投句: | 松風子、春愁、鞠、白馬、素蘭、雛菊、柊、ぽぽな、水、秋童子、芳生、馬客、治男、明子、素人、あや、丹仙 |
選句: | 鞠、芳生、あや、柊、水、白馬、松風子、治男、春愁、素蘭、英治、馬客、雛菊、秋童子、ぽぽな、明子、丹仙 |
手に掬ふ水八月は祈り月 明子
病室の窓に無音の遠花火 素人
石灼けて陽炎となる人の影 松風子
ふるさとの盆唄なれば澱みなく 明子
山の端に没日ためらふ送り盆 芳生
大花火盲導犬の目が動く 治男
盆踊り手振りで加はる車椅子 春愁
負うた児の動悸背に聞く花火かな 馬客
盆花や声を出さずに声を聞く 白馬
くらやみの濤に消え行く揚花火 柊
食べるものひたすら作り盆終へぬ 雛菊
長崎がNAGASAKIとなる残暑かな 素蘭
長崎の山口仙二逝きし夏 秋童子
揚花火山湖しずかに更けゆけり 芳生
終曲はショパンときめる遠花火 春愁
手花火に孫より祖父母はしゃぎおり 秋童子
花火はなびハナビとなりて雨に消ゆ 丹仙
水欲しとうめきの声や夏の果 素人
夢のなか歩みゆくごと遠花火 明子
湧水に仕掛け花火は富士の山 白馬
うましめんかな読む人の首の汗 雛菊
谺して都市に消えゆく花火かな ぽぽな
終戦日聖母の欠けし貌仰ぐ 丹仙
長崎へわざわざ疎開敗戦忌 鞠
新盆の迎え火囲む妻、子、孫 秋童子
盆棚に水兵帽の若き父 松風子