第174回桃李7月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:浴衣、麦酒、占い蛸(不言題)

題詠または当季雑詠
兼題T 浴衣
兼題U 麦酒
兼題V 占い蛸(不言題)

7月15日(木) 投句開始
7月22日(木) 投句締切・翌日選句開始
7月29日(木) 選句締め切り
7月31日(土) 披講

投句: 松風子、白馬、芳生、鞠、ぽぽな、馬客、英治、治男、春愁、愛子、素人、素蘭、明子
選句: 芳生、英治、白馬、ぽぽな、鞠、素蘭、馬客、治男、愛子、明子、松風子

披講

・8点句

湯あがりの浴衣の吾子の大人めく  素人
<芳生(地)>


<白馬(地)>
娘も大きくなったものだなぁ

<ぽぽな(人)>
湯上がりの魔法で「吾子の大人め」いて見えた、その驚きが静かに伝わります。

<鞠(地)>
  夏の夜のくつろぎの一時、吾子の浴衣姿の娘振りをみつめる父親の驚き であろうか。

<明子(人)>
うれしい驚きと、少しの寂しさと・・・


・7点句

缶ビール開けてこれから私の夜  明子
<英治(天)>
にじみ出る解放感。

<ぽぽな(天)>
「私の夜」とまで言って自分にひきつけたところがよかったです。それまでの時間、おそらく大勢にかこまれ雑事に追われていた様子も彷彿させ、幸せ感が伝わります。

<素蘭(人)>
いいですね
缶ビール開けてパソコン立ち上げて
♪夜だけのパラダイス

転勤を言はれ注がるる麦酒かな  英治
<白馬(人)>
嬉しいのかどうか

<鞠(天)>
  人事異動はそれが栄転であれ左遷であれ、サラリーマンとその家族に
 とって、人生の大きな転機になることが多い。ドラマの一場面を観る
 ような……。

<素蘭(地)>
麦酒苦いか塩つぱいか…

<馬客(人)>
多くのサラリーマンが経験した一齣。


・5点句

塵労の一と日の暮れて麦酒酌む  芳生
<愛子(地)>
先ずは・・とそそがれるビールが目の前にあるようです

<松風子(天)>
麦酒の旨さがひとしお身にしみます


・4点句

客はみな同じ柄なり宿浴衣  春愁
<治男(天)>
言われてみれば、丈、男女の別はあるが、まさに其の通りですね。
団体旅行のようで、楽しそうな、雰囲気が出ています。 

<松風子(人)>
浴衣にまつわる記憶が思い出されます

名前また間違えられているビール  ぽぽな
<英治(人)>
よくあること。

<馬客(天)>
新入社員の頃、銀座7丁目の「ライオン」へ課長のお供でよく行きました。
彼は酒豪でしたが、ジョッキの数が重なると、同期の仲間達の名前と
ゴチャゴチャになって、呼びかけて来たものでした。
作者の句意とは違うでしょうが、そんな事を懐かしく思い出しました。

八本の足の儚さ夏の月  ぽぽな
<明子(地)>
芭蕉の句も思い出され、なにやら考えさせられます。

<松風子(地)>
季語とフレーズの取りあわせが効いています

半年の余命もみえて夏の果  素人
<馬客(地)>
今度のサッカ〜w杯で知った事、「蛸の寿命は3年」!!。

<治男(地)>
 ご本人でしょうか。余命を宣告されたようで、悲しいですね。
 でも、「夏の果」は我が人生を生き抜いた、立派な、心丈夫
 な、方に見受けられます。奇跡が起こるように、生きてください。


・3点句

快気祝ぐノンアルコールの麦酒もて  鞠
<明子(天)>
最近のノンアルコールのビールは本当に美味しくなりました。お元気になられて、良かったですね。

拗ねる子の浴衣の藍に夕暮れ来  ぽぽな
<芳生(天)>


縫いたもう母懐かしき古浴衣  馬客
<白馬(天)>
しんみりと母想うこころ

八卦見に八本のあし半夏生  英治
<素蘭(天)>
devilfishの仲間でも烏賊じゃなく蛸な訳を妙に納得

無為の日もけふの終りとビール干す  愛子
<芳生(人)>


<英治(地)>
ともかくこれがないと。

浴衣佳き傘寿喜寿古稀の三姉妹  鞠
<愛子(天)>
身体になじんだ心地よさが伝わってきます
その場の雰囲気も会話も伝わってくる日本の夏の一こまを見てるようです


・2点句

やはらかき鮹の頭の涼しさよ  松風子
<ぽぽな(地)>
「やはらかき」はその感触でもあり、また柔軟で賢い様も掛けていて巧みですね。微笑ましいあの姿と、全線の勝敗をみごと的中したお手並みは、正に爽快でした。


・1点句

祝杯の麦酒五臓の奥にまで  松風子
<治男(人)>
 スポーツ競技の祝杯でしょうか。運動、労働の後の
 ビールは五臓六腑に沁み渡りますね。

ややこしいことはさておき生麦酒  春愁
<愛子(人)>
ビールとはこうゆう物ですよね

ブブゼラや予想当たつてたこ踊り  春愁
<鞠(人)>
  あまりにも有名なパウル君の兼題は難しかったので、この素直な詠みに
 惹かれた。