第219回桃李四月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:朝、夜、消費税(不言題)

兼題T 朝
兼題U 夜
兼題V 消費税(不言題)

4月15日(火) 投句開始
4月22日(火) 投句締切 翌日選句開始
4月29日(火) 選句締め切り
4月30日(水) 披講

投句: 素蘭、芳生、松風子、秋童子、馬客、柊、春愁、治男、素人、明子、英治、丹仙
選句: 芳生、春愁、柊、秋童子、英治、素蘭、松風子、素人、治男、馬客、明子

披講

・12点句

春の朝質屋の棚のサクソホーン  治男
<春愁(地)>
質屋の棚が何ともいい

<英治(天)>
訴えるものがある。

<素人(天)>
アンニュイな春の朝の感じがでています。

<馬客(地)>
私的には「春昼や」って気分ですが。

<明子(地)>
春の朝と質屋さんの取り合わせ、意外性がおもしろかったです。楽器の持ち主はどうしているのだろう。


・9点句

夜の色に匂ひとけゆく沈丁花  松風子
<芳生(天)>
手練れの句です。

<柊(人)>
沈丁の濃厚な香りが感じられます。

<秋童子(天)>
夜の色をまとえば、その匂いもどこかなまめかしく。

<英治(人)>
趣がある。

<治男(人)>
 夜の暮れていくにつれて、花の姿と共に
 色も溶け暮れる、状況がよく分かる。


・8点句

割り切れぬ数字の重さ亀の鳴く  春愁
<素人(地)>
同感です。

<治男(天)>
「割り切れぬ数字」と現実には鳴かない「亀の鳴く」
 がマッチして、消費税、世の動きの不透明さを、
 よく表している。

<馬客(天)>
5%+3%そして更に3%増税。いずれも素数で
割り切れぬ。鳴くのは亀のみかは。


・5点句

また一つ物芽擡げて昨夜の雨        芳生
<春愁(天)>
一夜にして若芽も若葉も

<秋童子(地)>
ひと雨ごとに。


・4点句

雪渓に星のこぼれる峰の夜  秋童子
<芳生(人)>
きれいな句です。

<柊(天)>
体験してみたい景色。


・3点句

朝の日のはや昇りけり復活祭  丹仙
<英治(地)>
復活祭が良く合う。

<素人(人)>
遅れちゃまずい。恒例の染め卵がもらえるのです。

朝の日の眩しき目覚め夏近し  明子
<松風子(天)>
夏近い気分をただよわす朝の目覚めがあらわれています

醒めぎはのいとも芳し朝寝かな  松風子
<芳生(地)>


<春愁(人)>
二度寝の愉しさ

丹念に小銭数ふる四月馬鹿  芳生
<素蘭(地)>
鳥目洗えば御利益あるカモ?

<明子(人)>
四月馬鹿であって欲しいと・・・

夜店の灯尽きる昏きに占ひ師  春愁
<明子(天)>
どことなく怪しげな気配。

別れ惜しみて朧夜を歩き継ぐ  明子
<素蘭(天)>
  故人無からむ逃水の国


・2点句

朝桜愛でるは鳥とわれ一人  柊
<治男(地)>
 夜明けを待ちかねて、桜の花に酔っている。
 「鳥とわれ一人」その雰囲気と気分が、よく
 分かる。 

暗闇におののく不安花大根  素人
<松風子(地)>
花大根の花の色から連想されたものでしょうか

経る歳や嗚呼朝桜夕ざくら  春愁
<柊(地)>
年とともに桜を愛でる気持ちが増してくるようです。


・1点句

国会のわが身削らぬ4月かな  秋童子
<素蘭(人)>
  メタボ体質笑ふ四方山

白牡丹うなだれて夜を深めをり  英治
<馬客(人)>
艶っぽくっていいですね、ただ4月句会なんで
季語がちょっと早いかな。

花冷えや転嫁のできぬ小企業  素人
<秋童子(人)>
厳しい現実にひたすら耐え。

人の世の税是非もなし四月馬鹿  英治
<松風子(人)>
腹立たしくも実施された増税に対する気持ちが出ています