投句: | 白馬、芳生、康、雛菊、鞠、素人、明子、松風子、英治、馬客、素蘭、治男、柊、愛子、春愁、丹仙 |
選句: | 芳生、英治、素人、鞠、治男、雛菊、愛子、松風子、馬客、柊、素蘭、明子、康、丹仙 |
悲史秘めし神樹倒るる春嵐 鞠
春嵐千年の樹を倒しけり 素人
芽柳の湖畔を染めるうすみどり 素人
薔薇の芽のつめたきに触れ旅立ちぬ 康
大地震の瓦礫擡げてもの芽かな 芳生
木の芽風受けて五感の目覚めかな 愛子
職去りて春眠と言う贅を得し 馬客
断髪ののちの両国涅槃西風 英治
追ひ付きて追ひ超えてゆく木の芽風 柊
風吹けば巨木倒れて地虫出づ 松風子
恋の猫深き眠りにゐるときも 明子
受験子のひたすら眠る春の部屋 康
点滴の雫を数え柳の芽 治男
懐に百選の水山眠る 芳生
芽吹くものすべて芽吹きし一丁目 英治
役者欠く難波の春や髷を結ふ 素蘭
夭夭と紅天女春眠し 素蘭
浪人の解けて春眠あさからず 英治
鷽の来てしきりに花芽散らしをり 明子
木の芽吹く誰かが待つてゐるやうな 春愁
春眠の幽体離脱黄泉めぐる 春愁
八幡宮突風一陣春悲し 白馬
この今が一番若い木の芽時 松風子
冴え返る眠狂四郎太刀納む 白馬
千年の芽吹き断ち切る怨の風 馬客
内定を確かめる子や木の芽晴 鞠
芽ぶく木の枝の先まで花の色 雛菊