第173回桃李6月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:梅雨、桜桃、サッカー・W杯

題詠または当季雑詠

兼題T 梅雨
兼題U 桜桃
兼題V サッカー・W杯(不言題)

6月15日(火) 投句開始
6月22日(火) 投句締切・翌日選句開始
6月29日(火) 選句締め切り
6月30日(水) 披講

投句: 芳生、素蘭、白馬、馬客、丹仙、柊、英治、春愁、愛子、素人、鞠、康、明子、松風子
選句: 芳生、英治、柊、鞠、康、白馬、素人、馬客、愛子、明子、素蘭

披講

・10点句

盥より抱く赤子やさくらんぼ  春愁
<英治(地)>
赤子とさくらんぼの取り合わせの妙。

<素人(地)>
季語さくらんぼが響きあいます。昔の感覚がよみがえりました。

<愛子(天)>


<明子(天)>
さくらんぼのように輝いている幼子。季語の力を実感させられます。


・8点句

消毒をして梅雨寒の動物舎  明子
<康(地)>


<素人(天)>
現地はもちろん、周辺地域も大変なご苦労が続きますね。
しかも大雨の被害もあるとか、まさに踏んだり蹴ったりです。

<馬客(地)>
殺処分されたあとの養牛豚舎を黙々と消毒する、
梅雨寒が身に堪える。辛い一句。

<愛子(人)>


凡夫にて天寿尽くすや桜桃忌  愛子
<芳生(天)>
人生は詰まるところ、凡夫にて天寿を全うすることにあるのではないでしょうか。

<鞠(天)>
  太宰治の入水地点とおぼしき玉川上水縁に、太宰の故郷津軽の玉鹿石が ひっそりと置かれている。周りに太宰についての説明は何もない。
  今年もまた桜桃忌を迎えて、早世の太宰にくらべ、おのが余命の有り様 を模索している。

<素人(人)>
凡夫に込められた感慨に共感しました。

<素蘭(人)>
逆説の自負なのでしょうが、一抹の摂動も…


・6点句

静かなる別れとなりぬ梅雨の月  柊
<英治(天)>
しんみりとした情感。

<素蘭(天)>
こざっぱりとした月が粋


・5点句

蹴り込みし夏至のボールや喜望峰  英治
<柊(人)>


<鞠(地)>
  カメルーン戦を髣髴とさせる。彼の地は真冬ながら、下五の「喜望峰」
 が明るい。

<素蘭(地)>
ベスト8進出はなりませんでしたが一次リーグ突破にCongratulations!


・4点句

桜桃をふふめば近き母郷かな  芳生
<鞠(人)>
  桜桃という果物は、その可憐さが、少年の母恋いを想わせる。望郷の
 念いが「母郷」に通うのであろう。

<康(天)>


梅雨の月掲げて寂と朱雀門  芳生
<柊(地)>


<愛子(地)>



・3点句

くれなゐの雫二粒さくらんぼ  素蘭
<白馬(天)>
さくらんぼそのものが雫か。綺麗な句ですね。

辛勝と惜敗応援明易し  鞠
<馬客(人)>
十数時間の時差ある国からの生中継。
TV観戦もグァンバルぞ!!。

<明子(地)>
今回のワールドカップは本当に眠い!

はやぶさの光陰の矢や梅雨の星  素蘭
<馬客(天)>
大宇宙的スケールで言えば、7年がかりの往復も
まさに「瞬時」のこと、梅雨空の星の一瞬きでありましょう。

ブブゼラの大地響動もす夏の夜  素人
<柊(天)>



・2点句

梅雨滂沱鷺のちいさき目にも降る  康
<白馬(地)>
どこにいる鷺なのかとても気になります。

梅雨夕焼スカイツリーのシルエット  素人
<芳生(地)>
すっくと立つスカイツリーが見えてきます。


・1点句

桜桃忌手許小暗き四畳半  松風子
<英治(人)>
雰囲気がよい。

オフサイドは微妙ブブゼラ鳴りやまず  康
<白馬(人)>
ブブゼラの音が更に高まって。

暁闇に雨音籠り梅雨に入る  馬客
<芳生(人)>


夏草やブブゼラの音に靡きけり  馬客
<康(人)>


病棟の着替へ増えたる入梅かな  丹仙
<明子(人)>
看護されている方のご苦労が伝わってきます。