第216回桃李1月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:始、小正月、駅伝(不言題)

兼題T 始
兼題U 小正月
兼題V 駅伝(不言題)

1月15日(水) 投句開始
1月22日(水) 投句締切 翌日選句開始
1月29日(水) 選句締め切り
1月31日(金) 披講 

投句: 春愁、芳生、白馬、馬客、松風子、素蘭、柊、ぽぽな、翔河川、素人、あや、鞠、英治、雛菊、明子、秋童子、治男
選句: 芳生、あや、素人、英治、柊、雛菊、秋童子、馬客、翔河川、ぽぽな、素蘭、治男、明子、春愁

披講

・9点句

仮の世を仮に祝うて小豆粥  春愁
<芳生(天)>
年をとるとこのような句が実感として迫ってきます。

<英治(天)>
そう言われてみれば、そんな気も…。

<ぽぽな(人)>
ちょっときざな感じもしますが小豆粥がちょうどよかったです。

<素蘭(地)>
  なるかならぬか繭玉の夢


・8点句

鍬始活断層の眠る地を  松風子
<英治(地)>
まことに…。

<馬客(天)>
日本中、24この句はあまねく警鐘を打ち鳴らす。

<翔河川(天)>
変えようのない国土


・7点句

的射抜く音響きけり弓始  素人
<馬客(人)>
あのばつツという小気味よい音、しかとした手ごたえ、
何とも言えないものです。

<治男(天)>
弓始の緊張の中、的を射た歓びが出ている。
今年も佳き年の予感ありと、響きけりで、
感じられる。

<春愁(天)>
乾いた響き


・6点句

わらんべの丸の一字の筆始  芳生
<あや(天)>
丸の一字、がとてもいいです。

<雛菊(人)>


<秋童子(地)>
よく書けました。


・5点句

小正月障子の影の笑ひ聲  松風子
<柊(天)>
楽しそうで、それで居て静かな小正月。

<雛菊(地)>


子を背の原発デモや小正月  秋童子
<素人(天)>
平和に安住することへの自戒でしょうか。

<馬客(地)>
背なの児を放射能汚染にさらしてなるものか、母性は
強い、女正月などと言っていられない。

手ざわりのよき木の机年始  ぽぽな
<雛菊(天)>


<翔河川(地)>
使い慣れた

変哲もなき日なりけり小正月  素蘭
<芳生(地)>
最近は田舎でも小正月行事は昔の面影を失いました。

<明子(天)>
正月気分もこの頃はすぐ消えてしまいます。ましてや小正月はうっかりすると気付かぬままに過ぎてしまったりするのです。

老妻はなにするでなし小正月  素人
<あや(地)>
そこに流れる空気が絶妙。

<柊(地)>


<翔河川(人)>
普通の日


・4点句

ひたむきに襷をつなぐ寒の街  芳生
<素蘭(天)>
克己的精神と白息と声援団
げに日本の、冬の、風物詩

<明子(人)>
駅伝そのものです。


・3点句

途切れたる襷身を切る風飄々  素人
<秋童子(天)>
ただただ無念なり。

味噌汁の旨さ新し小正月  鞠
<ぽぽな(天)>
「旨さ新し」が上手かったです。


・2点句

息白く郷の走者を待ち続け  鞠
<治男(地)>
 応援はやはり、郷の馴染みの走者である。
 寒さの中を、じっと待つ情景と心情がよく出ている。

戦世にしてはならじと年始め  秋童子
<ぽぽな(地)>
本当にそのとおりです。

累ねきて名残の仕事始めかな  英治
<明子(地)>
春には退職されるのでしょうか。いつもとは少し違う感慨が湧く仕事始です。

9条のたすきつないで寒の街  秋童子
<素人(地)>
年頭の己が決意でしょうか。

日没は四時四十五分小正月  翔河川
<英治(人)>
どこか面白い。

<秋童子(人)>
なぜか妙に納得。

ノルマはや身に迫りをり小正月  英治
<春愁(地)>
営業の厳しさ

みづみづし歌会始に若きゐて  明子
<芳生(人)>


<素人(人)>
毎年若い人が話題になります。歌もみずみずしいです。


・1点句

意にならぬ時の速さよ小正月  翔河川
<あや(人)>
おお、もう小正月。

三代の女集まり小正月  柊
<素蘭(人)>
  福寿草咲く日溜りの家

襷掛けいとはん走る淑気かな  馬客
<春愁(人)>
華やかな景

団子作ること受け継ぎて小正月  明子
<治男(人)>
 代々団子作りを伝授され、今年も
 次の世代へと教えられ、家の伝統を
 引き継いでいるのでしょう。
 小正月がよく効いている。

山里の暮れ静かなり小正月  芳生
<柊(人)>