第192回桃李1月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:若菜、初便り、成人の日(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 若菜
兼題U 初便り
兼題V 成人の日(不言題)

1月15日(日) 投句開始
1月22日(日) 投句締切・翌日選句開始
1月29日(日) 選句締め切り
1月31日(火) 披講

投句: 白馬、芳生、春愁、鞠、素蘭、松風子、柊、翔河川、英治、馬客、素人、あや、明子
選句: 鞠、英治、芳生、素人、柊、松風子、春愁、馬客、あや、翔河川、明子、素蘭

披講

・7点句

初芝居親子三代高麗屋  柊
<春愁(天)>
いょっ! 幸四郎・・・おめでたい

<馬客(天)>
年の初めの句会の句は、やっぱり、ずんとお目出度い句じゃないとね。
「奴凧廓春風」幸四郎・染五郎・金太郎、役者三代ひとつ舞台メデタシ!。

<素蘭(人)>
糸の切れた後の奴凧の飛び方が見ものとか…

龍年の凧といえば故坂本堤弁護士の一子・龍彦ちゃん
存命ならば年男の24歳になるはずでした

 初動捜査を攪乱しTOKYOにテロルの決算平成陀仏



・6点句

娘の晴れ着たためば香る冬薔薇  馬客
<芳生(天)>
成人式を終えて晴れ着をたたんでいると、成人式を祝うかのように薔薇が美しく咲いていた。

<明子(天)>
成人された娘さんの美しさ、晴着の華やかさ、そして母親としての感慨など、いろいろなことを思わせてくれる句と思います。

病む床に若菜の粥を運びけり  素人
<英治(人)>
病む人にも春がと願う。

<芳生(地)>
この若菜の粥はさぞ清々しい味だったことでしょう。

<松風子(天)>
柔らかな若菜とやさしさが雑じりあった佳句


・5点句

絵手紙は南国の海初便り  馬客
<英治(天)>
晴れ晴れとする心持。

<春愁(地)>
南半球からか

白ショール肩に余りて二十歳かな  春愁
<松風子(人)>
はみ出たショールが20歳の将来を暗示しているような

<あや(天)>
肩に余りてーー。
成人の日を迎えた若い人の初々しさがにじみ出ています。

<明子(人)>
白いショールは成人式以外にはあまり見ないような気がします。

父母の顔描いて祖母への初便り  素人
<鞠(天)>
初写真もさることながら、孫の手書きの両親の笑顔が嬉しかった。

<あや(地)>
ほのぼのとしてきます。


・4点句

かぎろひの丘の陽だまり若菜摘む  明子
<芳生(人)>
かぎろひの丘とはどこでしょうか。万葉人を想像します。

<素蘭(天)>
ピカレスク・ロマンの勃発しそうな万葉の丘が、ス・テ・キ

子に見せて数へてみせて七草菜  英治
<素人(地)>
教育の基本です。

<馬客(地)>
私は七十余年まえ、祖母から聞いたような・・・。

春服の青年の眉宇晴れやかに  芳生
<素人(人)>
清々しさを感じました。

<馬客(人)>
是非こうであって欲しい。

<素蘭(地)>
『論語』為政に曰く
「吾十有五而志于学。三十而立。」
加油!

若妻の厨に若菜清々し  馬客
<柊(天)>
新婚の妻の初々しく、かいがいしい姿が目に浮かぶ。

<あや(人)>
情景が浮かびます。

若菜摘む遠く烟れる朱雀門  芳生
<英治(地)>
奈良・平安の世の雰囲気

<松風子(地)>
平安のみやびな風景が彷佛とするような句


・3点句

雑草といふ草は無し籠若菜  素蘭
<翔河川(天)>
ひとにもみな名がある

父に似て下戸の大人になる今年  鞠
<素人(天)>
同じ境遇に共感します。

睦まじき仲言の葉に初便り  松風子
<柊(人)>
娘か息子夫婦からの便りでしょうか。微笑ましいお便り。

<明子(地)>
受け取った人も暖かくしてくれそうな初便りですね。


・2点句

かのひとは逝きしと友の初便り  芳生
<鞠(地)>
かのひとと、友と、この句の作者との縁や如何に?

借り畑の若菜の生を甘く噛み  鞠
<翔河川(地)>
おいしそ

摺墨の色の嬉しき初便り  白馬
<柊(地)>
近頃珍しい擂られた墨で筆書きされた便りは貴重である。


・1点句

来し方を思ふ霜夜の20歳かな  松風子
<鞠(人)>
二十歳にして「来し方」を思い、還暦以後はひたすら「行方」を見つめつつ。

さんざめく白きショールの輪のなかに  明子
<春愁(人)>
みな同じ白きショールのなかに、私も白きショール