第230回桃李3月定例句会披講

選句方法:天地人方式(各3、2、1点)
兼題:東風、鳥雲に、北陸新幹線(不言題)

兼題T 東風
兼題U 鳥雲に
兼題V 北陸新幹線(不言題)

3月15日 (日) 投句開始
3月22日 (日) 投句締切 翌日選句開始
3月29日(日) 選句締め切り 
3月30日(月) 披講

投句: 白馬、素蘭、芳生、楽千、松風子、秋童子、柊、春愁、英治、あや、馬客、素人、明子、丹仙
選句: 楽千、芳生、英治、秋童子、白馬、春愁、柊、あや、馬客、素蘭、明子、丹仙

披講

・6点句

加賀の地に風穴あける春疾風  松風子
<あや(天)>
新幹線の開通はまさにこのようなことかと

<丹仙(天)>
不言題にはこういう即興性が良いですね。

鳥雲に父の手垢の竿秤  芳生
<楽千(天)>
長年父が使い古した竿秤を残して、鳥が雲に消えていった。
呼応する哀感あり。

<英治(天)>
よい雰囲気。


・5点句

そぞろ神浮き立つころや桜東風  素蘭
<春愁(人)>
春ラララ

<柊(地)>
春の気分が出ています。

<馬客(地)>
われらの心を浮き立たせる神サンも、まずは自分の
心をウキウキさせるこの季節です。

どこまでも除染の土嚢鳥雲に  秋童子
<英治(地)>
むごいこと。

<白馬(人)>
人の所業の愚かしさを帰る鳥は何と思っているでしょうか?

<明子(地)>
黒い土嚢が累々と続く大地。人々の思いが鳥雲にという
季語に込められているようです。

ひた走る魚津荒海蜃気楼  楽千
<秋童子(地)>
語感の走りもいいこと。なぜか演歌の歌詞のようでもありますが。

<素蘭(天)>
高田から金沢まで5日で踏破した翁を偲び
宿をかさねて担籠の藤波

復興の遅々と進まぬ浜に東風  秋童子
<芳生(地)>
東北の現実を詠んでいます。

<白馬(地)>
人災と自然

<丹仙(人)>
3/11 のことを忘れずにとりあげてくださいました。


・4点句

納骨の時近づけり鳥雲に  丹仙
<秋童子(天)>
かなたへと。気持ちの区切りをつけるときがきたようです。

<素蘭(人)>
納骨と鳥雲がよく響きあっています

故郷は食の豊かに鰆東風  柊
<楽千(人)>
帰れば必ず「あれ」が食べられるふる里が羨ましい。

<明子(天)>
鰆東風の季語がきいていて、ふるさとの食卓が目に浮かびます。

夢乗せて伸ぶる幹線春疾風  芳生
<白馬(天)>
とても素直な句です。気持ちが良いです。

<柊(人)>
北陸新幹線へのお祝い気分が出ています。


・3点句

梅東風の分厚く掛る絵馬鳴らし  明子
<柊(天)>
湯島天神の風景が目に浮かびました。

心地よき東風に押されて車椅子  英治
<秋童子(人)>
厳しい冬も無事に越し、ようやくほっとできたのでしょう。

<素蘭(地)>
梅は咲いたか 桜はまだかいな 柳なよなよ風次第・・・
なんて端唄も風に乗って聞こえてきそう

犀川の冬の瀬音へ須臾の旅  馬客
<春愁(天)>
近くになりました

住み慣れてここが故郷鳥雲に  明子
<馬客(天)>
転勤の度に第二の故郷、第三の故郷と思って
勤務した。
鳥たちよ、日本がお前たちの故郷だぞ〜。


早よ来られ春のお誘い富山弁  秋童子
<芳生(天)>
軽妙な富山弁でのお誘いです。

夕東風や帰りたくなる家がある  松風子
<あや(地)>
夕東風に吹かれているとこんな気持ちになるような

<馬客(人)>
帰りたくなる家がある、故郷がある
と言うしあわせ。


・2点句

荒東風や眉根凛々しき宅配夫  馬客
<芳生(人)>


<あや(人)>
荒東風には凛々しく

東風静か北斗七星脚長し  白馬
<楽千(地)>
脚を伸ばした北斗の表現が見事、春の宵を東風が吹き渡る。

隻翼の天使は翔べぬ鳥雲に  素蘭
<春愁(地)>
エンジェルの片肺飛行

峰々も海もかがやき春の旅  明子
<丹仙(地)>
北陸新幹線の春の旅の気分が良くでていますね


・1点句

梅東風や聖なる山を登りゆく  丹仙
<英治(人)>
臨場感あり。

本線もローカル線に加賀の春  英治
<明子(人)>
この視点も忘れてはいけませんね。