投句: | 芳生、ぽぽな、鞠、素人、白馬、素蘭、柊、康、春愁、英治、馬客、愛子、丹仙 |
選句: | 芳生、鞠、英治、柊、素蘭、愛子、春愁、康、馬客、丹仙 |
空蝉の風を見ているかたちかな ぽぽな
校庭はただ蝉の鳴く真昼かな 馬客
大いなる山出迎ふる帰省かな 芳生
はらからに同じ抜け道盆帰省 愛子
明日といふ日の有る不思議 蝉時雨 丹仙
帰省子はしばらく空の匂いせり ぽぽな
葦原の醜の醜手や捨団扇 素蘭
夾竹桃戦後年とは吾が馬齢 康
敗戦の回顧と飽食八月尽 鞠
八月の父が静かに語りだす ぽぽな
遥かなる疎開地「帰省」してみたき 馬客
我が家にはラジオも無くて蝉しぐれ 馬客
帰省子の独身ばかり過疎の村 素蘭
浦上の聖母と黙す十五日 丹仙
唖蝉や脹るる思ひ秘めしまま 春愁
天を向く蝉の骸を跨ぎ来し 柊
山峡を割りて新道蝉時雨 愛子