第228回桃李正月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:去年今年、始、シャルリー・エブド(不言題)

兼題T 去年今年
兼題U 始
兼題V シャルリー・エブド(不言題)

1月15日 (木) 投句開始
1月22日 (木) 投句締切 翌日選句開始
1月29日(木) 選句締め切り 
1月31日(土) 披講

投句: 素人、白馬、素蘭、楽千、芳生、松風子、春愁、柊、馬客、英治、あや、翔河川、秋童子、治男、丹仙
選句: 楽千、白馬、あや、芳生、馬客、素蘭、松風子、英治、柊、春愁、秋童子、素人、治男、丹仙

披講

・12点句

初日記この白さより始まりぬ  あや
<白馬(天)>
新年の清々しさが感じられます。

<芳生(天)>


<治男(天)>
吾が新しき年初め。この人生の記録をする。
今年への期待と抱負が現れて居る。

<丹仙(天)>
これから書き込むべき未来の時間を現在の瞬間において捉えたところ、鮮やかです。

横顔の凛々しき女弓始  素人
<楽千(地)>
普段の優しい素顔が集中した澄んだ瞳に変わった。

<芳生(地)>


<馬客(人)>
熱き想いを秘める胸当

<松風子(天)>
ぴんと張りつめる弓に呼応して引き締まる顔の表情が見えてきます

<秋童子(地)>
弓をしぼりきった一瞬の表情の美。

<丹仙(地)>
弓始めの季語が生きますね。


・9点句

去年今年母の襁褓を換へにけり  丹仙
<素蘭(地)>
老いの寝覚めに初鶏の聲

<松風子(地)>
何時終わるともなき介護の感慨があらわれています

<英治(天)>
深刻な介護の問題。

<素人(地)>
ちと身につまされる句です。


・5点句

屈せずに揶揄し続けて土竜打  素人
<春愁(地)>
品位を保ちつつ、屈せずに

<素人(天)>
出版側の意気を一句にしています。季語の斡旋がおみごと。

ともかくも笑顔の仕事始めかな  英治
<楽千(天)>
笑顔と挨拶がすべての始まり、共感する。

<あや(人)>
今年もいいこと沢山ありそうですね。

<松風子(人)>
いろいろとあろうとも、ともかく一年のはじめは笑顔でという気持ちに共感しました


・4点句

工事場のマンモスクレーン去年今年  柊
<馬客(天)>
静寂が伝わってくる。

<治男(人)>
 年越しのクレ−ンが、どっかと年越しである。
 機械とは言え、寒さを感じ、早く活動して欲しいと。


・3点句

益軒の訓に始まる初暦  芳生
<あや(天)>
いかにも初暦に相応しく、思わず襟を正し背筋が伸びます。

寒の闇ベンは剣より強くあれ  春愁
<柊(天)>


木枯や始祖鳥にある風切羽  楽千
<素蘭(天)>
エウロパ凍つるジュラ系の海

高々とペンかざす人パリは凍つ  秋童子
<馬客(地)>
今月の不言題は難しかった。
こんな風に詠めばよかった、反省。

<柊(人)>


ぬばたまの夢より現筆始  素蘭
<春愁(天)>
確かに夢よりうつつですよね、

病臥す母に新年始まらず  丹仙
<秋童子(天)>
家族は、何かひとつでもお正月らしいことをしてあげたいのに、それがままならないもどかしさ。


・2点句

危ふげに時はめぐりぬ去年今年  松風子
<英治(地)>
実感である。

媼らも紅ほんのりと謡初  馬客
<芳生(人)>


<丹仙(人)>
媼という古語が良いですね。

薬あまた確かめて呑む去年今年  英治
<白馬(地)>
また今年も薬漬けか-----。

去年今年老いゆく吾を客観視  素人
<あや(地)>
淡々と、粛々と。

去年今年こころはいつも冒険者  翔河川
<柊(地)>


戦雲とテロ案じつつ冬籠る  芳生
<治男(地)>
 新年より、様々な争いがあり、また、人質のテロあり。
 おちおちと冬籠もりも出来ない。


・1点句

柏手を打つ為に出す懐手  柊
<英治(人)>
大方の初詣はこんなもの。

蔑まれかつと目を剥く寒鴉  英治
<春愁(人)>
鴉の勘違い

表現の自由と品格おらが春  白馬
<素蘭(人)>
親しき仲に垣をせよとか・・・

無名でも有名でもなく去年今年  白馬
<楽千(人)>
平凡が一番、平和な日本で日向ぼこでもしていよう。

夢はじめ二夜続きのサスペンス  春愁
<秋童子(人)>
その連続サスペンス、結末はどうなったのでしょうか。

狼藉の百鬼夜行や闇の雪  松風子
<白馬(人)>
イスラム国の無謀な行動

モナリザの皴また深む去年今年  春愁
<素人(人)>
なんとなく納得させられます。