投句: | 松風子、素蘭、春愁、鞠、芳生、馬客、童奈、愛子、英治、治男、康、素人、丹仙 |
選句: | 松風子、鞠、芳生、英治、春愁、童奈、愛子、素蘭、馬客、治男、康、丹仙 |
生も死も神のはからひ月冴ゆる 春愁
月冴えて萩の城下の鍵曲 芳生
一太刀の山襞深く冴えにけり 愛子
マネキンの外を見てゐる聖夜かな 松風子
月に攀ぢよ樹は素裸の地に冴ゆる 丹仙
ハーモニカ音探りつつ聖夜の賦 馬客
配達夫走る聖夜の灯に濡れて 康
無医村に鐘の音の冴えわたるのみ 馬客
借方と貸方合はす年の暮 愛子
地震に覚め未明の星の冴え冴えと 鞠
貰ひしも貰はざりしも忘年会 英治
冴ゆる灯をつきぬけて来し宅急便 康
兎角して無となりにけり歳の暮 丹仙
海牙密使事件百年鐘冴ゆる 素蘭
仏徒にも光たまはる聖夜かな 英治
寒風や懐薄き外回り 童奈
社会鍋いささか頒けるわが所得 馬客
シャンパンの泡の行方やクリスマス 素人
聖夜更く留学生の手料理に 鞠
電飾の街のゆらぎも聖夜かな 春愁