第214回桃李11月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:柿、七五三、颱風禍(不言題)

兼題T 柿
兼題U 七五三
兼題V 颱風禍(不言題)

11月15日(金) 投句開始
11月22日(金) 投句締切 翌日選句開始
11月29日(金) 選句締め切り  
11月30日(土) 披講 

投句: 松風子、春愁、鞠、柊、素蘭、素人、白馬、雛菊、芳生、秋童子、馬客、ぽぽな
選句: 雛菊、芳生、鞠、素人、柊、白馬、松風子、ぽぽな、素蘭、秋童子、春愁、馬客

披講

・12点句

そこだけに日差し集めて柿すだれ  秋童子
<芳生(天)>
これも天の配剤でしょうか。

<素人(天)>
すべての軒端に干されゆく柿簾は壮観です。日本の原風景のひとつです。

<松風子(地)>
いかにも小春日和の暖かさを感じます

<ぽぽな(天)>
良い日和の風景。そこを「そこだけに」と言い切ったことで、ひと際光る柿すだれが見えてきた。

<馬客(人)>
日が当たるのでなく、柿簾が日ざしを招いてる
のです。


・6点句

ひと刷毛の雲解けゆく木守柿  春愁
<芳生(地)>
蒼天と木守柿と。

<鞠(人)>
秋空の青さへ溶けゆく片雲、日々に照り増す木守柿。

<馬客(天)>
綺麗な句、素直な句。こうゆう風に自然体で
すんなり作句したいです。

日和とは天の配剤柿簾  素蘭
<松風子(天)>
人力を越えた天の恵みをつくづくそう思う。

<春愁(天)>
天高く馬肥ゆ・・・ですねー天賞

曲がる度柿の木に会ふ小型バス  柊
<雛菊(天)>
たわわになる柿を眺めながら、あらまだなっているわ、誰も採らないの
かしらと柿好きは変な心配してしまいます。

<ぽぽな(人)>
秘境への旅だろうか。山と里との間隔にすこし危うさがあるけれど、「小型バス」内の人の様子など想像できて楽しかった。

<春愁(地)>
なるほど面白い

龍と化す雲たちまちに秋出水  春愁
<柊(地)>
雲が姿を変えて襲う恐ろしさがすさまじい

<松風子(人)>
まるで生き物のような雲の乱舞のさまが出ています

<素蘭(天)>
群青世界の崩落を見るよう


・4点句

鞐一つはずれしままや七五三   春愁
<鞠(天)>
玉砂利を踏む幼い足音が聞こえてきそうな。

<素人(人)>
細かいところに目がゆきましたね。

並みの子もこの日輝く七五三  松風子
<柊(人)>
七五三にはどの子も主役

<白馬(天)>
子供は皆平等でありたい

ロウソクに集まる家族夜長し  ぽぽな
<鞠(地)>
地震に続く風水害、その度に停電、蝋燭に頼る夜々は、緊張しつつ兄弟喧嘩など皆無でした。

<素蘭(地)>
台風の最中の停電
この非日常性が子供心にはなかなか…


・3点句

音絶えし月ある真夜の残り柿  松風子
<柊(天)>
残り柿の背景が良い

千歳飴ずるずるずると母を追い  馬客
<秋童子(天)>
まるで大きな袋が歩いているみたいに。


・2点句

遠因はみな人なりと夜学の師  馬客
<秋童子(地)>
現代人のおごり、深刻。

声がして角曲がりくる七五三  ぽぽな
<馬客(地)>
ハレの日の声、ひときわ高く秋天にぬけますね。

一人子に十二の瞳七五三  素蘭
<雛菊(地)>
たくさんの目で見守られ育つことは幸せなこと。
ご近所さんからもおめでとうと声をかけられた
ことでしょう。

父母に手を曵かれスキップ七五三  柊
<素人(地)>
平凡ゆえのしあはせ家族の姿がそこにあります。

ふるさとは夕日に染まる木守柿  芳生
<白馬(地)>
望郷と追憶とイメージ

舞殿を借りて弁当初時雨  柊
<ぽぽな(地)>
お、きたな。旅情がよろしい。


・1点句

七五三被布の朱色はひだまり色  雛菊
<春愁(人)>
ひだまり色とは・・・いいですね

渋柿を採らなくなりし故郷かな  鞠
<雛菊(人)>
ああ、もったいない。都市部に住む私は渋柿ほしいのに
なかなか手に入らない。
自分で作る干し柿は柔らかく絶品なんだけどなあ。

どん底へ突き落されて冬はじめ  素人
<秋童子(人)>
ますます牙をむく自然、一瞬にすべてを失う人々。

野分跡剣山のごと杭残り  雛菊
<白馬(人)>
この荒れ方。まばらなる剣山。

富士の秀に雲一つなし七五三  芳生
<素蘭(人)>
かくこそありけれ
ですね。

七五三すまし顔なる髪飾り  白馬
<芳生(人)>