第221回桃李6月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:紫陽花、夏衣、ワールドカップ(不言題)

兼題T 紫陽花
兼題U 夏衣
兼題V ワールドカップ(不言題)

6月15日(日) 投句開始
6月22日(日) 投句締切 翌日選句開始
6月29日(日) 選句締め切り
6月30日(月) 披講

投句: 素蘭、芳生、楽千、鞠、松風子、柊、春愁、馬客、秋童子、あや、翔河川、英治、丹仙
選句: 楽千、芳生、素蘭、あや、秋童子、春愁、英治、柊、松風子、雛菊、馬客、丹仙

披講

・9点句

夏衣波踏んでゆく九十九里  楽千
<あや(天)>
素敵な光景です

<柊(天)>
健康的な夏衣

<馬客(天)>
「波踏んでゆく」は何処の海岸でもできようが、
やはり九十九里でしょう。景が大きくて、夏だ
の気分横溢。

病床の母の見立や夏衣  馬客
<楽千(天)>
自分では出掛けられない身の母が、自分の願望を託して娘の夏衣を見立てている。

<芳生(地)>
情景が目に映るようです。

<あや(人)>
切ない夏衣です

<秋童子(地)>
母上と過ごしたいい時間。この夏衣も大切な思い出の品となったことでしょう。

<丹仙(人)>
母と娘の表情が浮かびます。


・7点句

蒼天に分け入るリフト濃紫陽花  芳生
<英治(地)>
景が見えてくる。

<雛菊(天)>


<馬客(地)>
こを言うリフトの景ありますね。
いちめんの紫陽花群と大きい空、いいですね。


・5点句

あじさいやドコデモドアはこちらです  馬客
<楽千(人)>
何となく可笑しい。雨に閉じ込められている憂さ晴らしに、このドアから青空の渚なんぞへ飛び出したい。

<素蘭(地)>
あぢさゐやどこでもドアの方が好き

<丹仙(地)>
何處でもドアが、七色に變化する紫陽花の異世界性を象徴して面白い。


・4点句

紫陽花の夕暮れ白き野外劇  あや
<松風子(地)>
野外劇のさまが鮮明です

<雛菊(地)>


はるかより二の腕白き夏衣  柊
<英治(天)>
印象的な句。

<馬客(人)>
遅くなってご免、とか言って来たんでしょ。

ボール蹴る行方に悲喜の青嵐  あや
<柊(人)>


<松風子(天)>
季語が効いていると思います


・3点句

紫陽花の昨日の色と今日の色  柊
<あや(地)>
なるほど・・・、と

<春愁(人)>
七変化を、さらっと上手く・・・

幾たびか逆転ゴール祭果つ  春愁
<芳生(天)>


思ひ切つて出づるに誰も夏衣  英治
<素蘭(天)>
 蛇隠れ棲む庭の捨石

地球儀の一回転して夏嵐  丹仙
<春愁(天)>
一回転がシュートボールを思わせて

追悼や壮き遺影の夏衣  鞠
<秋童子(天)>
軍服姿の遺影でしょうか。子や孫の世代が、再びこのような遺影となることだけは、何としても避けたいと思います。

地炎ゆる拉丁のバイオリズムかな  素蘭
<丹仙(天)>
「カーニバル」の不言題でも通用しますが、伯剌西爾の世界蹴球の雰囲気をよく表していますね。

負けに次ぐ引分けなほも蒸暑し  鞠
<楽千(地)>
すかっとしない、蒸し暑さが募る。

<素蘭(人)>
  テレビ桟敷に汗の流るる


・2点句

紫陽花や嫁の公園デビューの日  英治
<春愁(地)>
嫁のデビューが、何とも虚を突いて面白い

紫陽花や参道下る蛇目傘  丹仙
<柊(地)>
情緒満天

走らねばならぬ長友青嵐  楽千
<秋童子(人)>
あの彼が、攻守にあれだけ走っても、なお勝利は遠く・・・。

<雛菊(人)>



・1点句

紫陽花の色移るごと国変わり  秋童子
<英治(人)>
ほんとに。

男の子また兵士となるや夏衣  秋童子
<松風子(人)>
夏衣に連想されるこの前の戦争のことが、今またよみがえります

大輪の紫陽花の芯紫紺濃し  鞠
<芳生(人)>