第203回桃李12月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:暦、鍋、選挙(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 暦
兼題U 鍋
兼題V 選挙(不言題)

12月15日(土) 投句開始
12月22日(土) 投句締切 
12月29日(土) 選句締め切り
12月31日(月) 披講 

投句: 松風子、白馬、素蘭、芳生、翔河川、鞠、英治、柊、馬客、秋童子、春愁、あや、果子、丹仙
選句: 芳生、鞠、英治、白馬、秋童子、松風子、柊、あや、翔河川、馬客、素蘭、春愁、丹仙

披講

・13点句

子を天に送りし年の暦果つ  秋童子
<芳生(天)>
親の悲痛な思いが伝わってきます。

<鞠(人)>
歳晩の私自身は、長生きしたいとも、早く死にたいとも思っていませんが、逆縁だけには遭わずに逝けますよう祈るばかりです。

<英治(天)>
気持ちが伝わる。

<白馬(天)>
この一年のやるせなさ。早く忘れるようにと声も掛けられず。

<丹仙(天)>
友の悲心に触れて

  寒のこの夜に一人聴く鐘


・10点句

掛違ふ釦の数や古暦  素蘭
<白馬(地)>
あの人とも彼の人とも。特に妻と。

<松風子(天)>
年を重ねるごとに感じる違和感のあるもの多きこと

<翔河川(地)>


<馬客(天)>
そうなんですよねえ、この12か月でいったい何回
の食い違い事件が有ったことやら。


・6点句

悪しきことみな焚きすてむ古暦  馬客
<翔河川(天)>


<素蘭(天)>
fire!

一枚の残る暦に薄日射す  白馬
<芳生(地)>
「一枚の残る暦」を暦の終(季語)と解しました。

<あや(地)>
一年が終わろうとしているある日、儚げながらどこか生きてることを感じさせる日ざしがいいです。

<馬客(地)>
素敵な感性です。

祖母のため日捲り探す歳の市  鞠
<秋童子(地)>
長い人生、祖母はどんな1日1日をめくり続けてきたのでしょうか。

<あや(天)>
お祖母さんの年代は、やはり日めくりでなくてはだめなんですね。
歳の市へ行き、捜してあげてる様子がなんとも健気です。

<翔河川(人)>



・5点句

鱈ちりや小鍋立して妻の留守  馬客
<鞠(地)>
小鍋立ての鱈ちりは、留守居の夫の独酌のお伴にばっちりかな。

<柊(天)>
小鍋立してと豆な性格が現れていて惹かれました。

寄鍋の終りは小学唱歌かな  芳生
<鞠(天)>
還暦過ぎての小学校のクラス会か、はたまた曾孫も一緒の家庭料理か?

<英治(人)>
大方そんな流れに。

<丹仙(人)>
小学唱歌がよいですね。どういう同窓会であったか、いろいろと想像させますね。


・4点句

着膨れて母校に久し投票所  英治
<柊(地)>


<春愁(地)>
馬齢を重ね、母校も懐かしくなりました

凩の福島に立つ弁士かな  丹仙
<白馬(人)>
当選したら本気で頑張って欲しい。

<秋童子(人)>
これからもずっと、福島に立ち続けてほしものです。

<素蘭(地)>
政〈まつりごと〉版「スター誕生」のような…


・3点句

河豚鍋に河豚の身探す細き箸  白馬
<春愁(天)>
細き箸がいいですね

屁をしても咎めるきみいぬ一人鍋  翔河川
<秋童子(天)>
なんとも張り合いのない・・・。さびしさがいっそう募ります。


・2点句

寒風や破れポスターに残る顔  馬客
<芳生(人)>
選挙後のうそ寒い光景がよく見えます。

<あや(人)>
選挙とはなんなのか、中身を期待できない虚しさが、寒風に晒されて。

新暦こよみの果てはなきごとし  松風子
<丹仙(地)>
直線的限定即円環的限定という西田幾多郎の言葉があります。
時間というものの不思議さを感じさせますね。

托鉢の僧にツリーと社会鍋  丹仙
<英治(地)>
妙なところに居合わせた

谿渡る狩りの角笛冬の山  柊
<松風子(地)>
景が見えるようです


・1点句

いさかいて妻は無言で鍋磨く  秋童子
<素蘭(人)>
取りあえず鍋磨き、明日は断捨離♪

審判を仰げば降り落つ霙かな  あや
<柊(人)>


政局の出口入り口虎落笛  春愁
<松風子(人)>
虎落笛の実体が見えてくるのはこれからです。何も変わらないと、高を括っていた結果が見えてきます。

短日や恙泣虫笑虫  素蘭
<馬客(人)>
そうそう、当選して泣いてた亀ちゃんも
居ました。

路地路地に政見響く暮の街  芳生
<春愁(人)>
こんな歳末に