第21回5月定例句会披講
選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:歩(く、む)、茶、つぶやく(不言題)
初夏の句(雑詠)または題詠
有言の題詠(その言葉を使う)
は「歩(く、む)」または「茶」
不言の題詠(その言葉を使わずに、心を詠む)は、
「つぶやく」です。
5月15日(土)投句受付開始
5月22日(土)投句締切、選句開始
5月29日(土)選句締切、披講
投句: |
涙笑、重陽、葉子、木菟、楽人、香世、悠久子、雲外 |
選句: |
香世、涙笑、楽人、葉子、木菟、重陽、悠久子、雲外 |
披講
・6点句
瀬音へと歩みすすめる五月闇 悠久子
- <木菟(天)>
- ここのところは、どうしても二人でなければならないでしょうね。遠い昔にそん
なことがあったような。
- <重陽(天)>
- 「歩みすすめる」が良い。
耳をすましつつゆく人の表情と小径の情景が鮮明に浮かぶ。
若葉して欅は天と戯るる 葉子
- <悠久子(天)>
- 新緑の季節を、大きく詠まれていると思いました。
しかも、「戯るる」で動きもあり、風の存在も見えます。
- <雲外(天)>
・5点句
噴水の立夏の風に昵みをり 重陽
- <香世(天)>
- 確かに、噴水は一年中吹き出ているかもしれない。
しかし、立夏になって始めてなじみます。涼やかな句です。
- <葉子(地)>
- いよいよ噴水がここちよく感じられる季節。風に水がなじむという表現が面白い。
青き野を歩む乙女よ聖五月 楽人
- <涙笑(天)>
- いいですσ(^^) 天空のお話のようで、、
- <重陽(人)>
- ファンタジックで詩情が溢れている。
印象派の絵をみるようだ。
- <悠久子(人)>
- 着き過ぎにしても、素敵です。
May Queen のように。
・4点句
到来の 新茶まったり 妻は留守 雲外
- <香世(地)>
- この御主人は、ざまあみろの心境なのか、残念だったねの心境なのか、
それが問題だ。しかし、妻はフランス料理のフルコースかもよ。
- <楽人(地)>
- 待ちに待った新茶の季節。さぞ美味しいでしょうね。
半袖のかいなの白き薄暑かな 重陽
- <楽人(人)>
- 白いのは今のうちだけ、すぐ真っ黒になってしまうことでしょう。
- <木菟(人)>
- 季節の変わり目、だんだんにあらわになってゆく肌、何とも言えませんね。
- <雲外(地)>
・3点句
この小さき白靴で先ず歩み初む 悠久子
- <葉子(人)>
- おろしたての小さい白靴をはいてよちよち歩く幼児のあいらしさ。遠い昔にそのような光景も身近かにあったっけ、と感慨しきり。
- <重陽(地)>
- じっと見つめているその心が伝わってくる。
「小さき白靴」に絞って成功している。
諍ひのあとの新茶の苦きこと 葉子
- <楽人(天)>
- この苦さがたまらない。味わい深いです。
孫の死を話す人あり夏燕 香世
- <葉子(天)>
- 最近若い息子を失った友があり、逆縁の辛さを知りました。生き生きと飛ぶ燕を目で追いながら、恐らくは若くして亡くなった孫の死を悼んでいる祖父か祖母の悲しみがよくわかります。
五月雨や妻の不満は背に聞かせ 葉子
- <木菟(地)>
- 三十六計逃げるに如かず、といった雰囲気がよくでています。
- <雲外(人)>
・2点句
ひたすらに虹の梁見て歩み来し 木菟
- <悠久子(地)>
- 虹の梁のような夢や希望を持って歩んで来られた、これまでの人生なのでしょうか。
これからもそのように、という願いや祈りも感じます。
新緑や経をなぞりし筆の先 重陽
- <涙笑(地)>
- 何か悟られましたか(^。^)y-゚゚゚
・1点句
ラベンダーの花に向ひて独り言 悠久子
- <涙笑(人)>
- ラベンダー大好きです!何をつぶやきましたか。
片想いなれば一生燃ゆるのみ 木菟
- <香世(人)>
- そうか、告白しない片想いは終わりがなく、失恋もないのか。
ストーカーでなければ、女冥利につきます。
じゃあ、妻の立場はどうなるの。