投句: | 芳生、素蘭、白馬、鞠、康、春愁、馬客、愛子、素人、英治、水、柊、明子、丹仙 |
選句: | 芳生、英治、鞠、雛菊、春愁、柊、素人、水、馬客、愛子、白馬、素蘭、康、明子、丹仙 |
全生徒十人稲刈る分校田 鞠
頬杖をつきて独りの十三夜 英治
稲光欄間の龍の昇り立つ 愛子
鮭汁の眼ン玉啜る番屋長 愛子
日記には書かぬほんたう夜半の秋 愛子
噛み潰す海の記憶や鮭の骨 英治
鮭のぼる故郷の水違えずに 明子
稲架組みて一番星を誘ひ出す 芳生
ロッキーの嶺を遥かに鮭上る 芳生
こんがりと皮焼き上げて鮭とめし 馬客
鮭吊す神威の海の翁かな 丹仙
鮭跳ねて全山照らす夕陽かな 白馬
さらさらと掌をくぐり抜け稲実る 馬客
白髭の占む手鏡や秋深し 春愁
建売りのブームの過ぎし稲穂波 英治
虚栗掃き寄せられてゐたりけり 明子
稲舟や恋の成就を祈りけり 丹仙
心病む友の自伝を読む夜長 鞠
鮭一尾持つて帰れと差し出され 柊
鮭ひときれ野良にやろうかやるまいか 水
鵙鳴くや流浪の杜甫の如何に詠む 馬客
秋澄むや弥生遺跡の甕棺も 芳生
稲熟るる匂ひひときは入日影 明子
競ひ合ひ花の静かや菊花展 柊
旅人の帰らぬ無明長夜かな 丹仙