第188回桃李9月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:草の花、秋遍路、失言(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T草の花
兼題U秋遍路
兼題V 失言(不言題)

9月15日(木) 投句開始
9月22日(木) 投句締切・翌日選句開始
9月29日(木) 選句締め切り
10月1日(土) 披講

投句: 素蘭、芳生、明子、あや、白馬、馬客、翔河川、春愁、柊、水、鞠
選句: 鞠、春愁、芳生、あや、柊、英治、白馬、素蘭、水、馬客、翔河川、明子

披講

・9点句

草の花蔓持つものは絡みあひ  明子
<あや(地)>
草の花々にかよう命。

<英治(天)>
素直な観察。

<白馬(人)>
蔓を持つことの幸せ不幸せ。

<水(天)>



・8点句

ひとり行く木道の左右草の花  鞠
<素蘭(天)>
水芭蕉の季節の喧噪が嘘のように、湿原の秋
天渺々の花野の、ああ、クワイカン…………

<水(地)>


<明子(天)>
つい先日、日光の小田代が原を歩いて来ました。この句のとおりの世界が広がっていました。


・7点句

秋遍路名も遍歴も語らずに  春愁
<あや(天)>
いろいろなお遍路さんがいることでしょうが、
このお遍路さんの佇まいには、真摯さ、そして、
しーんとしたなにか、が伝わってきます。

<柊(人)>


<白馬(天)>
お遍路さんは口数少なし。


・6点句

温かき声を纏ひて秋遍路  あや
<春愁(人)>
文字通り温かみのある句

<芳生(地)>


<馬客(天)>
お摂待を受け、あたたかい言葉を戴いて、また次の
札所を目指すお遍路さんの背中が見えるようです。

立板に水の過ち菊枕  素蘭
<鞠(天)>
 秋の夜長、邪気を払うという菊枕に顔を埋めて、昼間の自分の軽はずみだった言動への反省は尽きない。

<春愁(天)>
しゃべりすぎは失言の元


・5点句

秋遍路夕日拝みてゐたりけり  明子
<芳生(天)>
遍路の敬虔な祈りをあらわしています。

<柊(地)>
釣瓶落としの夕日を拝む秋遍路の姿が鮮明です。


・4点句

雛壇に秋の風吹く顔いくつ  馬客
<春愁(地)>
政権軽すぎるか

<素蘭(地)>
五人囃子に、三人官女に、変わり雛とか?


・3点句

御霊つれ瓦礫分け出で曼珠沙華  翔河川
<柊(天)>
被災地に咲く曼珠沙華の姿でしょう。切ない思いが出ていると思います。

満ち足りた孤独と遊ぶ薄原  翔河川
<英治(人)>
たどりついた心境。

<白馬(地)>
人は満ち足りた時孤独になる。


・2点句

うつかりの本音花火と上げにけり  あや
<鞠(地)>
 人畜無害のストレス発散策を教えていただきました。

大声は長命なりと生身魂  柊
<芳生(人)>


<素蘭(人)>
これは失言へのアンチテーゼですね。
お達者で何より

草の花葉先潮焼けしてをれど  明子
<翔河川(地)>
余韻を感じる。

こぼれ種離れ離れに草の花  水
<馬客(地)>
実生の草々はかくて自己繁栄していくのです。

職を辞し菩提寺からの秋遍路  鞠
<明子(地)>
菩提寺からというのがいいですね。まずは身近なところからの第一歩です。

曼珠沙華言霊を吐く舌の先  春愁
<英治(地)>
何か面白い。


・1点句

草の花机上に置いて一詩人  柊
<あや(人)>
取り合わせがなんとも妙、です。

草の花茶室の一期演じをり  春愁
<翔河川(人)>
どんな草の花だろう。

草の花結んだ仕掛けふたつみつ  白馬
<馬客(人)>
子供の頃、近くの広っぱでよくやりました。
自分がひっかかって転びました。

雑草と言う草は無し花千草  馬客
<鞠(人)>
 「雑草」は差別語に近いですが、強靱さへの誉め詞でもあります。

すいと来て頬舐りたる蜻蛉かな  芳生
<水(人)>


沈黙は金と悟りて秋国会  水
<明子(人)>
これはこれで困ったものです。