第215回桃李12月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:厄払、年用意、忘年会(不言題)

兼題T厄払  兼題U 年用意 兼題V 忘年会(不言題)

12月15日(日) 投句開始
12月22日(日) 投句締切 翌日選句開始
12月29日(日) 選句締め切り
12月31日(火) 披講 

投句: 春愁、芳生、素蘭、ぽぽな、鞠、柊、潮音、明子、あや、水、英治、馬客、秋童子、丹仙
選句: 潮音、ぽぽな、柊、春愁、秋童子、英治、芳生、あや、素蘭、明子、馬客、丹仙

披講

・14点句

身のどこか日に当たりつつ厄払  ぽぽな
<潮音(天)>
見事。



下手な講評は却って失礼にあたろう。

<春愁(天)>
禍福は糾える縄か・・どこかに日差し 佳句と思います

<英治(天)>
「禍福はあざなえる…」の感。

<明子(地)>
日の温みを感じつつ・・・

<丹仙(天)>
お見事ですね。その暖かさこそ恩寵と言うべきか。


・9点句

忘れたきこと身に棲めり牡丹鍋  英治
<潮音(地)>
共感。それを十七音で表現できるのは天才のみ。

<ぽぽな(地)>
「身に棲めり」の表現が効いています。牡丹鍋からうまく鬱と躁が引き出されています。

<あや(天)>
人生にはこういう年の瀬もあることでしょう

<明子(人)>
結局は忘れられぬままで年を越すことに。

<丹仙(人)>
「身に棲めり」に惹かれました。


・7点句

悪しきこと今は諾ひ厄払い    (桃李)  英治
<潮音(人)>
達観に辿りつくまでが紆余曲折の人生。
[4]:思ふこと半分にして年用意
の句にも、作者の悟りの境地を感じます。
[18]:砥ぎ直す手打ちの刃物年用意
の風格、
[19]:年用意さいごは海の音を聴く
の重厚と爽やかさの調和も印象的でした。

<柊(地)>
過去を悔いない潔さが感じられる。

<素蘭(地)>
来年は塞翁が午年かも…

<丹仙(地)>
何とも、私自身のことを言われているようで、共鳴しました。


・5点句

年用意さいごは海の音を聴く  ぽぽな
<柊(天)>
やるべき事を終えた、充実感。

<英治(地)>
山国なら山に…。一日の最後にすがるもの。

入院の吾娘帰る日や年用意  丹仙
<秋童子(地)>
親の思いをいっぱい込めて。

<明子(天)>
心はずむ年用意ですね。


・4点句

砥ぎ直す手打ちの刃物年用意  明子
<ぽぽな(人)>
ううん、いいですね。省略の効いた「手打ちの刃物」がうまい。年越し蕎麦をおいしくいただけそうです。

<素蘭(天)>
一刻者に☆☆☆

年用意つぎつぎに飛ぶ妻の指示  芳生
<春愁(地)>
つぎつぎに・・・がいいですね

<あや(地)>
伝わりくる臨場感に思わずニヤリ


・3点句

心の荷ひとつ下して年用意  春愁
<秋童子(人)>
ようやく。

<芳生(地)>
一つでも年用意をするとほっとするものです。

終電を逃してしまう冬銀河  ぽぽな
<秋童子(天)>
深夜、天上で始まった冬の星座の宴に、つい見とれてしまい・・・。

誰がためになどと詮なき年用意  英治
<馬客(天)>
解る、とてもよく解る。

てのひらに金のいろがみ春仕度  潮音
<ぽぽな(天)>
満願のお札でしょうか。希望に満ちた年末です。「春仕度」という言葉も晴れやか一句にうまく響きいています。

外つ国の故郷想ふ年用意  あや
<芳生(天)>
故郷を離れた人の年用意とぃう珍しい視点。


・2点句

楽しみは師走のアフターファイブかな  柊
<春愁(人)>
いそいそと出かける夕暮れ・・・

<素蘭(人)>
オトナの放課後?

思ふこと半分にして年用意  柊
<馬客(地)>
年用意なのに、ついつい今年一年のことどもに
思いが行ってしまう。


・1点句

介護パスいろはにほへと厄払ひ  丹仙
<英治(人)>
呪文のようで面白い。

車椅子廻るや母の年用意  丹仙
<馬客(人)>
口だけでは済まず、不自由な身を忘れて
つい手だ出る。

煮こごりや宴の終り近づきて  明子
<柊(人)>
忘年会が終わりに近づいた淋しさが感じられる。

厄はらう祠古りたる産土に  明子
<あや(人)>
厄払いの正統派

カラオケや齢忘れて年忘れ  春愁
<芳生(人)>