第22回披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:眠る、煙草、とぼける(不言題

6月定例句会
夏の句(雑詠)または題詠
有言の題詠(その言葉を使う)
は「眠る」または「煙草」
不言の題詠(その言葉を使わずに、心を詠む)は、
「とぼける」です。

6月15日(火)投句受付開始
6月22日(火)投句締切、選句開始
6月29日(火)選句締切、披講

投句: 有季、郁美、由起、良枝、優子、真弓、絵美、真妃、花梨、重陽、葉子、悠久子、木菟、香世、朝美、池之端、楽人、雲外
選句: ひとし、楽人、雲外、重陽、木菟、香世、葉子、真妃、由起、良枝、有季、優子、朝美、花梨、絵美、郁美、池之端、悠久子

披講

・9点句

あつくてもあなたの横で眠りたい  由起
<香世(天)>
素直な句です。しかし、ひねりもある。情熱もある。
いま、恋愛まっさかり!

<有季(天)>
とても愛情がこもってて私もそんな感じになりました。もうすぐ夏です、みんなでラブラブでいきましょう。

<郁美(天)>
女の子のストレートな気持ちが書かれていて、一緒にいたいという気持ちがすごく伝わってきていいなと思った。私もこういう気持ちになることある。共感できた。


・7点句

花火より 私をミテヨ ねえあなた  朝美
<良枝(人)>
なんとなくかわいいかんじがしたのがいいとおもいました。

<有季(地)>
女の強い愛が出てて、巣晴らしと思いました。こんなに積極的な女性になりたいです。

<花梨(人)>
語尾の『ねえあなた』が効いています!それだけ好きなんだなあと思います。私もそう言える相手が欲しいです(^。^)

<絵美(天)>
自分の気持ちがストレートに出でいていい。実際その通りだと思うし、花火より自分のほうが、キレイだねっ!言われたい気持ちは、誰にでもあるんじゃないかなあと思った。 

その音に転寝誘う風鈴の歌  優子
<良枝(天)>
すごく気持ちわかるなと思った。すごく気持ちよさそうでとてもいい。風鈴が涼しげで気持ち良く眠りに入りそうな感じがいっそういい感じがしました。

<絵美(地)>
私は風鈴が好きだし、風鈴の音を聞くと夏だなあ!と思うし、風鈴の音を聞くと落ち着くから、私も転寝ができそうだなあと思った。

<郁美(地)>
夏の転寝はなんか好き。風鈴の音も大好き。夏だなって思ってうれしくなる。風鈴の音をききながらた畳の上で眠りたい。そんな気持ちにさせてくれる句だなと思った。

夏の夜一回きりの恋心  有季
<真妃(天)>


<由起(地)>
 とてもせつない気持ちになり、むねがキュンとしました。叶わぬ恋だとわかっているのに相手を思う気持ちがすごく伝わってきます。夏に一回きりというのが、せつなさを倍増させている。

<朝美(地)>
一夏の恋だぁ。さみしいよね。そんなあとは私はいつもいい女になろうって思ってがんばってます。


・6点句

郭公鳥嘘と知りつつ騙されて  楽人
<重陽(人)>
郭公のとぼけたような鳴き声と嘘。配合の妙ですね。

<香世(地)>
知りつつ騙されるのが、真実を言いわたされるより楽なこともある。
そう。そう。郭公鳥が、つきすぎかな、とも。

<悠久子(天)>
なんとなく、そうかなと思わせる句ですね。
カッコウと鳴く、また、ハッポウとも聞えると歳時記にありました。
八方美人に騙されたのですか?

医通ひの腕にかかえし夏大根  香世
<ひとし(天)>
大根の白さ、医者がえりの病人の健康を願う気持ちがよく現れていますね。

<重陽(地)>
何とも俳味の溢れた句.青瓢箪の顔、細腕に太い大根、そんな風景が・・。

<悠久子(人)>
病院へ通いながらも、夏大根を抱える腕は逞しい主婦、でしょうか。
農婦なら、もっといいのですが。
「かかへし」でしょうね。

眠る児を抱きしことも夏つばめ  悠久子
<重陽(天)>
何がそうさせたのか?言葉に現せない心象をさぐりたくなる。夏燕が句に響きを与えている。

<葉子(天)>
その子は今どうなっているのでしょうか。最近友達の息子が夭折したので、その友のことを思いました。どのような状況での感慨にせよ、子別れというものは、哀しいもの。


・5点句

縁側で スイカを食べて 種飛ばし  真弓
<優子(天)>
縁側に座りながら、冷たいスイカを食べているような光景を思い浮かべられる俳句だと思った。夏の暑い日差しが差し込む縁側で、風鈴の音でも聴いてのんびりと過ごしている感じがした。

<花梨(地)>
私も夏によくそうするしなんだか、小学生の楽しいことだらけの夏休みみたいで イイナと思いました。毎年、母が買って来る重たくて大きなスイカは夏の1番のごちそうです!

