投句: | 春愁、白馬、素蘭、松風子、鞠、柊、馬客、殆繁、翔河川、英治、明子、丹仙 |
選句: | 柊、英治、鞠、白馬、春愁、素蘭、馬客、松風子、翔河川、明子、殆繁、素人、丹仙 |
ひこばえや木造校舎に子等の声 明子
遠き日をはるか見下ろすいかのぼり 松風子
紙鳶浮世の糸のひきどころ 素蘭
田一枚ほどの大凧揚がりけり 柊
蘖や己が出自に思ひ馳す 殆繁
裕次郎ひばりの演歌春の宵 松風子
列車いま凧の下なる村を過ぐ 英治
藤棚や国民学校同窓会 馬客
ラジオ屋があの頃ここに春の土 英治
いかのぼり末期の眼もて立ち尽す 丹仙
蘖や聲なき聲に耳澄ます 丹仙
まん丸の瞳の子に高き凧の空 馬客
ちさき手にちさきひこばえ摘み取りて 馬客
ねじれたる老樹なれどもひこばえる 松風子
人となる不思議な春の昼下がり 丹仙
いかのぼり語り継がるる立志伝 春愁
朧となれり祝日の名の由来 明子
鎌倉やゆかりの公孫樹ひこばゆる 素蘭
子供部屋片付かぬまま蘖ゆる 春愁
昭和語るに母衣蚊帳も卓袱台も 春愁