第213回桃李10月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:鰯雲、草の実、体育の日(不言題)

兼題T 鰯雲
兼題U 草の実
兼題V 体育の日(不言題)

10月15日(火) 投句開始
10月22日(火) 投句締切 翌日選句開始
10月29日(火) 選句締め切り  
10月31日(木) 披講 

投句: 素蘭、芳生、あや、松風子、鞠、水、春愁、柊、馬客、治男、秋童子、明子、英治
選句: 芳生、英治、柊、秋童子、あや、治男、松風子、春愁、馬客、明子、素蘭

披講

・10点句

継ぐ人も無き田畑や草実る  馬客
<英治(地)>
実りの秋というのに。

<秋童子(地)>
ここにも悲しい風景。

<春愁(天)>
TPPが気になります

<素蘭(天)>
都市近郊の地にもちらほら見かけます


・8点句

つむじまで草の実だらけかくれんぼ  鞠
<芳生(天)>
田舎の子等が夢中になって遊んでいる様子がよく分かります。「つむじまで」が効いています。

<秋童子(天)>
この子は一生懸命かくれて。

<明子(地)>
かわいい!


・7点句

何処までもポプラ並木と鰯雲  柊
<芳生(人)>
一幅の絵画を見るようです。

<英治(人)>
気分の良い句。

<春愁(地)>
スケールを感じさせる

<明子(天)>
北国のどこまでも高い青空が目に浮かびました。空気の冷たさも伝わってきます。


・5点句

鰯雲このトンネルを出れば海  明子
<松風子(天)>
鰯雲をそえることで期待感あふれる句になっています。

<馬客(地)>
道具立てが揃い過ぎてる気もしますが。


・4点句

修羅の日々もはるか彼方や鰯雲  秋童子
<柊(地)>
鰯雲の彼方に押しやられた人生、意味深いものがある

<松風子(地)>
「修羅の日々」を「修羅の日」に変えさせていただいて、採らせていただきます。鰯雲がはるかな感慨を盛り上げています。

マドンナと肩組み走る秋高し  春愁
<柊(人)>
明るくて楽しい体育の日

<松風子(人)>
躍動感のある句になりました。マドンナと肩組み合わす姿がほほえましい。

<素蘭(地)>
スローステップが似合いそう


・3点句

着ぐるみの少年ふたり鰯雲  素蘭
<あや(天)>
鰯雲との取り合わせが新鮮かつ、絶妙かと

草の実に甲斐のみ空の深さかな  芳生
<柊(天)>
澄み渡ったかいの空を讃えながら草の実にも心を寄せる細やかさが美しい

草の実や人それぞれに美点あり  治男
<馬客(天)>
昭和天皇は「雑草と言う草はない」と仰ったとか。
人間にも通じるお言葉である。

天高しこの健脚をくれし母  英治
<治男(天)>
青空の下、走りながら、亡き母を想っているのでしょうか。
健康で、丈夫な我が身を、天の母に感謝している。
季語が効果的です。

はつらつと十月第二月曜日  柊
<英治(天)>
いかにも体育の日だ。


・2点句

秋晴の下で体操などしてみる  あや
<馬客(人)>
肩ひじ張らぬ姿勢がステキです。

<明子(人)>
なんとなく何か運動をしなければならないような気分にさせられる一日です。

草の実やけふもデニムの独居老  英治
<あや(地)>
デニムで野を散歩する独居老さん、日課でしょうか

走る子ら皆一等賞秋高し  馬客
<芳生(地)>
「皆一等賞」が微笑ましいです。

復興の漁港の意気や鰯雲  馬客
<治男(地)>
 福島の漁港でしょう。本当に大変でしたが、
 漁師の意欲と努力でしょうか。季語が良いですね。
 更なる、復興と皆様のご健康を、祈念します。


・1点句

犬と吾草の実つけて帰りけり  柊
<治男(人)>
 犬の散歩でしょうか。情景がよく出ています。
 草のみを付けながら、楽しそうです。

鰯雲の映りて走る潮入川  治男
<あや(人)>
美しいです

秋天へ老躯伸ばせば心伸ぶ  芳生
<秋童子(人)>
なんとも気持ちの良い。

もののふの氏より育ち天高し  素蘭
<春愁(人)>
おおらかに、おおどかに

留学や鰯雲へと離陸して  鞠
<素蘭(人)>
鰯雲を抜ければ 
そこは秋天、瑠璃色の空…
でした?