第204回桃李1月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:年始、斑雪、祖母(不言題)

題詠または当季雑詠

兼題T 年始
兼題U 斑雪
兼題V 祖母(不言題)

1月15日(火) 投句開始
1月22日(火) 投句締切 
1月29日(火) 選句締め切り
1月31日(木) 披講 

投句: 春愁、松風子、白馬、ぽぽな、鞠、芳生、素蘭、翔河川、秋童子、馬客、柊、雛菊、省吾、あや、英治、治男、素人、明子、丹仙
選句: 雛菊、鞠、芳生、春愁、柊、英治、松風子、白馬、あや、素蘭、馬客、翔河川、治男、明子、ぽぽな、秋童子

披講

・13点句

あらたまの闇に篝火火を零す  明子
<芳生(天)>


<柊(人)>


<松風子(天)>
新たな年の何かを予感させるような句になっています

<素蘭(天)>
あらたまの闇を彩る御神火
火と水の二月堂の行も間もなく

<翔河川(天)>
寒夜の松明


・9点句

痩せぎすの母に母ある小春かな  松風子
<芳生(地)>


<柊(天)>


<英治(地)>
しみじみとした情感。

<白馬(地)>
母も祖母も痩せぎす。私は−−−。


・7点句

待たされて猫と暫く年始の間  英治
<雛菊(人)>
所在ない感じわかります。猫ちゃんお相手してくれたかな。

<鞠(天)>
多分猫好きのお客様でしょうね。

<馬客(地)>
これはおそらく、作者氏が苦沙弥先生のお宅へ
ご年始に行かれたときの作句でありましょう。

<秋童子(人)>
お互いにちょっといい時間を過ごせましたね。


・6点句

斑雪残されしもの残るもの  あや
<春愁(天)>
端的な表現・・・

<秋童子(天)>
とても新鮮な発想で不思議な魅力を感じました。


・5点句

化学式なほそらんずる斑雪  英治
<あや(天)>
なぜでしょう、化学式と斑雪のおりなす世界が絶妙です

<素蘭(地)>
アッパレ昔とった杵柄!
さはさりながら斑雪が…

年はじめ紙に四隅の整いて  ぽぽな
<馬客(天)>
淑気みなぎる句。何のための用意にもせよ、
四隅をぴしりとそろえ置かれた真っ白な紙、
まさに新しい年そのものである。

<明子(地)>
なにがなし淑気が漂います。

福笑い女三代恙なく  馬客
<白馬(人)>
とても目出度いですね。

<治男(天)>
女三代 見事でお目出度いですね。

<ぽぽな(人)>
幸せです。

山の端に三日月皓と斑雪かな  芳生
<明子(天)>
雪が止んで細い月が西の空に見えている。繊細な美しさを感じました。

<ぽぽな(地)>
美しい。

我を映すややの瞳よ年始  雛菊
<鞠(地)>
嬰と見つめ合いながら、至福の「あけましておめでとう」

<ぽぽな(天)>
幸せな新年ですね。


・4点句

代替り年始に回る甥や姪  鞠
<雛菊(天)>
いつの時代も世代交代の姿はあったはず。若い時には
気にもとめなっかた。まさに今、私は「甥や姪」世代です。

<あや(人)>
移りゆく年月を、年始風景に象徴させたところがとてもいいと


・3点句

けんけんで間抜け行く斑雪  治男
<雛菊(地)>
けんけんするのも体力がいりまする。ころんだら大変、気をつけて。

<翔河川(人)>
上下左右に

ここよりは老境に入る斑雪  春愁
<白馬(天)>
「ここ」って何処か気になりますね。 脳の一部が「まだら」?

誰がために年改まる今年また  松風子
<英治(天)>
まさにわが感懐。

斑雪除染の終へし小公園  白馬
<馬客(人)>
除染はおえたとは言え、憩い・遊ぶ子等の姿はなく
斑雪だけが白々とある。この景を忘れてはいけない。

<秋童子(地)>
除染のあとも放射性物質はまだらに残っているかもしれない。そんな不安が漂う小公園。


・2点句

双六やひ孫の顔を見せといふ  省吾
<春愁(地)>
孫は手を離れ、今度はひ孫・・・愛おしい、羨ましい

旅がすき行くのは近所斑雪  翔河川
<あや(地)>
引き込まれます

斑雪野を走り来る子を抱きとめる  柊
<松風子(地)>
斑野を走り来る子という具体的な事象を描きながら、その奥に象徴されている何かを感じさせます。

はや孫の去りしに手毬唄つづく  英治
<柊(地)>


孫談義始まる予感女正月  素蘭
<鞠(人)>
子とは違う、近過ぎず遠過ぎない孫との程良い距離感は最高です。

<英治(人)>
やはりそこに落ち着く。

喪の家にも年始の日差し変わりなく  秋童子
<翔河川(地)>
どんなときどんなところへも

トンネルの渋滞解けて夕斑雪  鞠
<治男(地)>
渋滞解けて、雪も解けでしょうか。
意味が通じますね。 


・1点句

寒椿明治生まれの女なりき  白馬
<明子(人)>
凛とした方だったのでしょう

国原を飛び立つ鷺に年立てり  芳生
<松風子(人)>
鷺の飛び立つ姿に新たな年の感慨を感じさせます。

今年より年始は略す身内どし  馬客
<治男(人)>
 高齢に成ると、身内以外も省略します。
 身につまされます。

好打球ロストとなりぬはだれラフ  馬客
<春愁(人)>
そうですか。折角のナイスショットが・・・

曾孫の自慢をし合ひ女正月  鞠
<素蘭(人)>
曾孫を自慢しあえる気骨に◎

稜線はまだ雲の中斑雪山  明子
<芳生(人)>