投句: | 松風子、素人、素蘭、芳生、春愁、楽千、英治、馬客、省吾、秋童子、柊、明子、ぽぽな、丹仙 |
選句: | 楽千、芳生、松風子、春愁、柊、英治、素人、秋童子、素蘭、ぽぽな、馬客、省吾、明子、丹仙 |
送り火を振り返りふりかへり消ゆ 英治
百八の送火消ゆる浜辺かな 丹仙
送り火に小さな合掌仮設の児 秋童子
送り火や反古になりたるもの数多 松風子
送り火を終えて夜空は星のもの ぽぽな
ぼうぜんと畑打つ雹を見てゐたり 芳生
山の端を揺りて巨きな月昇る 芳生
優柔を叱咤するごと氷雨打つ 松風子
大いなる満月にしてガザに死す 英治
送り火や暫し煙のたゆとへり 楽千
送り火を育てゐる肩落ちてをり 明子
甚平の抱かれし嬰の盆の窪 柊
ビー玉の音して雹の降り始む ぽぽな
送り火もLEDの青さかな 馬客
坂下の街や溢るる雹出水 丹仙
大気澄み月のあばたが笑窪とも 素人
月澄みて身は月色になりにける 松風子
月ふくらむ億の瞳に見つめられ ぽぽな
凶事の絶えぬ世なれば雹叩く 馬客
送り火の果てたる闇の虚ろかな 芳生
送り火や子ら三人を遺さるる 素人
野分来て巨大な月は雲の中 省吾
雹叩く都市の迷路のアソファルト 楽千
檸檬の香残る指もてピアノ弾く 柊