第189回桃李10月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:朝寒、山粧、体育の日(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 朝寒
兼題U 山粧
兼題V 体育の日(不言題)

10月15日(土) 投句開始
10月22日(土) 投句締切・翌日選句開始
10月29日(土) 選句締め切り
10月31日(月) 披講

投句: 雛菊、鞠、松風子、素蘭、白馬、芳生、英治、素人、馬客、翔河川、柊、あや、明子、春愁、丹仙
選句: 柊、芳生、白馬、雛菊、春愁、鞠、英治、翔河川、あや、馬客、素蘭、松風子、素人、明子、丹仙

披講

・11点句

パラグライダー装へる山傾けて  春愁
<芳生(天)>
パラグライダーが紅葉の山を縦横に飛んでいる様子が見えます。

<馬客(天)>
ゆったりと大きく素晴らしい。

<素人(天)>
壮観です。 気持ちの良いものでしょうね。

<明子(地)>
目の前に紅葉の山々が広がって行き、風を感じます。一度体験してみたいと強く思いました。


・8点句

産みたての卵取りあぐ寒き朝  松風子
<柊(人)>


<白馬(天)>
鶏のこっここっこ鳴く声と卵の温み。思い出します。

<鞠(天)>
産みたての卵の温かさが伝わってきます。

<馬客(人)>
「いのち」の温みを掌に受ける、
ちいさな感動。


・7点句

粧へる山懐に観音堂  明子
<柊(天)>


<芳生(人)>


<鞠(人)>
ひっそりと佇まれる観音様に、無心の祈りをささげましょう。

<英治(人)>
オーソドックスな句。

<松風子(人)>
かつて訪れた、恐山のたたずまいを思い起こさせてくれました。


・5点句

朝寒の雨戸きしませ喜寿の息  英治
<柊(地)>


<松風子(天)>
朝寒の一光景が目に見えるようです

十月や孫と母校へ綱引きに  鞠
<あや(天)>
母校、そして孫、が効いてますね。

<素人(地)>
親子三代となるのですね。 健康だからできることです。

別れ来し身にはろばろと山粧ふ  丹仙
<春愁(天)>
誰と?・・・心すっきり山が一層美しい

<翔河川(地)>
ときを思う


・4点句

朝寒や一椀の粥しみじみと  芳生
<春愁(人)>
温かなお粥、腹にも心にも沁みる

<明子(天)>
手のなかの温もりが嬉しい。

金婚の旅や秘湯の山粧ひ  鞠
<雛菊(天)>
おめでたいことです。

<あや(人)>
金婚でこういう句を詠めるとは、いいご夫婦ですね。

身体髪膚虫干すごとく日に曝す  松風子
<英治(天)>
体育の日らしい感慨。

<明子(人)>
体育の日とは、体の虫干しの日だったのですね。

街あげて体力測定天高し  素人
<鞠(地)>
市民みんなの健康志向が頼もしい。

<松風子(地)>
いかにも体育の日にふさわしい秋晴れの一日が想像されます


・3点句

アキレスに踵ありけり鵙日和  素蘭
<丹仙(天)>
このところ秋晴れが続きます。そうはいっても気温は低いので、十分にストレッチをしてから体育祭にご参加下さい

朝寒や夫婦揃わぬめし茶碗  馬客
<素人(人)>
一抹の寂寥感が季語と良く響き合っています。

<丹仙(地)>
ふた通りの全く異なる解釈が可能ですね。ひとつは、連れ合いが亡くなって、一人だけで寂しい朝食をとるしみじみとした情景。
もうひとつは、朝寒で連れ合いが起きてこないので、ひとりで朝食をとっている俳諧的な情景。
味わいの深さからいえば、前者ですが、後者のケースであっても面白い。

朝寒や露天野菜の佇まひ  あや
<素蘭(天)>
新鮮な野菜と働き者の手と飛び切りの笑顔
飛騨の朝市も息が白くはずむほどに活気づきます

あの山のかの渓の夢山粧う  馬客
<翔河川(天)>
大きな自然の時間がある


・2点句

青蜜柑フォークダンスの手の温み  春愁
<雛菊(人)>
フォークダンスほのぼのとした青春。

<丹仙(人)>
「青蜜柑」という季語が、その食感が、体育の日に子供達と手を繋いでダンスをする感覚と妙に照応します。

朝寒し寝覚めの後の小半刻  白馬
<馬客(地)>
老生には、この「小半刻」が至福の時です。
ぬくぬくとぐずぐずと寝床の中で過ごすひと時。
無職ばんざい!。

朝寒の歩道に鳥の骸かな  柊
<英治(地)>
詩情を感じる。

朝寒に深呼吸する河童かな  丹仙
<白馬(地)>
なんとなく分かる気がします。 

朝寒や竈にご飯の炊ける音  素人
<あや(地)>
懐かしい時代ーー、でしょうか。

天晴や山粧へるいろは坂  柊
<素蘭(地)>
照葉色葉の日の光を浴びながら
東照宮まであと何カーブ?

大方の山粧ひて父母の亡し  英治
<芳生(地)>


ハドソン川山粧へば帯のごと  あや
<雛菊(地)>
山が着物、無地の帯が効いている

山粧ふ穢土にいろはの涅槃坂  素蘭
<春愁(地)>
穢れなく粧ふいろは坂・・・心洗われる


・1点句

指揮官の孫の勇姿や天高し  白馬
<素蘭(人)>
凛々しさを戴きました
私的には〈オスカル〉キッズを夢見つつ

ピストルに脅迫されて秋走る  あや
<白馬(人)>
運動会が好きな子ばかりではありません。