第176回桃李9月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:残暑、月見、敬老の日(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題1 残暑
兼題2 月見
兼題3 敬老の日(不言題)

9月15日(水) 投句開始
9月22日(水) (十五夜)投句締切・翌日選句開始
9月29日(水) 選句締め切り
9月30日(木) 披講

投句: 素人、芳生、康、春愁、鞠、水、英治、白馬、柊、素蘭、馬客、明子、愛子、丹仙
選句: 鞠、芳生、春愁、柊、英治、水、素蘭、愛子、明子、康、馬客、丹仙

披講

・8点句

残暑なほ躬に心棒を通したし  愛子
<芳生(地)>
「心棒・・・」の比喩がいいですね。

<英治(天)>
たしかに、そろそろしゃきっとしたい。

<康(天)>
このたびの暑さ、身に何か支えるものがほしいとつくづく思いました。


・7点句

白文に乎古止点打つ残暑かな  素蘭
<愛子(天)>
ふぅーと一息ついて取り掛かりですね
ぎっしりと並んだ漢字見ただけで目が回りそうなのに
それを読み下そうとは。。
白文、ヲコト点と特殊な言葉に着眼しての句に感心しました

<馬客(地)>
視るだけで暑くるしい漢字の羅列、読み下し出来るように
宜しくお願いしますよ、先生。

<丹仙(地)>
白文と残暑の配合が新鮮ですね。ともあれ、暑くて何もやる気が起きない時、こういう単純作業が向いています。

また同じ話聞きゐる秋暑かな  芳生
<鞠(地)>
 これが介護の場面ならば、いちばんの接しかたと思う。

<春愁(地)>
分かるわかる

<明子(天)>
あのうんざり感が・・・たまりません。


・6点句

夕陽に絵筆をいそぐ素秋かな  素蘭
<春愁(天)>
秋の日はつるべ落とし・・・いい絵が

<丹仙(天)>
漢文調、耳から入る句の響きがよいですね。
しかも敬老の日の不言題として秀逸と思いました。


・5点句

人物評言ひ尽くしたる残暑かな  英治
<素蘭(地)>
人物月旦に誘発されたカテコラミン過剰…とかザンショ?

<馬客(天)>
褒めるにせよ貶すにせよ、もう言い尽くした、
暑さは暑し言葉は無し、ヤレヤレ。


・4点句

頑なな父に補聴器虫しぐれ  馬客
<柊(人)>


<水(地)>
目や耳が衰えてくると、一層頑固になりますね。しずかに虫の音が聞ける秋が、いやがる補聴器をつけさせる良いタイミングだと思います。

<愛子(人)>
頑なが少し治るかもしれませんね〜

百までも生きよとをさな秋晴るる  愛子
<芳生(人)>


<柊(天)>



・3点句

秋暑し卆寿の母に見舞ひ状  丹仙
<素蘭(天)>
お大切に

吾子見舞ふ退院遠き残暑かな  丹仙
<鞠(天)>
 残暑の中、退院のめどのつかぬ子を見舞う親心が切ない。

いいひとと言はれ肩凝り秋暑し  鞠
<水(天)>
私も実感したことです。カミナリ、オシウリ、オセジは大嫌いですので。

晩年のいまどのあたり竜の玉  芳生
<英治(人)>
誰しもの感慨。

<康(地)>
飴山實句の「丈草の墓より貰ふ龍の玉」を思いました。

ひだる神取り付きさうな残暑かな  柊
<芳生(天)>
今年の暑さにはまともに散歩もできませんでした。「ひだる神」に取りつかれたような散歩でした。

菩提寺はビルの狭間や秋彼岸  柊
<鞠(人)>
 それでも菩提寺が身近に在るなら幸せ。

<康(人)>
ビルの谷間に消えてゆく線香の煙。

<馬客(人)>
年に一度か二度の墓参り、都会のお寺さんの周りは
激変に激変を重ねている。


・2点句

秋暑しジャムセッションの余熱かな  春愁
<英治(地)>
そんな感じの帰路なのだろう。

あきらめてゐしが満月出てゐたる  明子
<素蘭(人)>
深夜になってようやく雲間に月
まさに今年の月見の気分

<丹仙(人)>
今年の一五夜、二十二日の状況を、そのまま詠んでいただきましたので一票。

三角や四角の話月見酒  素蘭
<愛子(地)>
お月見だと言いながらも・・・
お酒好きにはお月さまもよもやま話も酒のつまみ 
少し滑稽で好きな句でした

月見るや何時より小さし父の背  愛子
<柊(地)>


俳人の寄りて月見の寡黙なほ  英治
<春愁(人)>
苦吟、健吟・・・

<水(人)>
句会に出た経験はないが、その雰囲気は想像できます。入試が始まる直前に、受験生が参考書をめくりながら、廊下で黙考している心理と似ているかな?

モノよりも何より会話赤のまま  春愁
<明子(地)>
一日に二十人の人と話をすることが老後を健やかに過ごすためのポイントと聞いたことがあります。その通りですね。


・1点句

足止め月見の客となりにけり  春愁
<明子(人)>
月には文句なしに人の足を止めさせる力があります。