第222回桃李七月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:梅雨明、サングラス、集団的自衛権(不言題)

兼題T 梅雨明
兼題U サングラス
兼題V 集団的自衛権(不言題)

7月15日(火) 投句開始
7月22日(火) 投句締切 翌日選句開始
7月29日(火) 選句締め切り
7月31日(木) 披講

投句: 芳生、楽千、柊、素人、素蘭、潮音、松風子、省吾、馬客、秋童子、雛菊、英治、明子、あや、春愁、丹仙
選句: 雛菊、楽千、英治、あや、芳生、省吾、秋童子、素蘭、春愁、松風子、素人、柊、潮音、馬客、明子、丹仙

披講

・8点句

梅雨明けやまだ物言わぬままの妻  省吾
<英治(地)>
ただの夫婦喧嘩ととりたい

<素蘭(人)>
  hot warよりましと白蓮 

<素人(天)>
こちらはまだ晴れてくれないのですね。よほど悪いことをしたのではありませんか。

<馬客(人)>
ホントッ!女房ってなんでああも頑ななんでしょうかね。

<丹仙(人)>
台風一過の梅雨明けかもしれませんね。


・7点句

姫百合の塔光りけり梅雨の闇  丹仙
<楽千(天)>
いかなる理由といえど戦争はいけません。
ぴかりと光る姫百合の塔がそう言っています。

<あや(地)>
忘れてはいけないこと。

<馬客(地)>
乙女たちの不戦反戦の思いが光っている。

山襞に雲の群立ち梅雨明ける  芳生
<春愁(天)>
梅雨明けのもどかしさとすがすがしさ

<潮音(人)>
雄大な句と存じます。

<明子(天)>
景色が生き生きと目の前に現れます。谷筋を埋めた雲がすっかり晴れたらいよいよ本当の夏です。


・6点句

のびやかにのばす子の手や真夏空  潮音
<英治(天)>
もうすぐ夏休み。

<省吾(天)>



・5点句

サングラス外しいつもの好々爺  柊
<あや(天)>
サングラスのギャップ!

<素人(地)>
と思っているのはご自分だけかもしれません。その辺、良く考えてみましょう。

梅雨明や怒涛真白に砕けゆく  楽千
<松風子(天)>
いかにも梅雨明けの光景がえがかれています

<柊(地)>



・4点句

海よりの風なまぐさく梅雨明くる  潮音
<芳生(天)>


<松風子(人)>
梅雨明けの海の様子がよく出ています

サングラスはずしたときの世の白さ  あや
<芳生(地)>
サングラスを掛けたときと外したときとの落差。

<明子(地)>
実感ですね。一瞬自分のいる場所が分からなくなったりします。

梅雨明や登校の子等声高く  馬客
<楽千(人)>
いままで聞こえなかった子等の声が聞こえ、はっと梅雨明けの実感に打たれる。

<あや(人)>
梅雨明の明るさが、くっきりと伝わってきます。

<省吾(地)>


日本丸総帆展き梅雨明くる  春愁
<芳生(人)>


<馬客(天)>
総帆展帆、一度実際に観てみたいです。
胸がわくわくする様な景。

まず総理から前線へ心太  雛菊
<秋童子(天)>
あれだけ「危険はない」と断言したのですから。

<素人(人)>
そうです。そうです。その通りです。


・3点句

明日は梅雨明くるてふ日の暗さかな  明子
<潮音(天)>
ちょっと、理屈かな、と思いましたが、印象の強い句でした。

石庭は黙して語る梅雨の明け  丹仙
<柊(天)>


戦はず行く夏の海小判鮫  楽千
<雛菊(天)>
今月は集団的自衛権で3つ採らせていただきました。
私たちの国はすばらしいを憲法を持っている。小判鮫のように
悠々といきましょうよ。

梅雨明やかっと見開く俳句の目  松風子
<秋童子(地)>
かくありたし、ですが・・・。

<春愁(人)>
句想はこうやって開かれるのですね

長刀の鉾立つ先の青き空  潮音
<素蘭(天)>
  祇の園生に交はす冷酒

夏シャツの講師メモ見て憲法論  柊
<丹仙(天)>
時事政治のことがらも、そのときどきの「存問」ありの不言題。イデオロギーは括弧に入れて情景のみを写生したところが印象的。

ランナーの駆け引き探るサングラス  雛菊
<春愁(地)>
古いけどQちゃんのオリンピックを思い出しました

<柊(人)>



・2点句

戦なき夏空忽と暗き雲    芳生
<松風子(地)>
忽然と暗雲がただようさまが何かの予感をあらわしています

木曾駒の天辺に立つサングラス  芳生
<丹仙(地)>
景が大きいのが気に入りました。サングラスが自然に見えます。

蝉時雨弟庇う兄ありて  馬客
<楽千(地)>
理想的な人間関係の原点がここに。
人類は皆兄弟の理想には遠いのだが。

太陽も原子力なりサングラス  丹仙
<素蘭(地)>
  ヨットハーバー過る白シャツ

誰ぞまたこの世ねじ曲げ夏の闇  秋童子
<省吾(人)>


<明子(人)>
あの強引さ、粗雑さは許せません。

角出せと蝸牛囃す男たち  松風子
<雛菊(人)>
時の為政者は角出すのも隠しませんけどね。それが怖い。

<秋童子(人)>
こうしてこの国をあやめることに。

梅雨明けや土に触れざる終の日々  英治
<潮音(地)>
わたしもそうなるのかな、と考えると少しさびしい。

捩り花論を尽くさう第九条  春愁
<雛菊(地)>
いとも簡単に決める問題ではない。捻り花はラン科の小さいピンクの花が
螺旋階段のように上に伸びていくのです。ゆっくりゆっくり論を積み重ねなければいけないと思います。


・1点句

サングラス外せばやはり人の顔  楽千
<英治(人)>
実感だ。