第190回桃李11月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:初時雨、七五三、勤労感謝の日(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 初時雨
兼題U 七五三
兼題V 勤労感謝の日(不言題)

11月15日(火) 投句開始
11月22日(火) 投句締切・翌日選句開始
11月29日(火) 選句締め切り
11月30日(水) 披講

投句: 松風子、素蘭、芳生、鞠、翔河川、白馬、水、柊、英治、明子、馬客、素人、あや、春愁、丹仙
選句: 鞠、芳生、柊、英治、水、白馬、馬客、あや、春愁、素人、明子、素蘭、翔河川、丹仙

披講

・7点句

峠越す野猿の群へ初時雨  鞠
<芳生(天)>
「初しぐれ猿も小蓑をほしげなり」(芭蕉)を思い出しました。

<英治(人)>
芭蕉の句の趣き。

<明子(天)>
芭蕉の句を思い出します。

紅引いて媚びを覚ゆる七五三  松風子
<芳生(人)>


<柊(天)>


<白馬(天)>
成程。


・6点句

小春日や三百六十五連休  馬客
<白馬(人)>
新発想

<春愁(天)>
サンデー毎日! 面白い 毎日が、小春日であってほしいもの

<素人(人)>
ちと自虐的に詠んでみたのでしょうか。

<素蘭(人)>
肩の重荷を下ろして…の感慨でしょうか?
ともあれお疲れ様でした。

さらはれし子の海底の七五三  英治
<芳生(地)>
東日本の津波で攫われた子の七五三でしょうか。悲しい祝いです。

<明子(人)>
選句するのも辛いのですが、忘れる事は出来ません。

<翔河川(天)>
津波でしょうか


・5点句

函迫は曾祖母譲り七五三  鞠
<馬客(天)>
日本の女性はご長命である。
ひ孫の七五三もお元気で祝われることでしょう。

<春愁(地)>
函迫ですか・・・伝統は引き継ぐもの


・4点句

小面の翳ある微笑初しぐれ  春愁
<馬客(地)>
動き次第で面は泣きも笑いもする、「翳ある微笑」とは
さて、どんなうごきだろうか。

<丹仙(地)>
翳ある微笑と初時雨の間の切れがよい。微妙な季節の変化に反応する小面の翳が初冬の暗闇に浮かびます。

初時雨スカイツリーに巷の灯に  馬客
<柊(地)>


<明子(地)>
東京の今を映す、スナップショットのような句です。

初しぐれ大河をくだる砂利の舟  素人
<英治(地)>
情景が目に浮かぶ。

<白馬(地)>
芭蕉か蕪村か。

初しぐれ納戸の奥の切支丹  丹仙
<春愁(人)>
初しぐれに、そこはかとなき哀れ感がある

<素人(天)>
句意がいまひとつ分からんのですが妙に魅かれるものがあります。

分骨の京の大寺初しぐれ  柊
<鞠(人)>
子々孫々、途切れなく故郷の菩提寺や墓所を守ることが困難な時代となりました。御本山へ分骨を納め、永代供養をお願いしております。

<素蘭(天)>
湿っぽくなりがちな境涯句ですが
武骨な漢語の「分骨」で程良くカラリと


・3点句

おぶはれて手から離さぬ千歳飴  柊
<あや(天)>
愛らしい子どもの様子が見えるようです。
千歳飴も本望なことでしょう。

親となり異郷でさがす千歳飴  あや
<鞠(天)>
駐在員時代、子供の行事は出来る限り母国風にと、探しても無い千歳飴は、戦後米の代わりに配給された砂糖で飴を作ったことを思い出し、手描きの袋共々手作りしました。

鴨とゐて鴨とひねもす恙なく  春愁
<丹仙(天)>
勤労感謝の日、私も不忍池でしばし鴨の蓮池に遊ぶ様を見つめていましたので、なにか響くものがあった次第。勤労しないですむ束の間の恵まれた一日を感謝する感あり。

じやんけんで石段上る子七五三  明子
<水(人)>


<素蘭(地)>
グリコ・パイナツプル・チヨコレイトと
石段を上ったり下りたり真剣遊んだあの頃…
後出しジャンケンは勿論不可

誰がために働くものぞ小雪降る  松風子
<英治(天)>
そんな感慨を持つことも。

槙を剪り欅を剪れば初しぐれ  英治
<水(天)>
天、地、人の句は、いずれも好きです。時系列的に、景の動きを描写した点。


・2点句

彼方より葉音近づく初時雨  松風子
<水(地)>


神主の人待ち顔や七五三  馬客
<あや(地)>
なんともとぼけた感じが、ほのぼのとしていていいですね。

けんめいに石段上り七五三  翔河川
<鞠(地)>
産土神さまは、小高い丘の上に在られることが多いのです。

急ぎをれば気づかぬほどの初時雨  明子
<翔河川(地)>
そういえばぬれてるな

湯豆腐や労ひ合ひてサラリーマン  英治
<柊(人)>


<あや(人)>
暗くならずに温かみのあるところがいいです。

七五三大きくなったものですね  白馬
<素人(地)>
素直に吐いたら5・7・5だったという句。


・1点句

翁塚詣でし帰路の初時雨  芳生
<丹仙(人)>
やはり芭蕉翁に敬意を表しましょう。

遠富士のさやかに見えて七五三  芳生
<馬客(人)>
七五三はやはり上々の上天気の日がよい。
富士など遠望できる日ならば言うことなし。