投句: | 白馬、芳生、松風子、鞠、ぽぽな、素蘭、春愁、翔河川、馬客、雛菊、英治、水、明子、治男、あや、丹仙 |
選句: | 雛菊、芳生、英治、ぽぽな、鞠、翔河川、あや、春愁、水、白馬、素蘭、治男、馬客、明子、丹仙 |
流燈を流れに置きて手放せず 明子
流燈の岸辺の人もまたながれ 翔河川
ロックからサンバへ夢の育つ秋 鞠
精霊は水欲りにけり流燈会 素蘭
テレビ消して八月の星見つめをり 雛菊
散骨の叶ひし海へ燈流す 鞠
摩天楼ともれば流燈のさみしさ ぽぽな
原子野の八月に佇つマリアかな 丹仙
里に寄るうから皆老い秋初月 芳生
ため息と感動の宙星奔る あや
八月の傷口閉じかけて開く ぽぽな
八月やガラス器しまふタイミング 雛菊
八月や婆凝視する兵士像 治男
惑ひつつ流燈ひとつ戻り来る 芳生
浦上の崩れし御堂 蝉不鳴 丹仙
炎天のボール蹴るたび国轟く ぽぽな
スカル漕ぐ一厘の差に名誉懸け 芳生
灯籠の行方わきまえ流れ去り 翔河川
如己堂の終戦記念日鐘止まず 丹仙
踏切の警報已まぬ八月十五日 春愁
マラソンが地球の裏の夏をゆく 英治
流燈の肩に相触れ相離る 春愁
流燈を川面に放つ人の顔 治男
爽やかや鞍上に古稀過ぎし人 馬客
八月に詰められしもの解き放つ 英治
八月や今も共寝の防空頭巾 鞠
盆の客五輪の話くりかえし 水
流燈に声かけながら背を押しぬ 松風子