第184回桃李5月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:初夏、雲、子供の日(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 初夏
兼題U 雲
兼題V 子供の日(不言題)

5月15日(日) 投句開始
5月22日(日) 投句締切・翌日選句開始
5月29日(日) 選句締め切り
5月31日(火) 披講

投句: 素蘭、春愁、素人、白馬、あや、芳生、鞠、愛子、馬客、松風子、英治、明子、柊、丹仙
選句: 芳生、英治、柊、鞠、松風子、春愁、馬客、素蘭、愛子、明子、あや、丹仙

披講

・6点句

五月なれニューヨーッ子も紙かぶと  あや
<素蘭(天)>
paperのかぶとが空に舞いそうな
〈卒業〉の季節の風物詩になりそうな
五月 紐育 

<丹仙(天)>
異国で迎える子供の日、「ニューヨーッ子」というのが面白い。

農継ぐと決むや初子の鯉幟  愛子
<芳生(天)>
農業後継者たらんとする決意と初子に託した思いとが伝わってきます。

<鞠(天)>
都市の居住者は代々大方がサラリーマンで、継ぐべき家業の無いケースが多い。
「初子の鯉幟」に、郷愁を感じさせられる。


・5点句

ハンドルをきるはつなつの海見んと  明子
<馬客(天)>
初夏を迎えて、いきいきと弾む心がよく伝わってきます。

<丹仙(地)>
すっきりとした光景が目に見えるようですね。


・4点句

雲行くや夏場所櫓音も無く  馬客
<柊(人)>
今年の夏場所。

<松風子(地)>
少し寂しい今夏の夏場所です

<春愁(人)>
ふれ太鼓がかなし

菖蒲湯にみどりごを抱くおづおづと  芳生
<春愁(地)>
ふにゃふにゃとこわごわと

<あや(地)>
子どもの日のこうした感動もありですね

もつれ蝶もつれもつれて雲となる  春愁
<芳生(地)>


<松風子(人)>
虚の世界の白昼夢か

<あや(人)>
夢かうつつか、遠い世界にいざなわれるよう

山国の雲は低くて合歓の花  明子
<愛子(人)>


<あや(天)>
いいですねぇ。


・3点句

雲いまは新たな位置にソーダ水  英治
<柊(地)>
空の雲とソーダー水の取り合わせが爽やかだと思います。

<鞠(人)>
浮雲の自在さが、ソーダ水の清涼感と映り合っている。

釣堀に孤独の糸と夏の雲  松風子
<愛子(天)>


初夏の湖きららかに帆掛け舟  芳生
<松風子(天)>
鮮やかに目に浮かび上がる光景です

はつ夏の丘にはじめて手をつなぐ  英治
<柊(天)>
夏は恋の季節です。とても健康的な恋のスタート。

初夏の風をたのしむハンモック  素人
<明子(天)>
文句なしの心地よい句です。思い切り初夏の風を楽しめる幸せを改めて思います。

初夏の街翳りゆく笑窪かな  素蘭
<春愁(天)>
赤ん坊の笑みに救われる

孫四人粽の由来問はれけり  丹仙
<鞠(地)>
伝統食の由来を質問してくるほど、成長著しいお孫さん達。祖父母にとって何と幸せな端午の節句!

<明子(人)>
屈原が・・・などと話してもお孫さんたちに伝わるでしょうか。

裸婦像に風の新し夏はじめ  愛子
<英治(天)>
すっきりとした初夏の気分が。


・2点句

扇持つ黒雲母摺りの大首絵  柊
<明子(地)>
最近写楽についての話題がよく出ています。

雲を上げ泰山木の花咲けり  柊
<英治(地)>
雰囲気がある。

雲の峰故郷の河に水有るや  白馬
<素蘭(地)>
「箱根八里は馬でも越すが、越すにされぬ大井川」の大井川も
涸れ川みたいで…

ちんまりと兜飾るや老い二人  馬客
<愛子(地)>


初夏や行李の中のナフタリン   松風子
<馬客(地)>
なんとなく分かりますねぇ、この匂いが立った瞬間。


・1点句

阿凡達の樹の結葉や紙かぶと  素蘭
<丹仙(人)>
「阿凡達」という漢字が面白い。香港とか上海あたりのコスモポリタン的な中国情趣とともに、なんとなく成長期の子供のエネルギーを感じた。

草に座し見る山並と夏雲と  明子
<芳生(人)>


鯉のぼり地震ごっこの今盛り  春愁
<馬客(人)>
こうやって幼児はトラウマを発散させる、と聞きました。

箸とめて思ひ出すこと初夏の酔ひ  あや
<素蘭(人)>
甘露、甘露

初夏のあらはにしたる白き腕  柊
<英治(人)>
日焼けはこれから。