第220回桃李5月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:幟、祭、夏場所(不言題)

兼題T 幟
兼題U 祭
兼題V 夏場所(不言題)

5月15日(木) 投句開始
5月22日(木) 投句締切 翌日選句開始
5月29日(木) 選句締め切り
5月31日(土) 披講

投句: 素蘭、芳生、潮音、楽千、あや、秋童子、柊、春愁、素人、松風子、英治、馬客、翔河川、明子、丹仙
選句: 素人、芳生、楽千、英治、春愁、あや、松風子、柊、潮音、秋童子、馬客、素蘭、明子、丹仙

披講

・15点句

伊之助の紫白涼しき房捌き  馬客
<楽千(天)>
伊之助の房が暑い夏場所の熱戦を爽やかに捌いてゆく。

<春愁(地)>
品のある句・・・

<あや(天)>
夏場所をこのように表現されるとは、美しいと思いました。

<松風子(人)>
「紫白涼しき」が目に焼き付きます

<潮音(天)>
これが俳句です、というお手本のような句。
圧倒されました。

<丹仙(天)>
夏場所の題にピッタリの句。お見事ですね。


・11点句

紅をさし仕草艶めく祭りの子  翔河川
<素人(地)>
幼子の垣間見せる女らしさでしょうか。流石に作者は見逃しません。

<芳生(天)>


<春愁(人)>
お孫さんか・・・

<松風子(地)>
子供にもいつもとちがう艶っぽさが出て、祭りらしさがあらわれるさまが描かれています。

<秋童子(天)>
とたんに人が変わったように。


・9点句

またもとのシャッター通り祭り果つ  素人
<芳生(地)>
祭の終わった後の現実と空疎感。

<春愁(天)>
世相を上手く表しています

<馬客(天)>
ほんとうにこうなんですよね。

<明子(人)>
いちだんとさびしさが募ります


・7点句

人生の余白に祭太鼓かな  楽千
<英治(地)>
なんか身につまされる。

<あや(地)>
意味のたくさん詰まる、余白かと。

<柊(人)>


<丹仙(地)>
余白に余韻を響かせた句。祭り太鼓の響きは少年の日と同じ儘です。


・6点句

凡俗に生くるは楽し夏祭  素蘭
<柊(地)>


<潮音(地)>
上五中七をどう受け止めるか迷いましたが、
達観した境地の作者様と解しました。

<馬客(地)>
これは胸中に秘めていたほうが・・・


・4点句

脱力をかたちにしたる鯉幟  松風子
<英治(人)>
面白い。

<柊(天)>


夏川を流れゆくなり触れ太鼓  松風子
<楽千(地)>
大川に沿って呼び出しの太鼓と触れ声が場所の気分を盛り上げてゆく。

<秋童子(地)>
まるで江戸の町にタイムスリップしたような。

谷戸の天競ふものなき幟かな  春愁
<芳生(人)>


<素蘭(天)>
大草原の小さな家のこれぞ醍醐味!?!


・3点句

太鼓打ち火祭の炎をいや煽る   芳生
<松風子(天)>
祭りのクライマックスの躍動感が出ています

夏雲や街中を練る触れ太鼓   芳生
<素人(天)>
勢いがあります。風物詩ですね。

幟立ついまだ瓦礫の残れる地  素人
<明子(天)>
新しい命の象徴が翻ります

澎湃と源氏の里の武者幟   芳生
<英治(天)>
格調がある。


・2点句

薫風も相撲甚句に唄はれて  明子
<あや(人)>
相撲甚句、ですね。

<素蘭(人)>
  床山結ぶ夏の事件簿

祭待つ神輿の金具磨き上げ  明子
<素蘭(地)>
大人の祭礼はかくありたし

やうやうに髻結へて花豌豆  春愁
<明子(地)>
うまい!


・1点句

阿武隈の流れの上の幟かな  丹仙
<楽千(人)>
奥深い阿武隈の中流の緑なす里の風景の中を悠久の時にひるがえる幟。

刑天の口は臍なり日雷  素蘭
<丹仙(人)>
中国神話を踏まえているので、俳句=発句というよりは連句の中で生きる句ですが、ファンタジーを日雷に取り合わせたところが面白い

セルリアンブルーの空に夏燕  柊
<潮音(人)>
夏空を見上げた作者様に「セルリアンブルー」の一語が浮かんだお心の動き。

ながらふる世のさびしさよ祭笛  英治
<秋童子(人)>
まだまだこの境地には至りませんが。

吹く風は大地の息吹き鯉のぼり  潮音
<素人(人)>
景が大きくて気持ちの良い句です。

祭囃子一夜名残りの京ことば    春愁
<馬客(人)>
たった一回だけ行った京都、祇園祭の宵。
ついこの句へ一票。