投句: | 素蘭、芳生、素人、鞠、松風子、馬客、秋童子、翔河川、柊、春愁、英治、あや、明子、丹仙 |
選句: | 芳生、あや、春愁、英治、鞠、翔河川、松風子、柊、素蘭、秋童子、馬客、明子、丹仙 |
そんなこと恥づかしくつて麦畑 英治
麦秋の真つ只中の開拓碑 芳生
麦笛や黄昏てゆく松花江 丹仙
全力を尽くして麦は穂を垂れる あや
祭の子衣装のままに寝落ちたる 明子
姉川の古戦場跡麦の波 柊
脱ぎ捨てしままの法被や雨意の風 春愁
悔い少し今年も白のカーネーション 素人
あはれ蚕の上蔟や老の夢まどか 素蘭
奥宮の神よぶ祝詞夏祭 明子
かるく笑む口元涼し若きはは 春愁
子も孫もこの半纏でこの祭 馬客
手仕事をするもそぞろや祭笛 松風子
復興の祭に子らの声はじけ 秋童子
神燈に持ち船の名を浦祭 明子
復員の昔拓きし麦畑 鞠
微笑みはマリアのごとし聖五月 松風子
ゆるゆるとながらふ絵巻賀茂祭 素蘭
いそいそと娘に添ふ妻の五月来る 芳生
贈られてしみじみ牡丹息子より あや
曾祖母と新茶くみ合ふ母と祖母 鞠
祭来と前垂れ替ふる辻地蔵 鞠