投句: | 松風子、素蘭、鞠、白馬、芳生、馬客、英治、柊、丹仙、省吾、治男、素人、明子、春愁、あや |
選句: | 英治、芳生、松風子、素人、柊、鞠、白馬、馬客、あや、春愁、素蘭、治男、明子、丹仙 |
班雪瓦礫の下のランドセル 省吾
形良き卵そろえて受難節 馬客
道折れて香り確かや春の闇 春愁
天災に人災重ね受難節 鞠
母いづこ父はいづこに春の闇 英治
一郷の津波に消えて受難節 芳生
尾の生ふるもの蠢くや春の闇 松風子
原子炉の罅深々と冬ざるる 芳生
千年に一度の重き春の雪 馬客
沈黙の春や眠れぬ闇のなか 丹仙
春の闇並み居る五百羅漢かな 治男
安否問ふ電話通ぜず春の闇 素人
地震後の身にひしひしと春の闇 柊
白木蓮の光よ届け被災地に 柊
いづくより君が呼ぶこゑ春の闇 芳生
雄叫びの怒濤と化する春の波 松風子
神も又はらわた痛む受難節 丹仙
終電車すぎて広がる春の闇 省吾
地獄絵図みちのくの郷凍て返る 春愁
受難日や人無き村に明け鴉 松風子
受話器より母のかなしみ聖土曜 英治
天罰とふ言葉赦せず春寒し 明子