第225回桃李10月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:風、煙、ノーベル賞(不言題)

兼題T 風
兼題U 煙
兼題V ノーベル賞(不言題)

10月15日(水) 投句開始
10月22日(水) 投句締切 翌日選句開始
10月29日(水) 選句締め切り
10月31日(金) 披講

投句: 松風子、素蘭、春愁、楽千、芳生、柊、ぽぽな、秋童子、省吾、白馬、馬客、あや、英治、潮音、明子、素人、丹仙
選句: 楽千、芳生、春愁、白馬、ぽぽな、潮音、松風子、素蘭、柊、英治、あや、秋童子、素人、明子、省吾、馬客、丹仙

披講

・14点句

ひとつ癒えひとつまた病み秋の風  英治
<芳生(天)>
人生は病の連続ですね。

<春愁(天)>
身に入むや・・・ですね

<潮音(地)>
身につまされます。

<素蘭(人)>
お大事に

<秋童子(人)>
これもまた人の世の、避けては通れない道なのでしょうか。

<省吾(人)>


<丹仙(天)>
この秋風は身に沁みましたね。


・11点句

見えぬ風集めて揺るるこぼれ萩  松風子
<ぽぽな(天)>
「見えぬ風」がいいですね。風もないのに静かにこぼれる萩の花の姿が見えます。

<英治(地)>
お上手。

<あや(天)>
詩情あふれる美しきこぼれ萩

<秋童子(天)>
「集めて揺るる」がいいですね。風が見えました。


・9点句

田仕舞の煙の昇る峡の村  柊
<楽千(人)>
峡の村ならではの労苦も後始末の焚火で終了。一年の時の流れが集約されている。

<潮音(天)>
「田仕舞」という言葉のうつくしさ。

<松風子(人)>
晩秋の静かさのただよう景がよくでています。

<英治(人)>
なかなかの景。

<あや(人)>
こうした日本の風景は、年々少なくなっているのでしょう

<明子(地)>
今の季節、あちこちで畑を片づけるために火を焚きます。冬近しを感じさせる景色
です。


・7点句

ゆるゆると忘却曲線秋の風  春愁
<楽千(地)>
秋の風が忘却曲線とはユニークな発想。
老いとともに苦いものはしらずしらず忘れてゆく。

<潮音(人)>
わたしの場合、曲線がかなり急なような・・・

<素蘭(天)>
忘却曲線はゆく川の流れのよう
秋風に吹かれるならアレクサンドリアがいい

<丹仙(人)>
最近は忘却の記憶もなくなりましたが。。。


・6点句

爽やかや九条を持つ国に住み  明子
<芳生(人)>


<白馬(人)>
ずっとこの爽やかな国に住んでいたい。

<秋童子(地)>
同感です。清々しく、そして誇らしく。

<素人(地)>
9条を守りましょう。

勇敢なアジアの少女秋の虹  柊
<白馬(天)>
本当に素晴らしい少女。その瞳はあきの虹の如く澄んで。

<明子(天)>
マララさんの真っ直ぐな視線が心に残ります。


・5点句

秋の燈を暮らしの隅に点しけり  松風子
<ぽぽな(地)>
「暮らしの隅」に工夫があります。

<英治(天)>
よくととのった句。

コスモスや遠き浅間に煙立つ  楽千
<芳生(地)>
絵のような風景です。

<松風子(地)>
まさに一幅の絵のごとし、という景が切り取られています。

<馬客(人)>
今日は風もなく、近景のコスモスも遠景の
お山の煙も真っすぐに立っている、穏やかな
秋の景。


・3点句

秋風やノートの余白走り書き  素人
<省吾(天)>


暮の秋煙のようなピアノ曲  ぽぽな
<楽千(天)>
煙からピアノ曲への連想が面白い。形も音も束の間の存在。

秋風や始発待つ人皆寡黙  馬客
<ぽぽな(人)>
駅とはそれぞれの人生がしずかに出会うところですね。

<省吾(地)>


巡礼の行くや色なき風の中  素蘭
<松風子(天)>
物語性を感じる句。お遍路の白装束が鮮やかです。

せせらぎにあがる水煙小鳥来る  潮音
<柊(天)>


どちらへの声あり菊を焼く煙  英治
<馬客(天)>
行く人も菊焼く人も、共に悠々たる
人生の余禄を満喫している様子が伺える。
季語が十二分に働いている。

残り蚊や風に任せて右左  省吾
<春愁(人)>
デング熱こわい・・・

<馬客(地)>
俳味たっぷり。人生、つまるところがこれでしょう。

昼も夜もあを天高しLED  あや
<素人(天)>
最年少。これからが大変ですね。


・2点句

風に色つけたる絵師の消えし空  潮音
<白馬(地)>
あの絵師はどこへ行ってしまったのだろう。詩情を感じます。

9条を世界に推して待つ夜長  秋童子
<丹仙(地)>
夜長の「夜」はなかなか明けませんね。

ギリシャ風サラダに昼の月を足す  ぽぽな
<素蘭(地)>
+マンハッタンでサンデーブランチ・・・なんてス・テ・キ♪

紫煙てふ言葉古びて色葉散る  白馬
<春愁(地)>
断酒、禁煙増えています

満天の星に加わる秋ともし  ぽぽな
<柊(地)>


朗報に破顔一笑天高し  素人
<あや(地)>
まさにこういう感じだったかと


・1点句

暮の秋なにかが煙のやうに消え  あや
<明子(人)>
何だか気になる句。消えたものは何だったのだろう。

秋哭す煙の白き御嶽山  丹仙
<素人(人)>
捜索は来年まで打ち切られたのですよね。

噴煙や嶺ひと飲みに秋の昼  秋童子
<柊(人)>