何気なく扇子広げて話題変へ  悠久子
<楽人(人)>
うーん、わざとらしい。でも、ここは追求しないのがマナーかな。

<木菟(地)>
 ちょっと古めかしい感じですが、このとぼけた味が「不言題」にふさわしい。

<優子(地)>
扇子を広げてそれとなく話題をそむけようとしている、とぼけた感じが良く出ていたと思う。この扇子を使ってとぼけている感じがなんとなくかわいい感じがした。


・4点句

つぐなはむ夏をあだしの念仏寺  木菟
<葉子(地)>
無数のろうそく、無数の死者。自らの業を思わず振り返る。

<池之端(地)>


紫陽花はそらの青さを盗みしか  葉子
<雲外(天)>
「すいません! とうとうばれちゃったか....。詩人には、かなわないですね。」紫陽花

<郁美(人)>
紫陽花の花は好き。とくに夕立の後の花や葉っぱに雨の雫がついているときが好き。そしてもうすぐ夏がくることを予感させてくれてうれしい。この句は前住んでいた家の庭に咲いていた紫陽花を思い出させてくれる。

夢でしか母に会えない18の夏  優子
<由起(人)>
 18歳といったら、いろいろ相談したりするのにすごく母親が必要な時期なのに、夢でしか会うことができないなんて寂しいと思う。反抗したりしてるけど実は、母親っていてくれないと困る存在なんだなと最近思うようになりました。

<花梨(天)>



・3点句

片陰や甍の波のくっきりと  香世
<楽人(天)>
日射しの強い日は、なるべく「甍の波」の下を歩いています。
「片陰」という季語が、実感としてとらえられていて、見事ですね。

短夜や眠り足りない顔ばかり  楽人
<由起(天)>
 夏は開放的な気分になって夜もついよふかしをしてしまうことがおおくなります。だからみんな、ねたりないというのがよくわかります。夏がくるのが本当に楽しみになってきました。

ゆかた姿についくぎずけで灰おちる  由起
<朝美(天)>
私も灰を落とされたい−。以上

灰が煙草つなぎとめている赤く  池之端
<木菟(天)>
 何とも言えない、この破調がいいですね。煙草と灰が逆になっているのも面白い
し、新鮮です。

冷房やJAZZには似合ふ紫煙なり  悠久子
<池之端(天)>



・2点句

ひとことと問われ卯の花腐しかな  香世
<楽人(地)>
これは気勢をそがれそうですね。やはり図太く構えるに限る?

風鈴が運んでくるよ夏の音  真妃
<良枝(地)>
夏っぽいかんじがとてもして、それで涼しげで夏のいい感じをとても感じました.
ほのぼのしていてとてもいい雰囲気でとってもいいと思います。

風鈴の音が私を夏にする  花梨
<悠久子(地)>
若い方の句と思います。
素直で、爽やかで、好ましいです。

夏眠るただそれだけでもいい気分  良枝
<ひとし(地)>
まったく同感。さらっと言ってのけたところがよい。

禁煙は 健康保つ 第一歩  絵美
<雲外(地)>
「健康のため吸いすぎに注意しましょう」にかえて、2000年1月1日以降に販売するすべての銘柄に印刷いたします。(日本たばこ産業株式会社)

今年竹木漏れの大地穿ちけり  重陽
<木菟(人)>
 オ−ソドックスな俳句らしい鋭い観察眼です。

<葉子(人)>
しっかりした観察眼。竹は美しいですね。

侮るな危険が一杯川遊び  優子
<雲外(人)>
日本全国の一級河川の要所要所に立て札をするよう、建設省と環境庁に言っておきます。

<朝美(人)>
危ないです。夏は海も川も花火も危険がいっぱいですよね。


・1点句

梅雨寒や襤褸となりて猫眠る  葉子
<池之端(人)>


浴衣着て 花火をいっぱい 見に行こう  絵美
<有季(人)>
私は今年は浴衣を買おうと思います。だからこの句の気持ちは私の中にも胸いっぱいです。花火大会が楽しみです。

背の列に店主も並ぶ神輿かな  重陽
<香世(人)>
背の列とは?
神輿を背負う、か、列を後ろからみた人の背か?
いずれにしても、おらが町の神輿に参加した店主の顔が浮かんできます。
ワッショイ!ワッショイ!

炎昼の須臾の休みを眠る姫  木菟
<絵美(人)>
ちょっと意味が分かりずらいけど、すごくかわいい俳句だと思った。

風鈴は 暑さ和らぐ 夏魔法  絵美
<優子(人)>
風鈴の音を聞くと何だか涼しげな感じがする。体は汗だくだけど、涼しく感じてしまうのは、『夏魔法』そのものだと思った。