第202回桃李11月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:銀杏、初時雨、解散(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 銀杏
兼題U 初時雨
兼題V 解散(不言題)

11月15日(木) 投句開始
11月22日(木) 投句締切 
11月29日(木) 選句締め切り
11月30日(水) 披講 

投句: 白馬、素蘭、松風子、鞠、英治、馬客、あや、春愁、芳生、治男、翔河川、明子、丹仙
選句: 英治、芳生、あや、馬客、素蘭、鞠、治男、春愁、明子、松風子、丹仙

披講

・11点句

漁火や闇に音なき初時雨  松風子
<英治(天)>
寂寥感。

<あや(人)>
闇を前にした時の厳かさ。

<馬客(地)>
漁火など目にする事のできない日常ですが、
この句の情景は充分思い描くことが出来ました。
漁火の瞬きも夜の時雨も、音なき音を感じさせます。

<春愁(地)>
漁火が煌煌と

<明子(地)>
闇の深さが感じられます。

<丹仙(人)>
とおくよりかすかに見える漁り火、はつしぐれの配合、寂とした雰囲気をかもしています。

小走りに妻戻りくる初しぐれ  馬客
<あや(地)>
可愛らしい妻、そんな妻を見る夫の温かい眼差し

<素蘭(天)>
額に汗する奥様に天

<春愁(天)>
降るとも知れぬ袖笠雨に濡れながら

<明子(天)>
時代小説の一場面のような趣があり、会話が聞こえてきそうです。


・7点句

日の在り処かすかに見えて初時雨  明子
<英治(地)>
情景が浮かぶ。

<芳生(天)>
写生が効いています。

<鞠(地)>
小春と時雨を繰り返しながら、はや師走の気配が漂いはじめました。


・6点句

追分は行き合ふところ初時雨  素蘭
<英治(人)>
雰囲気あり。

<松風子(天)>
追分けを落ち合うところとしたのが手柄です。時雨がひびきます。

<松風子(地)>
一葉忌にふさわしいフレーズ。金色の鳥が一葉を彷佛させます

小面の翳さす微笑初しぐれ  春愁
<芳生(人)>


<馬客(天)>
なんとも美しい句です。
舞台上で演じられているのは「定家」でしょうか。

<丹仙(地)>
幽玄なるものを第一とする和歌連歌の伝統を踏まえた佳句。


・3点句

銀杏今金色の鳥一葉忌  素蘭
<あや(天)>
なんとも美しく、引き込まれました。

うち靡く青人草や冬菫  素蘭
<丹仙(天)>
不言題の政治がらみの人倫に対して、叙景で付けた句。離れ具合が大胆で共感。青人草という古語も面白い。解散という時局的なテーマ、今月の不言題はなかなか難しかったと思いますが、丁度、全くの素人ながら。多選知事を破って当選した経歴を持つ環境派の女性が未来を視野に入れた政党を結成との報に接しました。彼が「冬の菫」とならんことを期待して、この句にも一票を入れた次第。

逆縁の法事の準備初時雨  治男
<鞠(天)>
曾孫にも恵まれ、これ以上長生きしたいとも、今すぐ死にたいともおもわないけれど、唯一の願いは、逆縁にだけは遭いたくないということです。

さよならを言ふやうに散る落葉かな  松風子
<治男(天)>
人の心を動かす着想である。生から死への動きは
 人にも通ずる。

選挙区へ一目散の冬夕焼  英治
<鞠(人)>
一目散を受け止める情熱が欲しい!!

<治男(地)>
 「冬夕焼」がよく効いている。候補者の気持ちと
 選挙区へさす茜色が雰囲気を醸し出している。


・2点句

安産の報せ到れり公孫樹黄に  馬客
<芳生(地)>
銀杏の色づく折、安産の知らせ。目出度さが倍増して感じられます。

忙しき冬の解散印刷屋  治男
<素蘭(地)>
冬のso natter解散、なんちって…書入れ時だぁ〜!


・1点句

銀杏落葉ふかきを踏みて金満家  英治
<素蘭(人)>
フカフカのgold carpetなら
cat walkよりdog napがmore betterer

銀杏散る子等遊ぶ声天に抜け  明子
<松風子(人)>
子供らの声が聞こえてきます

傘たたく音乱暴な初時雨  翔河川
<治男(人)>
 俄に降りだし傘への音に、驚いているようであり、
 音を楽しんでいるようでもある。

選挙カー袋小路に初時雨  英治
<馬客(人)>
袋小路に行き詰まっているのは、今の日本の
政治そのものですよね。

バンザイと自棄に唱える寒さかな  馬客
<明子(人)>
まったくあのバンザイは何なのでしょう

またも見る合従連衡冬の陣  芳生
<春愁(人)>
同感 うんざり