投句: | 素蘭、芳生、春愁、鞠、白馬、馬客、雛菊、治男、あや、明子、松風子、柊、丹仙 |
選句: | 芳生、雛菊、春愁、鞠、柊、あや、素蘭、治男、馬客、明子、丹仙 |
城ひとつ隠し切つたる雷雨かな 芳生
この国のかたちや夏の大裾野 丹仙
雷鳴や子の尾を掴む母の猿 治男
霊峰は八重雲率ひ茄子の花 芳生
暁は北斎ブルー山開 明子
朝焼に装ふ山の日本一 柊
遠雷や生干取り込む老いの家 馬客
梅雨の雷板碑朽ちたる髭題目 春愁
久闊を叙すとりあえず麦酒かな 馬客
駒草も眠らせ聳ゆ天の山 あや
締切り日浮雲越しに雷迫り 鞠
びゐどろの泡に麦酒の泡のせて 雛菊
ふるさとの瀬音懐かし麦酒酌む 芳生
六根のあふさきるさや夏帽子 素蘭
夏座敷襖絵の峰崇高し 馬客
孫を待つ酔はぬ麦酒を用意して 鞠
雷近しラジオに混じる雑音も 明子
稜線の濃きくれなゐや秋日沒つ 春愁
キャンプの夜世界遺産の報に湧き 鞠
ラマダンの月衰へて麦の酒 丹仙