であられますが、喜寿と米寿とは揃ってご長寿にて、まことにおめでとうございます。

<春愁(地)>
老々介護にならなければ・・・

空の色沈めて鴛鴦の湖となる  愛子
<雛菊(天)>


<馬客(地)>
高い感受性と作句技術を感じます。


・4点句

駅裏にパン焼く匂ひ初冬かな  雛菊
<芳生(地)>


<明子(地)>
パンの匂いは温かな食卓のイメージ、それだけに寒さに向かう季節の気配を強く感じさせるように思います。


・3点句

一斉に人の振り向く咳一つ  柊
<英治(天)>
咳をしてもひとりではない。

日はあれど淡き青空冬はじめ  明子
<芳生(天)>
淡い日差しの初冬の様子がわかります。

マスクはづし合唱祭の始まりぬ  雛菊
<馬客(天)>
季語「マスク」がとても巧みに使われています。
当季の句としても佳句。

マヌカンのまなこ鈍色冬はじめ  愛子
<柊(天)>



・2点句

川下り紅葉に酔ひし顔ばかり  芳生
<柊(地)>


豆腐屋の初冬の湯気の長さかな  白馬
<英治(人)>
情景が浮かぶ。「高さかな」では?

<柊(人)>


はつ冬の五分の頭をぽぽんかな  月雫
<雛菊(地)>


道行の舞台よろしく番鴛鴦  柊
<愛子(地)>


群れつつも含み音交し番鴛鴦  鞠
<芳生(人)>


<明子(人)>
鴛鴦の声は鴨などより軽やかで、よく鳴き交わしています。含み音とはすてきな言葉ですね。


・1点句

鴛鴦の沓波間に己が身を委ね  春愁
<素蘭(人)>
紙風船ならぬ身のおきどころ
鴛鴦の池なら波も穏やか

風邪寝して松井須磨子の恋想ふ  鞠
<春愁(人)>
何かおもしろい

パン屑に今朝の雀の冬はじめ  英治
<愛子(人)>