投句: | 暁星、涙笑、松、木菟、香世、葉子、楽人、重陽、雲外、安寿、悠久子 |
選句: | 涙笑、香世、重陽、木菟、葉子、安寿、楽人、雲外、悠久子 |
しばし手にのせて眺むる春の土 安寿
木蓮の今盛りなる廃家かな 重陽
指先でほぐす土くれ暖かき 葉子
春雨に濡れて艶なる土の肌 楽人
見上ぐれば九重八重に花螺旋 涙笑
七っ八っ花びら寄りて浮きにけり 重陽
ポスターを撫でて過ぎ行く春の風 松
小雀よ尻振る猫の潜むなり 香世
土に酔う我帰るべき所にて 松
日本の 櫻つらぬき 東北道 雲外
沖縄に花見ることの忸怩たる 葉子
谷風も 櫻吹雪の 吉野かな 雲外
声涸らし喚けどひとはのどかなる 木菟
なまず住む棚田に一本遅櫻 香世
演説に負けてならじと蛙ども 安寿
蝙蝠のそぞろに巡る夕櫻 楽人